本来は、2011年9月に公開予定だった映画の小説ですが、城に対する「水攻め」の場面があり、東日本大震災の被害を考慮し、公開延期になりました『のぼうの城』です。
ようやく今年の11月2日に公開されることに伴い、原作本を読んでみました。
著者の作家デビュー作であり、第139回(2008年上半期ノミネート)、2009年には第6回本屋大賞第2位を受賞した作品でもあります。
天下統一を狙う豊臣秀吉は、関東最大の勢力を持つ北条氏の小田原城をつぶそうと考えます。北条側は、関東各地の支城の城主に対して、秀吉に対抗せよと命を出しますが、「忍城」城主の成田氏長は北条氏に従うように見せかけ、裏側で秀吉側に降伏の密通書を送り届けています。
武功として名を立てるために石田光成は2万の兵力で、すでに氏長が降伏しているとは露知らず「忍城」に向かい、明け渡しを要求しますが、留守を預かる<のぼう=でくのぼう>と呼ばれる成田長親は、裏で降伏していることなど知らせられていないため、兵士500と農民たちを合わせたわずか2千の数で戦に臨みます。
<のぼう>様と呼ばれた長親は、田植えが好きで兵法も知らず、武術も出来ませんが、農民からの「人望」を背に受け「忍城」を守り抜きます。
城の留守を預かる、長親を取り巻く<正木丹波守>・<柴崎和泉守>・<酒巻靭負>たちという脇役の活躍が素晴らしく、小気味の良い流れで、一気に読み切れました。
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Posted at 2012-09-06 05:54
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Posted at 2012-09-07 00:33
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Posted at 2012-09-06 06:30
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Posted at 2012-09-07 00:36
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