今年の読書(133)『毒のある街 K・S・P』香納諒一(徳間文庫)
Dec
11
多くの警察小説が出版されていますが、登場人物のあざやかな性格づけが緻密に構成されているのは、著者自らが「10作まで続ける」という構想を持ち得ているからだと見ています。
一作目以降おだやかな歌舞伎町でしたが、暴力団神流会の構成員二人が射殺されるところから物語は始まります。
重ねて、神竜会の幹部までが、中国マフィアに爆弾で処刑される事件が起こり、利権の勢力争いと報復が繰り返されるなか、主人公の<沖>がどう対処してゆくのかが楽しめる一冊です。
前作で登場した新署長の秘書であった<村井貴里子>が、(K・S・P)のチーフに昇格、<沖>は彼女の部下となり捜査を進めざる得なくなる展開も、前作に散りばめられた下地が生きてきています。
暴力団と中国マフィアの抗争のなか、<沖>の部下だった<円谷>の家族が爆弾で殺され、事件解決後に休暇という形で(K・S・P)を去りますが、きっと「10作」までのどこかで復帰してくるのではないかと、期待しています。
Posted at 2012-12-11 04:59
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Posted at 2012-12-11 14:34
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