今年の読書(19)『完全黙秘』濱嘉之(文春文庫)
Feb
11
今回は、警視庁公安部公安総務課の<青山望>を主人公に据え、警察学校同期の三人が、それぞれの担当の部で彼に協力する体制が、警察組織として見事に描かれています。
福岡市内で行われた政治資金パーティーの席上で、財務大臣が暴漢にナイフで刺殺される事件が起こりますが、犯人は完全黙秘を貫き、身元があきらかでないまま起訴されます。
特命の極秘捜査を進めていくうちに、以前にも良く似た事件の犯人として『蒲田一号』と氏名不詳のまま起訴され、出所したあとに行方不明の人物に<青山>は興味を抱きます。
捜査を進めるうちに、政治家と暴力団、語学学校を隠れ蓑にした売春組織等の複雑な関係が浮かび上がり、公安部を中心に各組織が捜査を進めてゆきます。
もと警視庁公安部に在籍していた著者ならではの、警察組織の彩も細かく描かれていますので、圧倒的なリアリティーで読者を引きずり込んでくれます。
他の部署の同期の仲間3人と絡み合い、また刑事モノとして楽しめるシリーズが出てきました。
Posted at 2013-02-18 21:23
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Posted at 2013-02-19 08:04
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