今年も雑多に読んできていますが、これは特筆すべき出来ばえの国際経済小説です。
いつもですと読後感を書くためにメモを取りながら読んでいますが、今回は上下2冊と分量がありながら、手を止めるのも憚るほど熱中して一気に読んでしまえる内容でした。
主人公の<真理戸潤>は日本長期債権銀行のナノイ事務所の所長として、ベトナムの発電工事受注のメインバンクとして入札に参加するのですが、背景には香港やタイ、フィリピンといったアジア経済の不安定な背景が待ち構えています。
タイトルの『アジアの隼』は、香港に実在した証券会社<ペレグリン>の別名で、急速にマーケットを拡大・崩壊してゆく様が<真理戸>の行動と共にリアルに描かれています。
単に経済小説にとどまらず、ベトナムという国の現状や国民性等が見事に描かれていて、「ドイモイ政策」に狂喜乱舞した時代を知る上でも、貴重な一冊だです。
余談ですがハノイでは、払い下げられた神戸市営バスが、空港バスとして利用されているのは知りませんでした。
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Posted at 2013-03-20 19:35
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Posted at 2013-03-21 05:47
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