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今年の読書(62)『萩を揺らす雨』吉永南央(文春文庫)

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今年の読書(62)『萩を揺らす...
これはぜひ皆さんに読んでいただきたいなと思う一冊ほど、どう紹介しようかと悩んでしまいます。

主人公は、大恋愛の末に山形県に嫁いだものの、後妻を用意してから離縁され、残してきた3歳の子供を用水路で溺れて亡くしている、<杉浦草(そう)>76歳です。
65歳の時に、両親が残した家を「小蔵屋」という民家風の喫茶と小物を扱うお店に改装して、今に至っています。
副題に<紅雲町珈琲屋こよみ>とありますが、76歳の年齢においては、季節の移り変わりも「老い」という重要な意味を持つのだと感じました。また、「紅雲」は、「幸運」の語呂合わせでしょうか。

山里の簡素な紅雲町で起こる日常的な出来事を、持ち前の好奇心で解決してゆく様子が描かれています。坦々とした文章の中に、76歳という人生経験を積んだ女性の強さがにじみ出ており、著者の構成力に圧倒されました。

文庫の解説者<大矢博子>は、「おばあちゃん探偵」という表現を使われていましたが、わたしは<品のいいおばあちゃんの品のいいおせっかい顛末記>と表現したく、ミステリーの分野に含めるのには抵抗を感じます。

幼馴染の<由紀乃>との交流もほのぼのとし、76歳ならではの設定がよく生かされた連作短短篇集で、これは無条件にニ冊目を読まなければいけません。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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yukio
Commented by yukio
Posted at 2013-05-10 15:11

主人公の若い頃は、波乱万丈ですね。それが、65歳から喫茶店ですか。私の60年の人生と重なります、、、とは言えませんが、面白そうですね。今後のテーマは「老い」と「好奇心」。今後のためにも読んでみようかと思います。

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ファルコン
Commented by ファルコン
Posted at 2013-05-11 00:27

老いてますます盛んではありませんが、年齢それなりに人生を歩んでゆく姿が、いい感じで表現されていました。
探偵もどきにフラフラとある建物の付近をうろついていますと、「徘徊」や「痴ほう症」と間違われる場面などは、76歳の設定ならではの現実だと苦笑してしまう場面もあります。

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エメラルド
Commented by エメラルド
Posted at 2013-05-18 02:23

これからこの年代にどんどん近づいていくので、先輩の生き方として是非読んでおきたいです。〆(._.)メモメモ

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ファルコン
Commented by ファルコン
Posted at 2013-05-18 13:49

うまく高齢者の話題と絡めながら、元気一杯の主人公<草>がとてもかわいいくおもえる小説です特にタイトルになっています作品は、老いらくの乙女心を現わしていて秀逸でした。
ぜひ、読んでみていただければとおもいます。

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