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- 今年の読書(129)『京都禊ぎ神殺人物語』秋月達郎(新潮文庫)
副題に<民俗学者 竹之内晴彦の事件簿>とあるように、民俗学者の<竹之内>が、下宿先の料理旅館の息子であり捜査一課の刑事の<小比類巻ゆたか>との兼ね合いで、京都を舞台として物語は進んでいきます。
上賀茂神社の境内で、素肌に豪華な振袖をまとった若い女性の絞殺死体が発見され、手には二つに折れた破魔矢を持たされていました。
その後下賀茂神社、蚕ノ社の三柱鳥居と同じように素肌に振袖だけの死体が発見されていきます。
着せられていた振袖は、いずれも着物の染色家<八剣正親>の作品で、殺された女性たちはいずれも彼の愛人という立場でした。
上賀茂神社を中心とした歴史的記述や、人身交婚伝説に託された民俗学的な話題を縦糸に、染色家という芸術の世界を横糸に、猟奇的殺人事件が解明されていきます。
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