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- 今年の読書(36)『バイバイ・ブラックバード』伊坂幸太郎(双葉文庫)
現実的な物語としての感覚を味わいながら最後まで読み終えましたが、大人のファンタジー物語りとでも表現すればいいのでしょうか、何とも不思議な話しが6編収められています。
主人公<星野一彦>は、「身長が190センチ 体重は200キロ」という<繭美>という見張り役の女に監禁状態にされ、《あのバス》で遠くつれされる前に、交際していた5人の女性ひとりずつにお別れの挨拶に<繭美>と共に出向いていく話しが連作で語られていきます。
粗暴な大女はハーフということで辞書を持ち歩いていますが、「常識」や「悩み」・「上品」などという項目は黒く塗りつぶしているという感性の持ち主で、<星野>との凸凹コンビが織りなす行動が、なんともユーモアたっぷりにまとめられています。
<あのバス>とは何なのか、最後まで明かされていませんが、読み手側の想像力にゆだねられたエンディングで物語は終わります。
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