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- 今年の読書(41)『黒猫の遊歩あるいは美学講義』森晶麿(ハヤカワ文庫)
「ミステリの女王」と呼ばれた<アガサ・クリスティー>の生誕120周年を記念して、2010年に創設された「第1回アガサ・クリスティー賞」を受賞した作品です。
主人公は24歳で大学教授の<黒猫>と呼ばれている美学理論を駆使する天才で、同じ大学の研究室にて「エドガー・アラン・ポオ」を研究している博士課程の女性が「付き人」として登場します。(ポオは、著者が文中で使用されている表現で「ポー」との表記もあるとおもいます)
6話の短篇構成ですが、謎解きの過程で持ち前の美学の理論を駆使しながら「アラン・ポオ」の作品を分析、日本文学から映画の世界など、著者の博識な知識が繰り広げられています。
「付き人」の<黒猫>に対する淡い恋心も伏線として描かれており、クリスティー賞にふさわしい内容でした。
続編も単行本として出ているようで、文庫本化されるのが待ち遠しくなる<黒猫>シリーズです。
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