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- 今年の読書(107)『安全と良心』竹田正興(晶文社)
本書は過去に起こった鉄道事故や飛行機事故、食品の安全問題、集中豪雨、福島原発の崩壊などを軸に、どのように組織が対応し、また安全管理を考えてきたかを検証しています。
「想定外」という言葉が独り歩きしている感がありますが、そもそも国民に対す「安全基準」は、法令順守や責任事故防止のいわゆる「合格点の安全」で済ませてきた感があり、事業主としてよりすすんだ安全対策は誰もとってこなかったのがよく理解できました。
遺伝子組み換え作物は、特許社会の中で独占的な利益をもたらしますが、10年後20年後の人間および他の生物や自然環境に対する「想定外」のことには触れていません。
副題には「究極リーダーシップ」とありますが、まさにどの分野においても、「正しいことを勇気をもって実践し組織を発展させることができる人格者」が出てこないと、危機に対する取り組みは難しいと筆者は説いています。
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