飛騨の山間にある小大名の山谷藩江戸家老の三男<苗場新三郎>は23歳、育ちがよく美形の持ち主ですが、女のことしか考えられないうつけ者です。
ある日、父の使いで京都まで出向く用事を頼まれるのですが、さて自分がどのような用事で出向くのかさえ考えず、頭の中は道中で遊ぶことばかりです。
そんな<新三郎>を付け狙う「ヤマダチ=山賊」に箱根の山奥で襲われ、山奥で隠れるように生活をしている<魁>という19歳の弓の名人のに助けられます。
<魁>は、人里離れた山奥に渡り歩く<宇流那>一族とも交流があり、「ヤマダチ」の頭である<戸神影堂>一味を壊滅すべく、<新三郎>と二人で戦いに臨みます。
生死を分ける経験を積んだ<新三郎>は、昔の軽率な行動をすることもなく、見違えるように一人前の武士の風格が漂う人物に生まれ変わります。
山奥の中で、血なまぐさい死闘が繰り広げられるなか、<魁>との友情が芽生え、また<宇流那>一族の<裟伎>との恋心も生まれたりと、痛快青春時代小説という一冊でした。
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