特異な感覚の映画監督として人気のある<新谷吉彦>48歳ですが、家庭では妻<泉>38歳に対する暴力が絶えず、彼女は夫の出張中に家を飛び出します。
落ち着き先の当てもないなか、とある地方都市で降りた彼女は、昼飯に寄った喫茶店で高齢な80歳の画家<天坊八重子>の住み込み家政婦募集の張り紙を見て、<高田洋子>の偽名で働き出します。
ある日<天坊>は<洋子(泉)>を連れて、還暦のオカマ<サクラ>が経営するバーに連れて行かれますが、そこにはかって夫<新谷>のドメスティック・バイオレンスを取材しに来ていた週刊記者の<塚本鉄治>42歳が<ヒロシ>という名で働いていました。
自分の立場が<天坊>にばれないかと気をもむのですが、<塚本>もまた大手芸能プロダクションの覚醒剤の取材に絡み、容疑者としてはめられてしまい逃亡している立場でした。
共に身を隠すように生活する二人でしたが、お互いに惹かれあい逢瀬を重ねていきます。
やがて<サクラ>や<天坊>たちに二人の関係が知られることになり、<塚本>は愛する<泉>との将来に夢を託し、みすから警察に出頭していきます。
登場人物が少ない小説で、主人公は<泉>に間違いがありませんが、オカマの<サクラ>の脇役のキャラクター、そして画家の<天坊>の存在が大きく、自らの裸婦絵を描きながら亡くなった<天坊>の通夜の場面では思わず「ウッ」となり、<泉>と<塚本>の未来が垣間見れるエンディングは秀逸でした。
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Posted at 2015-03-08 19:09
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Posted at 2015-03-08 19:19
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