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今年の読書(44)『エンドロール』鏑木蓮(ハヤカワ文庫)

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今年の読書(44)『エンドロー...
主人公<門川誠一>は、映画監督にあこがれ故郷を飛び出し、今はアパートの管理会社でアルバイトをしている29歳です。

ある日管理しているアパートに住む84歳の住人<帯川>が、孤独死で亡くなっているのを発見してしまいます。
遺体も引き取り手がいないということで遺品の整理をする<門川>ですが、映画雑誌や8ミリフィルムを発見、撮影されていたのはリヤカーを曳く行商の女性の笑顔でした。

<門川>は残された8ミリフィルムに興味を持ち、残された大学ノートに書かれたメモを頼りに独居老人の<帯川>の人生を調べてゆく過程で、戦争にまつわる隠された出来事にたどり着いていきます。

戦争という悲劇がもたらした一人の男の生き様が見事に描かれ、また<門川>の純粋な探究心と相まって、重く暗い話題になりがちな物語でしたが、最後は明るい希望が見える「エンドロール」で落ち着き、ほっとさせられる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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