主人公は江戸の歌舞伎小屋「森田座」の大部屋女形<梅村濱次>で、幽霊や物の怪などの怨霊事が好きで、のんびりとした性格です。
ある日<濱次>は、見知らぬ娘から朝顔の植木鉢を預かってくれと頼まれ、小屋に持って帰る羽目になってしまいましたが、それは「変化朝顔」という種類でした。
<濱次>の奥役(付け人)<清助>は、金になると考えて<濱次>から世話をするということで鉢を預かり、金もうけを企み自ら「花合せ」の場にその朝顔を持ち込みますが、「親木・出物」といった専門用語についていけずに長屋に持ち帰るのですが盗まれてしまいます。
預かった<濱次>は、消えた朝顔の鉢と鉢を預けた見知らぬ娘の正体を探るべく、自らが謎解きのために動き出します。
<濱次>の座元<森田勘弥>、師匠の<有島仙雀>、料理屋の女将<お好>などの脇役の設定も面白く、一件落着のあとに思わぬ展開があるなど楽しめました。
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