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- 今年の読書(69)『デッド・リミット』遠藤武文(集英社文庫)
スナックの深夜営業で疲れて眠る<藤村智子>の家に一箱の小包が届き、開けてみると息子<大翔(はると)>の冷凍された小指でした。早く解放すれば整形手術で接合できると電話が入り、身代金5000万を用意するために<智子>は銀行強盗を働き、指定された場所に向かいますが、あわてて降りた電車内に置き忘れてしまいます。
指定された駅に降りた<智子>はそこで<藤村>と名乗る若者と接触しますが、彼は誘拐犯の<山田浅右衛門>ではなく、彼もまた両親を人質としてとられ、なぜかその場に<大翔>の小学校の担任<柳原佳葉子>も登場してきます。
全5章の構成ですが、各章ごとに登場人物を中心とした物語が進み、最後の章で全体のつながりがわかるのですが、各人が各様に自己中心的な行動を取る展開で、結末までどうなるのかと思わせながら読者を最後まで引っ張ります。
結末的に教師の<柳原>や悪徳刑事<磯崎>の処遇が不明なまま物語は終わり、消化不良の感はいがめませんが、全体的によくできた構成で楽しめました。
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