『くうねるところすむところ』平安寿子(文春文庫)
May
10
主人公<山根梨央>は30歳、人材募集の出版社に勤めていましたが、編集長との不倫にも行き詰まり、ある日酔っぱらって工事現場に侵入、足場に登ったのはいいのですが降りることができずにとび職の<田所徹男>に助けられます。
<徹男>に一目ぼれした<梨央>は、夢を持てない出版社を退社、<徹男>の紹介で<鍵山工務店>に就職しますが、そこは離婚してやむなく社長になった<姫>こと47歳の<鍵山郷子>が分からない工務店の世界で奮闘していました。
建築設計を生業としているわたしとして、工務店の実情がわかるだけに、著者の取材に基づく細かい描写が手に取るようにわかるだけに、とても面白く読めた一冊でした。