『しずかな日々』椰月美智子(講談社文庫)
Jun
16
座席の後は<押野広也>で、彼から3丁目の広場でやっている草野球に誘われ、6年生の<じゃらし>や水泳の得意な<ヤマ>達と知り合い、楽しい時間を過ごしていました。
母親の仕事の関係で突然夏休み前に転校をしなければならなくなった<枝田>は、せっかくできた友達と離れることを拒否、母親と別れて急きょ祖父の家で生活することになります。
人生で一番思い出となる夏休みを経験、大人になってからも懐かしく想い出す日々として、心に深く残っています。
<今の自分というのは、これまでの過去を全部ひっくるめた結果なのだ>と、<どんなことも静かに受け入れていくのがぼくの人世で日常だ>と、おとなになって気づく人生の原体験がみずみずしく描かれていました。