エッセイ集かと思えるほどの掌篇小説として、218ページで26篇が納められています。
タイトルの『ハヅキさんのこと』は、女性教師二人の物語です。
教師の性格を反映してか<ハヅキ>さんの学級は「明るい真面目なクラス」であり、<わたし>の学級は「そこはかとなくだらしない」と、対照的な性格の二人ですが、管理教育に反発し合うところでは一致、なぜか酒呑み友達として意気投合しています。
著者自身4年間私立の中・高校で生物の教員を経験していますので、自伝的要素もあるのか、面白くそして切ない短篇として心に残りました。
どこにでもある日常生活の中の男と女の心のふれ合いやすれ違いが、「そうだよな」とじんわりと心に広がる一冊でした。
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