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- 今年の読書(34)『血に花・下』帚木蓬生(集英社文庫)
<小林鎮水>の元で医者の修業を積んでいた<庄十郎>ですが、生まれ故郷の井上村の近くで、先任の医者が亡くなり跡を継ぐ形で18年間の修行を終え、<高松凌水>として、診療所を構えます。
二十何年ぶりの飢饉がおこり、農民たちは一揆の覚悟で集まりますが、元家老の<稲次>のように藩の体制を見直す家老もおらず、一揆の見せしめに庄屋や農民たちに処刑がいいわたされ、<庄十郎>の兄<甚八>も見せしめのために処刑され、<高松家>は途絶えてしまいます。
不作・飢饉・増税に苦しみながらも、強く生きぬく農民たちの姿を細かく描き、市井の医者としての職務を全うする<庄十郎>の複雑な心の変遷を絡める、歴史的大作に感動を覚えました。
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