閉店「ヤマトヤシキ姫路店」
Feb
28
同店の設計は、関西を拠点に旧大丸神戸店(神戸市中央区)など数々の名建築を残し、文化勲章を受けた建築家<村野藤吾>です。閉店に伴い解体されますと、播磨地域では唯一の村野作品が姿を消すことになります。
現在の形のヤマトヤシキは姫路初の百貨店として、1951年11月23日開業。<村野>の設計による建物は鉄筋コンクリート4階建てで、57年には地上8階(塔屋部分12階)、地下2階建てに。計4期の増改築と外装工事を経て83年に全館完成した。村野の資料を保存する京都工芸繊維大美術工芸資料館には、第1期の設計から増改築時の図面まで約600点が残っているが、詳しい調査はされていません。
<村野藤吾>の建築は、ヤマトヤシキ姫路店以外にも、名古屋市の老舗百貨店 「丸栄」 が解体の危機に直面しています。
丸栄本館は戦前の建物に増築する形で、1953年に地上8階(塔屋部分11階)、地下2階建ての建物が完成し、56年と84年に増築した。戦前の外壁を継承しつつ、より細やかな縦格子に分割したデザインなど「繊細巧緻(こうち)な感覚」が評価され、日本建築学会賞作品賞を受賞した。丸栄は2018年6月末に閉店、建て替えの方針が示されており、日本建築学会は保存活用を求める要望書を出している。
<村野>は百貨店をいくつも手掛けていますが、旧大丸神戸店は1995年の阪神・淡路大震災により解体。旧そごう大阪店(大阪市)は経営破綻で2000年に閉店、建て替えられた。近鉄百貨店阿倍野本店(同)は、13年に超高層ビル 「あべのハルカス」 となっています。