ファルコン昆虫記(821)捕食体制の【ヤミイロカニグモ】(3)
May
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体長は「雌」で5~10mm、「雄」で4~7mm。頭胸部は長さと幅がほぼ同じ、眼は2列8眼で、前側眼(前列外側の眼)が最も大きく、これに次いで後側眼、前後中眼はより小さい。側眼はよく発達した眼丘(盛り上がった部分の上に眼がある)にあり、やはり前側眼のそれが大きい。第一脚と第二脚が他より長くて同大。
体全体は黄褐色から暗褐色をしています。背甲は両側に沿って暗色の斑紋がありますので、同定の根拠としています。腹部は後方が幅広く台形に近い形、背面には白い横筋模様がある。また背甲や歩脚に多数の棘があります。雄は雌より華奢で、体色が色濃いですが、 これらの外見的な特徴はこの属の多くの種に共通してみられるものであり、それによる同定はほぼ出来ません。
日本では北海道、本州、四国、九州に広く見られ、ごく普通に見られるクモです。平地から山地まで広く見られ、日本の「カニグモ」を代表する普通種です。
高齢の幼生で越冬し、越冬した幼生が春から初夏にかけて成体になります。産卵期は5~6月で、葉や落葉の上に丸い座布団のような形の卵嚢を貼り付け、雌成体がその上に抱えるように乗って防衛します。卵嚢1つに卵は70~120個含まれています。