県果樹・薬草研究センター「柿博物館」@奈良県五條市
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「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」(正岡子規)の句や柿の葉寿司で有名な柿の名産地奈良県は、年間の収穫量は約3万トンと和歌山県に次ぐ全国第2位を誇りますが、県内最大の産地、五條市の山あいにあるのが柿の形を模した県果樹・薬草研究センターの「柿博物館」です。
同館の外観は巨大な柿の実のオブジェ。直径14・8メートル、高さ8メートル。山の緑の中で、オレンジ色がひときわ目立ちます。1994年、柿の品種改良などを研究する同センターの前身施設と共にオープンしました。
国内の品種は約1000。県内では主に甘柿の富有、渋柿の刀根早生(とねわせ)と平核無(ひらたねなし)を栽培しています。実の渋み成分、タンニンが水に溶けずに舌で感じないのが「甘柿」で、逆に水に溶け出すのが渋柿。一般に甘柿の方が硬めの食感で糖度も高い。一方、「渋柿」 も出荷の際に炭酸ガス処理でタンニンを溶けにくくすることで生食できます。
同センターでは農園で国内外の200品種を栽培。同館では主な品種を模型で紹介し、秋の収穫期には採れたての実も並べられています。11月には最大120種類になるそうです。中には黒色の「黒柿」や実に突起のある「いぼ柿」、1・5センチ程度と小さい「豆柿」などユニークな品種が見れます。