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- 「昆虫の絶滅に関する科学者から人類への警告」@<ペドロ・カルドーソ>
絶滅の危機に直面している世界の動植物100万種の約半数は昆虫だとする研究結果の「昆虫の絶滅に関する科学者から人類への警告」と題した論文が10日、学術誌「バイオロジカル・コンサベーション」にて発表されています。昆虫の消失は人類にとって大惨事となる可能性があると、今回の研究結果をまとめた論文の筆頭執筆者で、フィンランド自然史博物館の生物学者である<ペドロ・カルドーソ>氏は警告しています。
第1の要因は生息地の縮小と生息環境の悪化で、第2の要因は汚染物質(特に殺虫剤)と侵略的外来種とされています。
生物資源の乱用ー世界では2000種以上の昆虫が人の食料の一部となっているーと気候変動も要因の一部です。
<カルドーソ>氏は、受粉、栄養循環、害虫駆除などの「かけがえのない貢献の提供者」であるとして、多くの昆虫種は必要不可欠だと指摘しています。これらの「生態系への貢献」は、米国だけでも年間570億ドル(約6兆3000億円)の価値に相当することが、過去の研究で報告されています。
国連の科学者組織「生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム」によりますと、世界規模では、虫媒(昆虫による受粉媒介)を必要とする作物には年間2350億~5770億ドル(約25兆8000億~63兆4000億円)の経済的価値があるといいます。
そして、多くの動物が生存のために大量の昆虫に依存しています。例えば、欧米全域での鳥類個体数の急減については、殺虫剤使用の影響による昆虫個体群の崩壊との関連が指摘されています。
科学者らは昆虫種が約550万種存在すると推定していますが、これまでに種が同定され、命名された昆虫はそのうちの5分の1ほどにすぎません。「希少な昆虫種は非常に多く、また記録にも残されていない。そのため、絶滅危惧種や絶滅種の昆虫の数は甚だしく過小評価されている」と、<カルドーソ>氏は指摘しています。絶滅危惧種をまとめた国際自然保護連合(IUCN)の「レッドリスト」で評価対象となっている昆虫は、存在が知られている100万種のうちの約8400種にとどまっているのが現状で、18世紀から19世紀にかけて起きた産業革命以降に絶滅した昆虫種は、全体の5~10%に上るとされています。
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