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- 今年の読書(5)『孤軍 越境捜査』笹本稜平(双葉文庫)
<笹本稜平>の『越境捜査』シリーズ第6冊目として、2017年9月に単行本が出ていますが、ようやく文庫本として昨年12月13日に文庫本(840円)として発行されています。
好きな作家のひとりですので、気を付けて新刊はチェックしているつもりなんですが、どういうわけかシリーズとしては、第2弾 『挑発 越境捜査』、第4弾 『逆流 越境捜査』、本書第6弾と偶数巻に縁があるようです。現時点で第7弾『転生 越境捜査』.第8弾『相剋 越境捜査』の単行本が出版されていますので、飛ばさないように注意しなければいけません。
巻数が飛んでも、シリーズ物としての個性際立つ登場人物たちは同じですので安心して読み継ぐことができます。
独居老人が殺害された6年前の未解決事件を調べなおしていた「鷺沼」は、聞き込み捜査でその老人が株を売却した8億円もの箪笥預金があったことを知ります。事件後その8億円は不明になっていました。
調査の一環として身内を調べていくうちに、老人の娘が事件後離婚していて、再婚相手は、なんと自分たちの首席監察官「村田」だと分かるとともに、「鷺沼」たち捜査班のメンバーが観察対象となり取り調べを受けることになります。
刑事物が好きな感のいい読者は、この段階で、警察組織の上下関係が絡んで物語は展開していくと予測でき、また殺人犯は「村田」だと予測しながら、その通りの筋書きになっていきます。553ページという長編ですが、後半は、現場刑事の「鷺沼」たちと、「村田」側の警察上部陣営たちとの息を持つかせずの駆け引きで結末を迎えます。
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