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今年の読書(53)『女副署長 緊急配備』松嶋智左(新潮文庫)

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今年の読書(53)『女副署長 ...
前作『女副署長』に続く2作目として『女副署長 緊急配備』が文庫描き下ろしとして2021年6月1日に発行されています。前作の完成度の高さに続編を期待していましたが、本作も前作の主人公「田添杏美」を据え期待通りの面白さで、緻密な構成の伏線も良く楽しめた作品です。

前作で起こった署内での不祥事で「田添杏美」副所長は、凶悪事件が長年起きていない、佐紋署に母を一人残して単身赴任で転任してきます。赴任早々、山間部で農協で詐欺横領事件で4年間刑務所に入っていた元組合長の「衣笠鞠子」が殺される殺人事件が発生します。おりしも緊急配備の最中。ほぼ同時刻、さらに事件が発生。被害者は尾行中の警官でした。18年ぶりの殺人事件の初動捜査に当たるのは、殺人事件の捜査が初めての彼らの地道な働きは事件解明につながっていきますが、帳場の指揮を取るのは、前作でも登場した県警本部の刑事「花野司郎」が登場、事態は思わぬ方向に展開していきます。

地方の小都市ならではの地元名士たちの協議会と警察の関係、農協と漁協の対立、「田添」警視と警官になりたての頃の駐在所勤務の上司「伴藤」巡査部長との確執、痴呆の父親の介護やシングルマザーなど様々な悩みを抱える警官たちの現状を背景としながら、署長代理の「田添」の存在感が光る一冊でした。

本作で登場した父親の介護のために残業の無い総務課勤務の「甲斐祥吾」と「野上麻希」巡査長が無事に刑事任用試験に通り、刑事として活躍する続編に期待していますが、今後もこの『女副署長』は続編が楽しみなシリーズになりそうです。
#ブログ #文庫本 #読書

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