今年の読書(82)『丹下健三建築論集』豊川 斎赫(岩波文庫)
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2度の東京五輪の会場となった国立代々木競技場を中心として、前川国男建築設計事務所時代、会場マスタープランを担当した日本万国博覧会までの前半生の仕事をたどる展示会でした。
おそらくこの特別展に合わせて、2021年7月15日に岩波書店から重要論考を集成する『丹下健三建築論集』と『丹下健三都市論集』の2冊が発行されています。
私が建築学科の学生だった頃には、すでに、「世界の丹下」と呼ばれていました。国際的建築家として<丹下健三>の名を知らしめたのは、その作品のみならず、彼の論説と思想でした。人間と建築に対する深い洞察と志し。「美しきもののみ機能的である」との言葉に象徴される独自の美意識の源泉となる重要論考を集成しています。