今年の読書(94)『歌舞伎町ゲノム』誉田哲也(中公文庫)
Dec
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<ジウ>シリーズ「Ⅰ」・「Ⅱ」・「Ⅲ」の表紙が文庫版新装に伴い既刊が「サーガ」シリーズとしてナンバーリングされています。前回の『国境事変』は<ジウ>シリーズ「Ⅰ」・「Ⅱ」・「Ⅲ」に続く「サーガ4」になっているようです。
本書は、歌舞伎町を舞台に裏社会を描く『歌舞伎町セブン』に始まる「歌舞伎町」シリーズの3作目として、初めて連作短編として5編が収められています。
歌舞伎町でメンバーである元警察官の陣内が、マスターを務めるバー「エポ」に集う「法では裁けぬ悪を始末する」裏仕事人7人が織りなす事件が描かれていきます。犯罪小説でありながら、歌舞伎町ではさもありなんと思わせる世界にのめり込ませてくれます。
今回、欠けたメンバーの代わりに、昼間はお掃除屋さん、裏の顔は死体の処理の専門家「掃除屋シンちゃん」が登場して、他のメンバーよりも存在感を見せていました。
不気味で謎めいた巨大組織「NWO」のジャーナリスト<土屋昭子>との確執も余韻が残り、「歌舞伎町」シリーズはまだまだ続きそうで、楽しみです。