今年の読書(50)『神奈川県警「ヲタク担当」細川春奈3』鳴神響一(幻冬舎文庫)
Aug
16
28歳にしては童顔で小柄。女子大生か、時には女子高生に見間違えられる神奈川県警江の島署の「細川春菜」に異動の辞令が出たのが新シリーズの始ま紙です。新たな部署は本部刑事部の事件を解決するための専門家の協力を依頼する窓口「捜査指揮・支援センター」でしたが、期待と不安を胸に新天地に赴いた彼女を待っていたのは、一癖も二癖もあるその道の「ヲタク」の同僚たちでした。
第1作目は「鉄道ヲタク」、第2作は「温泉ヲタク」が絡む事件を解決していきますが、第3作はいまや日本の文化ともいえる「アニメヲタク」が絡んできます。
捜査一課の「浅野」主任が美貌の新米刑事を伴って専門捜査支援班にやってきます。捜査が難航している二件の事案への協力を「春菜」に要請で、その打ち合わせの最中、聞き耳を立てていた「春菜」の同僚の「葛西」が、二つの殺人現場はいずれも人気アニメ『ラブライブ!』の「聖地」で関連性があると言い出します。そのひと言で軌道修正された捜査は思わぬ方向へと進展してゆきます。
本来「理・医・薬学専門」の「葛西」でしたが、「アニメヲタク」でもありました。捜査の過程で人気アニメの情報や劇場映画版の話題も豊富に登場してきますので、事件とは関係なく楽しめる構成で、面白く読み終えました。