今年の読書(52)『イマジン?』有川ひろ(幻冬舎文庫)
Aug
27
有川ファンとして498ページ、ワクワクしながら一気読みできる内容の面白さでした。
主人公「良井(いい)良助」は、大分県出身の27歳。子供の頃ゴジラ映画を見て地元の大分の町が舞台となっている場面に感動して映画の世界に憧れ、東京の映像専門学校に入り、各社の面接を受けますが、唯一受かった会社は計画倒産で業界から消えてしまい、歌舞伎町で客引きのアルバイトをしていました。
そんな中、先輩の「佐々」から、映画製作会社「殿浦イマジン」のアルバイト話が持ち込まれます。
憧れの映像の世界に飛び込んだ、「良井良助」で、映画作成の現場でのトラブルを乗り越えていくお仕事小説と、ちょっびりロマンスを交えながらの奮闘する姿が、映画業界の裏側を描きながら、映画ファンとしても<有川>ファンとしても楽しめた5篇の世界でした。
<有川ファン>にとっては、特に自衛隊三部作に続く『空飛ぶ広報室』や『図書館戦争』シリーズ(6冊)や『植物図鑑』を連想させる場面が散りばめられており、映画化された作品も多い著者ですので映画関係の描写も写実的で、まさに<有川ワールド>が詰まったおすすめの一冊です。