【日銀の国債保有率の推移(各年3:6・9・12末/短期は除く】
14日、日銀が大規模な金融緩和策で市場から購入した国債の累計額が、今年9月の国債購入額は約7兆円で、2013年4月(2013年3月末の保有額は約93兆円、保有割合は11%)からの累計で約1010兆円に達したことが発表されています。
<黒田東彦前総裁>の就任直後の2013年4月に大規模緩和を導入してから約10年が経ちますが、日銀が6月27日公表した2023年1〜3月期の資金循環統計によりますと、日銀の国債保有割合(国庫短期証券を除く時価ベース)が2023年3月末に53,5%でした。保有割合が5割を超えるのは3四半期連続。日銀が市場に出回る国債の半分を持つ異常な状態となっています。
日銀の保有割合は2022年9月末に初めて5割を超え、過去最大の更新が続いています。
景気を下支えするために大量の国債を購入し、金利を無理に下げたため、本来は市場で決まる金利をゆがめる副作用も生じています。「日銀が政府の財布となっている」との批判も出ています。
日銀は物価と賃金が安定的に上昇する好循環の実現を目指し、大規模緩和を続けている情況ですが、緩和の規模が異例の大きさになり、金融政策を本来の姿に戻すのは容易ではなさそうです。
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