『医学生 ガザへ行く』@<チアラ・アベザニ/ マッテオ・デルボ>監督
May
11
救急外科医になる夢をかなえるためガザ地区に留学したイタリア人医学生の葛藤や成長を追った2021年スペイン製作のドキュメンタリー『医学生 ガザへ行く』が、2024年5月16日より公開されます。
将来は救急外科医になりたいと考えるイタリア人医学生の「リッカルド」は、紛争地域であるガザ地区への留学を決意。爆発性弾丸による外傷についての論文を書いている彼にとって、ガザ行きは医師となるための実践経験になる場所でした。
周囲をフェンスで封鎖され「天井のない監獄」と呼ばれるガザに入るためには、イスラエル、パレスチナ自治政府、そしてハマスの3つの異なる当局から許可を得なければなりません。
複雑なプロセスを経てヨーロッパからの初の留学生としてガザ・イスラム大学に到着した「リッカルド」は、周囲からの期待と注目に対するプレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、同じく医師を目指すパレスチナ人の若者たちとの交流などを通して、徐々に自分の居場所を見つけ、医師としての使命を確固たるものにしていきますが、イスラエルとの紛争が再燃すると、「リッカルド」は難しい選択を迫られます。
「リッカルド」がガザで過ごす日々を通して、閉ざされた境界と戦争による苦難にもかかわらず、生き生きと前向きに生きるガザの若者たちや、イスラム大学の様子など、メディアではほとんど紹介されないガザの日常を知ることができるほか、さまざまな文化的な違いなども浮き彫りにしていきます。