5日午前の東京株式市場で日経平均株価は続落し、午前終値は前日比309円86銭(0.80%)安の3万8527円60銭でした。前日の米株式市場で半導体関連銘柄が下落した流れで東エレクやアドテストがそろって下落して相場を押し下げています。一方、日米の長期金利低下で不動産株などには買いが向かい、相場を下支えしました。
主要な米半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が、4日に(0.7%)下落したのを受け、東京市場でも半導体関連に売りが膨らみました。
4日発表の4月の米雇用動態調査(JOLTS)では非農業部門の求人件数2月以来の月以来の低水準となり、発表後に米長期金利は低下しています。米長期金利の低下につれて5日の国内債券市場では長期金利が一時(1%)を下回りました。業種別では金利の上昇局面で買われてきた保険や銀行といった金融セクターが大きく下げ、金利低下が業績の追い風になりやすいとされる不動産株は上昇でした。日経平均の構成銘柄では三井不動産や住友不動産が買われています。
厚生労働省が5日朝に発表しました4月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によりますと、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比で(0.7%減少)し、25カ月連続でマイナスとなりました。日銀の早期利上げ観測を後押しする材料にはなりづらいと受け止められています。
終値は、前日比347円29銭(0.89%)安の3万8490円17銭で取引を終えています。