デビュー作『臨床心理』以降、著者の作品は読み継いできていますが、おそらく短編集は本書のみで、2022年4月に刊行され、2024年4月25日に文庫本として発売されています。
本書には、デビュー後の<柚月裕子>らしさの13篇が収録されており、表題の『チョウセンアサガオの咲く夏』が最初に登場、植物好きとしては、毒のある植物としての
「チョウセンアサガオ」や
「キョウチクトウ」・
「ジンチョウゲの実」などはおなじみですが、ニヤリとできる終わりかたで、短編集としての期待が高まる幕開けでした。
その他「佐方貞人」シリーズ、「孤狼の血」シリーズ、『盤上の向日葵』・『慈雨』など数々のベストセラー作品を世に送り出してきた著者が、ミステリー、ホラー、サスペンス、時代、ユーモアなどでまとめた内容で、楽しめた一冊でした。