29日のニューヨーク外国為替市場で円相場は小幅に3営業日続落し、前日比5銭円安・ドル高の「1ドル=153円30〜40銭」で取引を終えています。円の安値は「1ドル=153円87銭」、高値は「1ドル=153円00銭」でした。
米長期金利が上昇した場面では、日米金利差の拡大観測から円売り・ドル買いが出ましたが、米国の労働市場の軟化を示す雇用関連指標を受け、円の下値は堅く推移しています。
米長期金利は一時前日比(0.05%)高い(4.33%)と、7月上旬以来の高水準を付けています。11月5日投開票の米大統領選挙の結果次第ではインフレ圧力が高まり、財政が一段と悪化するとみた債券売りが出やすい流れが続いています。午後に米財務省が結果を公表した7年債入札を受けて需給懸念が後退し、次第に債券は買い優勢に転じたものの、米金利の先高観がくすぶり円売り・ドル買いが出や少なりました。
27日投開票の日本の衆院選で与党が大敗し、政策を巡る先行き不透明感が意識されています。こうした状況で、日銀は(金融引き締めに消極的な)ハト派寄りになりやすいとみられ、円相場の重荷となりました。
円は売り一巡後は底堅く、29日午前に発表されました9月の雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人件数は市場予想を下回り、2021年1月以来の低水準となりました。全体的な傾向としては、労働需要の冷え込みを示唆していると受け止められています。