Search Bloguru posts

神戸:ファルコンの散歩メモ

https://en.bloguru.com/falcon
  • Hashtag "#本" returned 1154 results.

『あおば鰹』~料理人季蔵捕物控~和田はつ子(ハルキ文庫)

thread
『あおば鰹』~料理人季蔵捕物控...
<料理人季蔵捕物控>シリーズとして、『雛の鮨』 ・ 『非桜餅』 に次ぐ3作目が本書です。

主君である鷲尾家の長男に許嫁を横取りされた<堀田季之助>は名を<季蔵>と改め、恩人である<長次郎>の居酒屋『塩梅屋』の二代目として料理を作る板前だけではなく、裏稼業の刺客としての顔を持っています。

足を悪くした料理屋『夢さくら』の主<梅屋新兵衛>は、若い娘二人に店の厨房を任せていましたが、天麩羅油による事故で火傷で亡くす事件が起こりますが、何某かによる付け火だとわかりますが犯人は不明のままでした。

季節は「初鰹」に替わり、先代に「医者殺し」(鰹のアラ煮)をご馳走になった廻船問屋の<長崎屋五郎右衛門>が店に現れ、常連とも顔馴染になったある日、首を絞められて殺されてしまいます。

<梅屋>は黒砂糖の江戸での采配人であり、<長崎屋>は白砂糖の采配人ということで関連を感じ取り、<季蔵>は北町奉行の<烏谷椋十郎>と共に裏事情を探っていきます。

江戸の市井に生きる義理と人情が絡んだ捕物帖として、また当時の料理事情の生活も良くわかり、面白く読み終えれるシリーズです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

People Who Wowed This Post

『糸針屋見立帖 韋駄天おんな』稲葉稔(幻冬舎文庫)

thread
『糸針屋見立帖 韋駄天おんな』...
主人公は、神田花房町で糸や針などの裁縫用具屋を営んでいる『ふじ屋』の女主人、28歳の<千早>です。

ある日橋のたもとで佇む若い女に声をかけると、<お夏>という行き場のない割には天真爛漫で快活な性格で、好奇心が強くて岡っ引き<伊平次>の手伝いから、人の手首を咥えた犬を探す羽目になり死体を発見、大工<常五郎>だと分かります。

<千早>と<お夏>は二人して犯人探しの事件を追うようになりますが、<常五郎>と同じ長屋に住んでいる浪人<小川金三郎>の助けを借りながら、事件の真相に近づいていきます。

<千早>や<お夏>、<小川>等はみな出自や過去に暗い人生を背負いながらも、明るく前向きに人生を歩もうとしている姿に安堵感を感じながら読み終えれました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

People Who Wowed This Post

『秘密』林真理子(ポプラ社)

thread
『秘密』林真理子(ポプラ社)
本書『秘密』(ポプラ社)は、「秘密」をテーマにした林真理子の短篇集です。

「お別れパーティー」「二年前の真実」「女優の恋人」「彼と彼女の過去」「土曜日の献立」「二人の秘密」「秘密」「実和子」の8作品を収録。どの作品にも、後味の苦い秘密が隠されています。

サラリーマンの<俊彦>は、女優の<衿子>を恋人に持つ。「俺は並の男ではないから、<衿子>と愛し合うことが出来る」と自分に言い聞かせ、優越感と「甘美な拷問」に酔う<俊彦>。クリスマス、<衿子>に指輪を送ろうと俊彦はホテルへ向かう。(「女優の恋人」)

2組の夫婦とシングルマザー、計5人による食事の席でのこと。<香苗>と<栗田>が元恋人同士であることは周知の事実だったが、終盤、「なんて下品なの。たった五人しかいないテーブルなのに、寝たカップルが四組もいるのよ」と<栗田>の妻が泣き出す。(「土曜日の献立」)

<常雄>は病院長という立場上、ゆすりや脅しの類は経験があった。だが、今回現れた<坂田>という男は、<常雄>の妻と不倫関係にあると言い、その証拠写真を買ってほしいと要求する。<常雄>は妻を守るため、人生最大の秘密をつくり、それを夫婦で半分ずつ背負うことを決める。(二人の秘密)

著者はあとがきで「私はどうも純愛というものが書けない。どんなに愛しあっている二人でも、駆け引きがあり、心の闇があるというのがかねてよりの私の持論である。このコレクションでは、作家としての私の意地悪さが最も濃く出ているはずだ」と記しています。読んでいて感じる、どことなく黒っぽいものは、著者の言う「意地悪さ」だったのかと納得させられます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

People Who Wowed This Post

『蒲公英草紙:常野物語』恩田陸(集英社文庫)

thread
『蒲公英草紙:常野物語』恩田陸...
<常野(とこの)物語>は、 10話の短篇集である 『光の帝国』 から始まっていますが、本書は一冊の長編として書かれています。

物語の語り部としての<中島峰子>が、少女時代に書いていた日記の名称が「蒲公英草紙」です。

1900年代初頭のとある東北の農村の旧家「槙村家」を中心に、その家の次女<聡子>との交流を通して、<峰子>が少女から女性なる自立史でもあり、『光の帝国』の『大きな引き出し』に出てくる、<常野一族>の歴史を『しまう』(記憶する)<春田家>の先祖らしい親子4人が登場してきます。

20世紀という時代に入り、日本国が少しずつ変化していく時代を背景に、ひっそりと移動生活を続けながら<常野>の役目を守る<春田親子>と、旧家としての役割を与えられた一族との関連が、少女<峰子>の目線で、切なく淡く語られていく一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

People Who Wowed This Post

『いつか虹の向こうへ』伊岡瞬(角川文庫)

thread
『いつか虹の向こうへ』伊岡瞬(...
主人公は元刑事<尾木遼平>46歳、傷害事件で相手を死なせてしまい妻とは離婚、5年の刑期を終え、今は別れた妻に払う慰謝料のために売り出している家で、3人の居候と奇妙な同居暮らしをしています。

ある日酔って帰宅中、3人の暴漢に襲われますが居合わせた21歳の<高瀬早紀>の機転でなんとか切り抜けたものの、<早紀>までが居候として転がり込んできます。

<早紀>は、やくざの檜山組の会長<檜山景太郎>の甥の<久保裕也>と組み美人局を行っていましたが、<久保>が橋の上から落とされて死亡、<尾木>は<檜山>から真犯人を見つけ出すべく脅しをかけられ、<早紀>の無実のために奔走することになります。

よれよれの酔っぱらい<尾木>と、それぞれに過去を持つ居候3人の人生を交差させながら、骨太のハードボイルドアクションが楽しめ、またタイトルの「虹」の意味合いが切なく心に残る一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

People Who Wowed This Post

子供と絵本

thread
子供と絵本
神戸ハーバーランドの商業施設、「ビーズキス」が、家族向けの「ファミリオ」に変わって1か月ほど経ちました。

従来の若者向けから、子供がまだ小さい家族向けにと対象を変更しての再出発です。「家族向けなら固定客をつかめると判断した」との運営会社のコメントですが、さて今後はどうなるのでしょうか。

オープンの時から感じておりましたが、「これまた駄目だなぁー」の感想を持っております。

写真は、「絵本ライブラリー」と称するコーナーです。案内書には、「知育・エコロジーの観点を取り入れ、子供の発想力を育てるコンテンツがちりばめられたワクワク空間」とあります。

ため息がでてしまいました。本当に子供の行動を考えた空間とは私には思えないのです。

きれいに並べられた数百冊の本。きれいに並べられたテーブル間隔。親子で向き合う椅子の並べ方。小さい子供達は、このような理路整然とした空間で、本を楽しめることはできないでしょう。まるで、学校の教室と変わらない空間です。

床に寝転がったり、壁にもたれたり、隠れたりと好きな姿勢で読むものです。

大人の机上論でのデザインでは、子供達は楽しむことはできません。

写真の色がもひとつですが、ストロボは控えて撮影いたしました。
残念ながら、気にかけるほどの親子の姿はなかったんですが・・・。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

People Who Wowed This Post

『コンビニたそがれ堂』村山早紀(ピュアフル文庫)

thread
『コンビニたそがれ堂』村山早紀...
物語の舞台は、「風早」という街の駅前商店街のはずれにある、いつも営業しているとは限らない不思議なコンビニ「たそがれ堂」で、大事な探し物がある人は必ずここでみつけられるというお店です。

本書には誰もが経験するような、そしていつしか忘れてしまいそうなささやかな感情の機微を的確にとらえ、何が大切なのかを暖かい文章で書かれた6編が納められています。

小学生の時代の転校生の思い出、大事にしていた人形への愛着、200年咲き続ける桜の存在、愛するペットとの別れ、部屋に何気なくあるテレビの気持ち等、日常生活のなかで誰もが経験する戸惑いや痛みや切なさがよく伝わる内容でした。

人生経験を積んだ大人だからこそ琴線に触れる部分が多く、ほろ苦い涙を伴う心温まる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

People Who Wowed This Post

『酩酊混乱紀行「恐怖の報酬」日記』恩田陸(講談社文庫)

thread
『酩酊混乱紀行「恐怖の報酬」日...
著者初めてのエッセイ集で、38歳にして初めて「恐怖」の飛行機に乗ってイギリスとアイルランドに出向いた初紀行文でもあります。

本書は4章から成り立ち、第1章が「イギリス・アイルランド」、第2章が「麒麟麦酒横浜工場」、第3章が「札幌落雪注意」、第4章が「オリオンは新年、東の空から昇る」の構成です。

第1章には、読書家らしい著者らしく文中には多数の書籍や映画の話題が散りばめられ、「イギリスとアイルランド」の歴史的考察も楽しめました。

著者ファンなら大のビール党と言うことを知っていますので、番外編は「キリンビール」・「サッポロビール」・「オリオンビール」のことだと察しが付くと思いますが、同じビール党としてこれまた楽しく読み終えました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

People Who Wowed This Post

『六月六日生まれの天使』愛川晶(文春文庫)

thread
『六月六日生まれの天使』愛川晶...
冒頭は、モーテルの浴室で男をナイフで刺殺する場面から始まりますが、これが本書の伏線として生きてくる場面でした。

寝ている男<冬樹>と一緒のベッドから目覚めた<私>は、自分が何者かの記憶を一切なくしていますが、男に恐怖を覚えた<私>は部屋から飛び出しますが、外は雪が降るクリスマスイブでした。

行先のない<私>は、仕方なしに<冬樹>の部屋に戻り、彼が「前向性健忘症」で、記憶をすぐに失くしてしまうことを知り、なんとか自分のことを探り出し、<辻好江>だということは突き止めていきますが、彼女自身も浴室の殺人場面と二人の男にレイプされる記憶と、子供<淳>の記憶とが交差、心因性による「解離性障害」を起こしていました。

<冬樹>との会話から、暴力団関係とのトラブルを抱えているのが分かり、真相を突き詰めていくのですが、複雑な<辻好江>の巡り合わせが読者を迷路に導いていきます。

記憶障害をテーマに、二転三転する<辻好江>の伏線が絡み合い、最後に<冬樹>の手記だとわかる回想録と合わせ、目まぐるしく展開するミステリーでした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

People Who Wowed This Post

『くうねるところすむところ』平安寿子(文春文庫)

thread
『くうねるところすむところ』平...
いわゆる「業界物」の範疇に入ると思いますが、小さな工務店を舞台に繰り広げられる経済小説でもあり、建築士や職人たちの世界を鮮明に描き、また恋愛小説としても楽しめる内容でした。

主人公<山根梨央>は30歳、人材募集の出版社に勤めていましたが、編集長との不倫にも行き詰まり、ある日酔っぱらって工事現場に侵入、足場に登ったのはいいのですが降りることができずにとび職の<田所徹男>に助けられます。

<徹男>に一目ぼれした<梨央>は、夢を持てない出版社を退社、<徹男>の紹介で<鍵山工務店>に就職しますが、そこは離婚してやむなく社長になった<姫>こと47歳の<鍵山郷子>が分からない工務店の世界で奮闘していました。

建築設計を生業としているわたしとして、工務店の実情がわかるだけに、著者の取材に基づく細かい描写が手に取るようにわかるだけに、とても面白く読めた一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

People Who Wowed This Post

  • If you are a bloguru member, please login.
    Login
  • If you are not a bloguru member, you may request a free account here:
    Request Account
Happy
Sad
Surprise