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神戸:ファルコンの散歩メモ

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『ビート』今野敏(新潮文庫)

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『ビート』今野敏(新潮文庫)
本書は、副題に<警視庁強行犯係・樋口顕>とありますように、捜査一課第三強行犯係の係長<樋口顕>を主人公に据えた、シリーズ第三作目に当たります。

物語は捜査二課の<島崎洋平>の大学生の長男<丈太郎>が、日和銀行本店の家宅捜査に関する情報を柔道部の先輩<富岡>に漏らしたことにより、手入れは失敗に終わります。

<島崎>はいつ自分の情報漏えいが本庁にて発覚するかという恐れに怯えるなか、マンションの自宅で<富岡>が絞殺死体で発見され、一時的に安堵を覚える<島崎>ですが、高校中退している自分の二男<英次>が、不審者として捜査線上に浮かび上がってきます。
<島崎>は捜査する刑事の立場と<英次>の父親としての立場に挟まれ苦悩するのですが、捜査は意外な方向に進んでいきます。

親子関係崩壊の危機をどう乗り越え解決するかは、人それぞれに悩むことだと思いますが、父との和解もでき「ダンス」に新しい道を見出す<英次>の姿にほっとさせられ、警察を舞台にした人間ドラマとして感動しました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『クラリネット症候群』乾くるみ(徳間文庫)

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『クラリネット症候群』乾くるみ...
本書には語呂合わせでしょうか、『マリオネット症候群』と『クラリネット症候群』の2編が納められており、後者は本文庫書き下ろし作品です。

『マリオネット症候群』は、ふと目を覚ますと自分の体が他人に占拠されている場面から物語が始まります。
人格転移の設定は、<北村薫>の『スキップ』や<東野圭吾>の『秘密』 、<大林宣彦>監督の映画『転校生』などがありますが、一方的に体の支配権を奪われてしまい、本人の思考は伝わることなく、また体を自由に動かせることもできません。
単なる人格転移だけに終わらせず、二重三重の思わぬ仕掛けで読者を楽しませてくれます。

『クラリネット症候群』は、高校生の<翔太>が、あこがれの<本城絵里>にクラリネット演奏を聞かせているときに悪友がクラリネットを破損してしまい、その瞬間から<ドレミファソラシド>の音が聞き取れない状況に落ち行ってしまいます。
同居している父親代わりの<関夏彦>は、やくざの梅田会がらみのトラブルで拉致されてしまい、<翔太>は<関>が残した暗号らしき譜面の解読に力を注ぎこみます。
残された暗号の解読も秀逸でしたが、読者は「  したの?」は「どうしたの?」であり、「こ 、も か た 」は「これ、もしかしたら」と、読みときながら文章の穴埋めをするという二重の謎解きもあり、暗号ミステリーが楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『こぶしの上のダルマ』南木佳士(文春文庫)

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『こぶしの上のダルマ』南木佳士...
医師として30代から鬱病に苦しみ、老父の介護に疲れ、何度かの自殺願望を乗り越えてきた著者ですが、あいかわらず研ぎ澄まされた文章が一人称の「僕」や「わたし」がないままに書かれた8つの短篇が納められています。

表題作にもなっている『こぶしの上のダルマ』は冒頭の1章ですが、著者が13歳まで暮らした生家に一年ばかり一緒に遅らした盲目の<おときばあさん>の思い出話が綴られ、最終章の『麦草峠』において、<おときばあさん>を理解する章で終わります。

それぞれが独立した短篇ですが、著者の心の葛藤を、生家がある廃村とそれらと関連する山の話を絡めながら、自らの存在意義を確かめる作品が連作でまとめられています。

各短篇にでてくる登場人物も個性的で、沖縄から来た研修生<東門真砂子>や、大きな田んぼを耕す百姓の<西野>など、相手との会話は反面著者の考えを表しているようで、飾り気のない文章が心に奥深くしみ込む一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『片想い』東野圭吾

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『片想い』東野圭吾
年に一度開かれる元帝都大アメリカンフットボールの飲み会に参加していた<西脇哲郎>は、その飲み会のあとで、<日浦美月>と十年ぶりに再会します。<美月>は、<西脇>の妻<理沙子>と一緒の帝都大アメリカンフットボール部の女子マネジャーでした。<美月>は理沙子の親友でもありました。

<哲郎>は、<美月>を自宅に誘ったが、そこで衝撃の事実を知らされることになる。ひとつは、<美月>は性同一性障害であり、現在は男として生活していること。もうひとつは、ある人物を殺してしまったという事実でした。

<美月>は、警察に自首することを考えていましたが、<哲郎>と<理沙子>は彼女を引き止め、そして彼女を匿うことにします。やがて、同じアメリカンフットボール仲間で<美月>の元恋人でもあった<中尾功輔>も協力することになるのですが。

しかしある日、<美月>は忽然と<哲郎>と<理沙子>の前から姿を消してしまいます。そして、それに呼応するかのように<中尾功輔>も姿を消します。<哲郎>たちは、消えた<美月>と、中尾>を探し出そうとしますが、その過程で、次々と驚くべき真実を知ることになります。

大学時代のアメリカンフットボール時代の青春を絡めながら、仲間たちの友情と、性同一障害者の心理を描き、思わぬ事件の真相に、驚愕の結末を迎える筋書きの構成の巧みさに感心しながら、622ページの長編を読み終えました。

当サイトの管理人より
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『Θ(シータ)は遊んでくれたよ』森博嗣(講談社文庫)

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『Θ(シータ)は遊んでくれたよ...
前作 『φ(ファイ)は崩れたね』 に次ぐ<Gシリーズ>の第2作目です。

25歳のフリーター<早川聡史>が、自宅マンションから飛び降り自殺、額には「Θ」のマークが口紅で書かれていました。
相次ぐように23歳の看護師<木村ちあき>、現場監督の<高島健之>が飛び降り自殺でなくなりますが、いずれも体のどこかに「Θ」の印が残されていました。

口紅の分析を依頼されたN大学の研修医<反町愛>は、一連の分析結果を旧友の<西之園萌絵>に伝えますが、話しはC大学の<加部谷恵美>・<海月及介>・<山吹早月>達を巻き込んでいきます。

前作と同様、助教授の<犀川創平>や探偵の<赤柳>たちといった登場人物たちの思考を通して、自殺事件の<海月>の推理が展開されていきます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『夏の名残りの薔薇』恩田陸(文春文庫)

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『夏の名残りの薔薇』恩田陸(文...
父親の残した山奥のホテルで、沢渡三姉妹が毎年秋に豪華なパーティーを開催、関係者が一堂に集まります。

参加者は長女<伊茅子>の甥<隆介>の嫁<桃子>とその弟<時光>、次女<丹伽子>の娘で舞台女優の<瑞穂>とそのマネージャー<早紀>などで、華やかながらなにかと問題のある人物たちです。

全六章から成り立っており、各篇がそれぞれの登場人物たちの目線で語られ、三姉妹に対して怨憎の含んだ感情を中心に物語が語られ、心の中で相手を殺す場面が展開していきます。

先代の会計士を父とする大学教授の<天知>が、探偵役として登場、三姉妹のパーティーも終わりとする宣言を行いながらも、一年後関係者だけが集まり、再度昨年ホテル内で起こった出来事を振り返るのですが・・・。

三人称多視点で語られ、そのあいまに映画の描写場面が挟み込まれる展開で、なんとも複雑な時間軸で構成された作品でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『懐郷』熊谷達也(新潮文庫)

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『懐郷』熊谷達也(新潮文庫)
本書には7つの短篇が納められており、タイトルの『懐郷』は、ノスタルジーを感じさせる言葉ですが、時代に翻弄されながらも、力強く生き抜いている7人の女性たちの人世が反映されています。

各短篇の背景は1960年代、昭和30年代後半を背景に、東京オリンピックを迎えるべく日本全体が右肩上がりの世相の中で、東北を中心とする社会背景が見事に描かれていました。

島で海女として生きる<妙子>は、連れ子の娘<啓子>と共に再婚相手の<聡介>の元に嫁ぎますが、仕事中に命綱が絡む事故に遭遇しますが亡くなった先妻<琴子>の力なのか、海で生きる女の連帯感とたくましさを描き、三宅島経由で物販が運ばれてくる御蔵島にたくましく住む<オヨネン婆>75歳、都会から田舎に引っ越した<小夜子>の野狐を通じての心の変化、膝を炒めている<敦子>は、再起をかけて出羽三山の登山に挑戦、仙台市のX橋でアメリカ兵を相手に春を売る<淑子>、集団就職をさせた中学生の教え子<聡>を心配して、岩手県から東京に出てくる教師の<貴子>等、ひたむきに生きる彼女たちの生き様が心に響く一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『カツ丼の道 素人包丁記2』嵐山光三郎(ランダムハウス講談社)

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『カツ丼の道 素人包丁記2』嵐...
16の章からなる料理のエッセイ集ですが、みずからの料理を通して「料理は暴力である」といわしめ、あくなき探究と好奇心と、どうしようもない飢餓心でもって書かれているのに、驚かされます。

単行本としての刊行は1992年(講談社文庫)ですが、料理全般の知識と 歴史を知る上では何の弊害も感じませんでした。

著者自身が出版関係の会社に勤めており、その関係でかかわってきた人間関係も理解でき、B級グルメとしての雑学としても楽しめる一冊でした。

ちなみに表紙のデザインはイラストレターの<安西水丸>で、著者が『太陽』の編集長を務めていたときに、デザイナーからイラストレターへの転身を進めた経緯があります。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『ナラタージュ』島本理生(角川文庫)

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『ナラタージュ』島本理生(角川...
結婚を決めた<工藤泉>は結婚相手のかたわらで昔の恋人のことを思い出し回想していた。高校卒業式の日、演劇部顧問の<葉山貴司>先生とのある出来事が起きて以来、<泉>の気持ちはずっと同じ場所にあった。大学二年生の春、泉は母校の演劇部の練習にOBとして参加することになり、<葉山>先生と久々に再会する。

高校生だった<泉>は、<葉山>先生のことが好きで、少しでも力になりたいと思っていた。また、<葉山>先生は<泉>を必要としていた。再会した二人が、互いに惹かれ合う気持ちを再認識すると、静かに抑制していたはずの感情が、再び熱くうずき始める。

「お願いだから私を壊して、帰れないところまで連れていって見捨てて、あなたにはそうする義務がある」「無理だ、僕にはできない」

<葉山>先生はある事情を抱えていて、どれだけ互いに求め合っても、決して結ばれることはない。それでも、一度蘇った情熱は、許される限り近くにいたい、力になりたい、触れたい、愛したい、と二人を突き動かすのだが。

「ナラタージュ」とは、映画の回想シーンで多く用いられる、語りによって物語が展開していく手法のことをいみします。登場人物のキャラクターや心情、情景が丁寧に描写されていて、本書の世界に深くはまり、自分の中にある熱いものが呼び覚まされていきます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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地下の古書店街@メトロこうべ中間通路

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地下の古書店街@メトロこうべ中...
高速神戸駅と新開地駅は、地下街でつながっています。歩いて500メートルばかりでしょうか、その地下街の通りに面して、古書店が3軒ならんで営業されています。

神戸に出ました時には、必ず寄る場所です。
一般書籍をはじめとして、漫画本やアダルトビデオなんかも多くありますが、なんといっても100円均一、200円均一といった低価格なのがありがたいです。

新開地・福原と大衆娯楽が背景にある場所柄ですので、何千円もする専門書が100円均一に入っていたりするので、わたしなどは嬉々として購入させて頂いております。

反面、司馬遼太郎や山本周五郎、柴田錬三郎といった歴史物の文庫本が200円均一といった具合で、売れ筋は高価格(それでも安い?)です。
書籍自身の定価とは関係なく、売れるものは高く、売れないものは安くという法則が生きているのがうれしいですね。

店を構えて販売している多くの古書店は、売れなくても定価を基準とした値段設定が多いように思えますから。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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