《雅羅・/・襍懐古〝山羊歯Ⅱ〟❖ ’24-247 ❖》

トガクシデンダ(戸隠連朶)イワ... トガクシデンダ(戸隠連朶)イワデンダ科(Woodsiaceae)
学名:Woodsia glabella 

亜高山帯から高山帯の岩の隙間を好んで生育している夏緑生シダ。
山梨県では北岳周辺に生育しているが鳳凰山でも確認されている。
軸の根元から3分の1付近に関節(節目)があるのが特徴。
ソーラスは小羽片のやや辺縁寄りに付着する。
ナヨシダとの違い、トガクシデンダは葉柄の途中に関節があり、葉の幅が狭い。
岩の割れ目で根元まで確認出来ないが、最下部近くの羽片が丸くて扇型で確認。
高山帯の岩上や地上に見られる常緑のシダ。長さ10cm程度。
茎の基部は分岐して直立茎を伸ばす。
葉は開出するものが多く、黄緑色から緑色。
植物体の大きさや葉の形に変異が多い。

《雅羅・/・襍懐古〝山羊歯Ⅱ〟...
《 北岳の羊歯  Ⅱ〝戸隠連朶〟 ❖ 1970~/夏 ❖ 》
“北岳”周辺には羊歯類も色々生育しているのだが、識別に苦労した。
トガクシデンダ(イワデンダ科)も中々識別出来なかった一つ。
回を重ねてなんとなく識別できるようになったが。。。
数十年も経っているのに未だ未だ未熟で明確に識別できないでいる。
最近、羊歯の勉強に参考にさせて頂いてるサイトが下記。
南アルプス北部個々のシダ/トガクシデンダ - 神奈川県のシダ植物
 
「令和陸年(皇紀2684年)9月3日、記」


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《雅羅・/・襍備忘録〝山羊歯I〟❖ ’24-246 ❖》

コスギラン(小杉蘭)ヒカゲノカ... コスギラン(小杉蘭)ヒカゲノカズラ科(Lycopodiaceae)
学名:Lycopodium selago
白い花の様に見えるのは無性芽(... 白い花の様に見えるのは無性芽(図鑑で知り得た)。


《 北岳の羊歯  Ⅰ〝小杉欄〟... 《 北岳の羊歯  Ⅰ〝小杉欄〟 ❖ 1970~/夏 ❖ 》
“北岳”周辺には羊歯類も色々生育している。
思い出すままに週種類を備忘録に加えたい。再訪?のために。
大樺沢左又上部のハシゴを登り暫く登ると八本歯のコル。
このコルから北岳山荘までは、羊歯類も多く見られる。
高山性シダの生育地といっても小さな羊歯ゆえ探すのが大変だ。
色々あることは、知識として知っていたが、面白い名前の羊歯。
コスギランのことだが、実際に見たことはなかった(昔の話)。
コケの仲間!?! 名前は・・・ラン、不可思議なシダ。
白い花の様な無性芽(図鑑を見て驚き)!!!
マクロ撮影できる機材を持参していなかった。
デジカメなどまだなかった頃。銀塩フィルムカメラで重かった。
登山用装備は、最小限度。更には、バイトゆえ三脚など携行していない。
生息場所と株数を調べるだけの初山行(北岳周辺)。
その後幾度となく観た“コスギラン”思い出の羊歯第一号で感慨深い。

「令和陸年(皇紀2684年)9月2日、記」
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《雅羅・/・襍〝備忘録'24-19〟❖ ’24-245 ❖》

ヒメヤナギラン(姫柳蘭)アカバ... ヒメヤナギラン(姫柳蘭)アカバナ科(Onagraceae)
学名:Chamaenerion latifolium (L.) Sweet 
synonym Epilobium kesamitsui T.Yamaz
維管束植物 離弁花類 /アカバナ科 /ヤナギラン属
《 北岳感慨の締め〝姫柳蘭〟 ... 《 北岳感慨の締め〝姫柳蘭〟 ❖ 1985~/夏 ❖ 》
ヒメヤナギラン(姫柳蘭);
日本の南アルプス北岳に特化し、キタダケヤナギランとも云われる。
英名はalpine fireweed , broadleaf willowherb , dwarf fireweed , river-beauty 。
川沿いや山地の湿った砂利の多い場所に生える多年草。
北岳直下のトラバース道という場所に咲咲く草丈30cm程の花。
『キタダケヤナギラン(ヒメヤナギラン)』。
ヤナギランに似るが花も茎も小さい。可愛いヤナギランだ。
特定・命名されたのは1987年だったと思う。
直立、叢生し、太い木質の根茎と根の針金状の固まりをもつ。
茎は高さ12~35㎝、下部は無毛、稀に上部の茎と花序に密に小剛毛がある。
葉は葉柄が無又は長さ2㎜以下。
根生葉の葉身は褐色、三角状卵形、長さ5~10㎜、類膜質。
茎葉の葉身は緑色~淡緑色、楕円形~披針状楕円形、長さ2~5㎝×幅0.6~1.7㎝。
葉は、無毛か小剛毛があり(脈に多い)、側脈は不明瞭で各側に3~4本。
基部は鈍形又は楔形、縁は全縁だが、離れた点状の歯がある。
葉には、4~7歯をもち、先は鈍形又は尖鋭形。
苞は茎葉の長さの約1/2、草質。
花序はまばら~中程度に小剛毛がある。
花は蕾では直立、花期の初期には下を向く。
萼片は長さ1~1.6㎝×幅1.5~3.5㎜。
花弁はロズパープル色又はピンク色で長さ1~2.4㎝×幅7~15㎜位。
子房は紫緑色、長さ1~2㎝、密に灰白軟毛がある。
花柱は長さ3.5~8㎜、無毛。蒴果は長さ2.5~8㎝、小剛毛がある。
花柄は長さ1.2~2.5㎝。(以上は、植物研究雑誌、他から引用記載)

9月1日  “二百十日!?!” は、立春から数えて二百十日目。
嵐の襲来する時期とされてきた。今年も台風に翻弄させられた!
9月1日は、個人的には、区切りの日。新たな感慨を持って進みたい。
先年から始めた私事も少しずつ動き始めている。
新たな気概を以って、心して9月1日を迎えた。
そんな日に似合う花(勝手に思う)、高山植物として再考する花。
北岳の中で私的だが最後まで識別出来なかったキタダケヤナギラン。
このヒメヤナギランは、単に全体が小型のヤナギランとお思っていた。
正式に別種とされて以来、一度しか目にしていない。
公私ともに、転換期に出会ったヤナギラン属の花々。
尾瀬に、北岳に再訪しなければ、と思った9月1日。
どことなく秋近しと感ずるは9月に入ったが故か。

「令和陸年(皇紀2684年)9月1日、記」
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《雅羅・/・襍懐古〝山花ⅩXXI〟❖ ’24-244 ❖》

キタダケソウ(北岳草)キンポウ... キタダケソウ(北岳草)キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Aconitum kitadakense
絶滅危惧Ⅱ類 (VU) / 環境省レッドリスト2020 , 2020 . 
梅雨時、北岳山頂付近の草地や岩... 梅雨時、北岳山頂付近の草地や岩場だけに自生する日本固有種の多年草。
花の少ない時期に純白の花を見せる姿は、瀟洒そのものである。
花茎の高さは10cm位。先端に直径約2cm位の白い花をつける
白い花弁は6~8枚、花弁の先端はくぼみ、葉には毛がない。
1931(昭和6)年7月17日... 1931(昭和6)年7月17日北岳山頂直下で採取された花は、新種と分かった。
採取者は、千葉高等園芸研究科生の清水基夫。後にキタダケソウと命名された。
北岳山頂周辺のみに生育している超希少種の高山植物。
姿は、ハクサンイチゲに似ているが、草丈は10-25cm。
茎葉(根生葉)は1-3個、柄はなく2回3出複葉。
小葉は、丸みがありやや白っぽい。3深裂して更に裂ける。
花は茎頂に1-2輪で2-2.5cm、花弁は、6-8枚、萼も5枚。
キタダケソウは、雪融けすぐの7月はじめに咲く高山植物。
日本での近縁種は、北海道のヒダカソウとキリギシソウ。
これらはすべて氷河期からの生き残りの絶滅危惧植物。
キタダケソウの花期は梅雨期と重なるので中々行き会えない。
又、かつて園芸用に盗掘されたことで激減している。
《 北岳の花〝北岳草〟8月山花... 《 北岳の花〝北岳草〟8月山花ⅩXXI  ❖ 1970~/夏 ❖ 》
「北岳」の名前が付いている野草は他にもあるがキタダケソウは、特別。
思い出以上に今が気になる。今年の初夏の状況をネット等で調べてみると、
なんとか生育は、維持されているようだ。
昔、出会えたことを思い出しながら高山植物を思って見た。
自然淘汰、環境の変化、登山者の変異、等々思うと・・・。
8月の1ヶ月間、山の植物を再考してみた。保護=入山禁止か!?!
誰でも行ける場所ではない高所。それでもお花畑は徐々に荒化してる。
自然に対する人間・動物の行動に警鐘を。仲間だけでも気をつけたい。
而して再訪をもしたく思う。高山植物は、魔物だ!!
初めて北岳に登った頃は、こんな... 初めて北岳に登った頃は、こんなに整備されていなかった。
整備された、とはいっても岩稜等々、厳しさは変わっていない。
ましてや高齢者にとっては登山は厳しい。
だが、ブログに記してみると今一度、花々と会いにいってみたくなる。
来年に向かって身体を鍛えよう、と思ったこの一ヶ月だった。

天幕の中でラジオを聞きながら天気図を書き天気予報をしたものだ。
山・花、撮りたい欲求は募るばかりである。
※以上の画像は、すべて借り物です。※

「令和陸年(皇紀2684年)8月31日、記」


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《雅羅・/・襍懐古〝山花ⅩXX〟❖ ’24-243 ❖》

キタダケトリカブト(北岳鳥兜)... キタダケトリカブト(北岳鳥兜)キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Aconitum kitadakense
草茎高15~35cmの多年草。... 草茎高15~35cmの多年草。
茎はよく枝分かれし上部に曲がった毛がある。
葉は円心形で3つに深く裂け、さらに2つに裂ける。裂片は線形。
花は青紫色で、花柄と雄しべには曲がった毛がある。
本州、南アルプス北岳頂上付近の岩礫地に自生する固有種。
日本第2の高峰である南アルプス北岳山頂近くの稜線に咲く。
山の季節的には晩夏・初秋の高山植物。
花色は、深みのある色。青紫とでもいい得ようか、表現に苦しむ。
《 北岳の花〝北岳鳥兜〟8月山... 《 北岳の花〝北岳鳥兜〟8月山花ⅩXX  ❖ 1970~/夏 ❖ 》
南アルプス奥深い高所に見る背が低く花が大きい高山植物。
実測した記録では、普通3~4cmの花だが、5.7cmと大きなものもあった。
強風に晒される稜線に咲く故か草丈が低い。過酷な環境下で健気に咲いている。
今でも健在と聞く北岳鳥兜(30年以上訪れていない)。
北岳稜線から数百メートル下がった所に細葉鳥兜が咲いていた(古い話)。
この細葉鳥兜は、草丈は1mにもなる。環境でこうも違うのか(同属だが)。
濃紫色で、白花や桃色花も見えた登山の醍醐味でもあった。
所がこの細葉鳥兜は、盗掘され今では探す程に激減した由。残念至極だ。
北岳周辺、キタダケソウに始まりキタダケトリカブトで終わった夏山感。
高山植物が主で登攀はおまけ。きつい登攀もその後に見る花々で疲れが消えた。
バットレスとキタダケトリカブトは、夏山終いの感があった。

トリカブトは、ドクウツギやドクゼリと並んで日本三大有毒植物の一つ。
トリカブトの仲間は、沢筋などの比較的湿気の多い場所を好む。
だが、このキタダケトリカブトは、高山の砂地に生育している。
花名由来の兜部分は、花弁ではなく花顎の一枚が変化したも。
花弁そのものはこの中に収められている。
花の奥深くにハチ類はもぐりこんで全身に花粉をつけ受粉させる。
トリカブトには毒がある。ジテルペン系アルカロイドのアコニチン。
主に根に含まれているらしいが、全草に毒がある由。
養蜂家は、春から夏に蜜蜂に採蜜をさせ、秋の鳥兜開花期には止めてしまう。
だが、鳥兜の蜜を摂取する昆虫には、トリカブト毒は効かない??
不思議なことだ。

「令和陸年(皇紀2684年)8月30日、記」
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《雅羅・/・襍懐古〝山花ⅩXIX〟❖ ’24-242 ❖》

タカネマンテマ   ナデシコ科... タカネマンテマ   ナデシコ科(Caryophyllaceae)
学名:Silene uralensis (Rupr.) Bocquet)
タカネマンテマは、寒冷地または... タカネマンテマは、寒冷地または高山地帯に生息する多年草。
属名「マンテマ」の由来は諸説ある。
牧野新日本植物図鑑ではムギセンノウ属の「アグロステムマ」が訛った、
植物和名語源新考では、近縁のハマベマンテマの種小名「マルティマ」、
此等が語源と云われている。また属学名(Silene)の由来も不明。
茎高5~20cm。茎は単一で直立し、軟毛が多い。
根茎から枝分かれした株から2対~4対の小さな根葉と、
花茎および無花茎を叢生する。
無花茎はほとんど伸長せず、先端に葉をつける。
茎葉は対生、線形披針状で長さは6cm程度まで伸びる。
花茎は高さ20cm程度まで枝分かれせず伸長し先端に花をつける。
始めは斜め下向に開き、徐々に上を向き、真上を向いて立つ。
花は12mm程度の先がすぼまった釣鐘状をしている。
花弁は長さ2~3 mm、淡紅色(紅紫色)から白色。
萼筒は長楕円形、黒色の毛が生えた10脈が隆起する。

自生・分布は、本州中部(南アルプス)と各種図鑑にある。
 生育環境にしても、高山帯の岩塊上や岩礫地の疎草地に生育する。
風衝地や日照時間の短い環境下で確認されることが比較的多い、とある。
私の若い頃には、南アルプスの数箇所で確認出来ていた。
現在では、一部限られた場所“北岳”のみで確認されている。
総株数はきわめて少なく存続は危機的な状況であると聞いている。
 減少の要因は、人の踏みつけや盗掘。そして、シカの食害や踏み荒らし。
而して、植生遷移や岩塊の崩壊が、脅威である。資料に愕然とする。
(静岡県版レッドデータブックより)



《 北岳の花〝高嶺マンテマ〟8... 《 北岳の花〝高嶺マンテマ〟8月山花ⅩXIX  ❖ 1970~/夏 ❖ 》
北岳のタカネマンテマを観察、保存方法等を懸命に考えている高校生達がいた。
山梨園芸高・笛吹高植物研究部(亀井忠文顧問)の皆さんだ。
タカネマンテマを研究分析し、培養に成功したとの報道に驚いた。
タカネマンテマの種子定着率を分析、他の植物より定着率が低い、と分析。
同部によれば、絶滅の危険にあるキタダケソウより、深刻と結論している。
そのうえで、培養が難しいタカネマンテマの増殖に成功したとある。
50株ほどをサンプルとして抽出し、1株あたり平均861個の種子を採取。
この数値をベースに高山における発芽状況などを推定。
南アルプスの個体群では種子は8万6130個生産されると試算されたが、
この中からわずか1.72個しか発芽・定着しないことが分かった。
しかし、自然の中では発芽率はより低く、個体群が維持できるほどではないとし、
「死滅のスパイラル」に入っていると結論付けた。
同部・部長は「タカネマンテマが絶滅寸前ということはあまり知られていない。
今回の研究を通して保護の必要性を訴えたい」と語っていた、とある。
タカネマンテマは盗掘などで個体数の減少に歯止めがかからず、
環境省の2007年「レッドリスト」では絶滅危惧IA類に格上げされ、
現在では100株以下に減少していると考えられている。
顧問の亀井教諭は「10年来北岳付近で観察しているが、
タカネマンテマが減っていると感じる」と話す。
同部はこのほど開かれた県高校芸文祭で高山植物のタカネマンテマの状況を報告。
同研究は芸文祭の自然科学部門で芸術文化祭賞を受賞した。(2010年)

十数年も前から、毎年7月になるとタカネマンテマが気になるも!?!
只々机上で画像を観てるだけで何の行動もしてこなかった。
せめて孫たちに画像を残したい、と思うのだが。。。!

「令和陸年(皇紀2684年)8月29日、記」
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《雅羅・/・襍懐古〝山花ⅩXVIII〟❖ ’24-241 ❖》

タカネビランジ(高嶺ビランジ)... タカネビランジ(高嶺ビランジ)ナデシコ科(Caryophyllaceae)
学名:Silene keiskei var. akaisialpinia
高嶺ビランジ ナデシコ科 マン... 高嶺ビランジ ナデシコ科 マンテマ属日本固有種
白花種:Silene keiskei var. akaisialpina f. leucantha
これぞ、北岳タカネビランジって感じ。
タカネビランジは南アルプス周辺... タカネビランジは南アルプス周辺だけに分布する高山植物。
高山植物の中でも存在感あって美しく見ごたえがある。
高山帯の巨岩の割れ目やザレ場に生えている姿は健気。
花期には葉が隠れ見えない程に咲き誇る。
北岳のタカネビランジ、花色も微妙に変化に富む。
岩場に優美な花束が置かれているようだ。
タカネビランジ(高嶺ビランジ)... タカネビランジ(高嶺ビランジ);
高山帯の岩場に生える多年草。茎高10~30cm。
葉は長さ1.5~4cm、幅0.3~1cmの披針形で縁には毛が生える。
花は茎先に単生するか2個付き、径2.5~3cmで上向きに開く。
花弁は淡紅色か白色で先端は2浅裂する。花柄には腺毛がある。
萼筒は長さ1~1.2cmで10脈がある。花期は7~8月。
 和名は高山に生えるビランジ意だが、ビランジの由来は不明。
花弁が白色品種は、シロバナタカネビランジと区別されることもある。

地蔵岳稜線から見る山々は、南ア... 地蔵岳稜線から見る山々は、南アルプスらしい光景。
登山者にとって疲れある頃に癒や... 登山者にとって疲れある頃に癒やしの如く出迎えてくれる。
南アルプスでは鳳凰三山の稜線、岩の割れ目に咲く姿は絶景。
《 北岳の花〝高嶺ビランジ〟8...

《 北岳の花〝高嶺ビランジ〟8月山花ⅩXVIII  ❖ 1970~/夏 ❖ 》
北岳にみられるタカネビランジは、ほんのわずかに桃色を帯びている。
微妙に進化した花をシロバナタカネビランジとも呼んでいる。
鳳凰三山に観るタカネビランジ、シロバナタカネビランジもあるが、
ほとんどが濃淡ある赤色に近い色。隣りあう山で、花の色が違う。
鳳凰三山のタカネビランジは、砂化した花崗岩の地に根を張って。
高山植物の生育環境を観ていると、不思議だが我々に活力を送ってくる。

「令和陸年(皇紀2684年)8月28日、記」
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《雅羅・/・襍懐古〝山花ⅩXVII〟❖ ’24-240 ❖》

キンロバイ(金露梅)バラ科(R... キンロバイ(金露梅)バラ科(Rosaceae)
学名:Dasiphora fruticosa (L.)Rydb.
落葉性の小低木で樹高0.3-1... 落葉性の小低木で樹高0.3-1m。枝はよく分枝する。
葉は互生し、3小葉または5小葉の奇数羽状複葉になる。
小葉は、長楕円形で5-15mm。伏毛が多く、厚みがあってザラつく。
葉裏には葉脈が浮き出ている。花は径20-25mm、花期は6-8月。
分枝した各茎先、または葉腋に集... 分枝した各茎先、または葉腋に集散花序をつけ、1~数個の花をつける。
花の径は2-2.5cm。花柄があり白毛が生える。萼片は5個あり三角状の卵形。
花弁も5枚あり、ほぼ円形で長さ幅ともに約1cm、先端は円頭、全縁。
花弁色は黄色、ときに白色のものがあり、ハクロバイとよばれる。
雄蕊20個で淡黄色。葯は黄色から黄褐色で心形状長楕円形。
花床筒は皿形、花床は半球形で長毛が生える。
心皮は多数あって離生し、子房に汚白色の毛が密生する。

《 北岳の花〝金露梅〟8月山花... 《 北岳の花〝金露梅〟8月山花ⅩXVII  ❖ 1967/夏 ❖ 》
キンロバイ(金露梅);
維管束植物、離弁花類 ARCHICHLAMYDAE 
絶滅危惧Ⅱ類 (VU) / 環境省レッドリスト2020 , 2020。
蛇紋岩や石灰岩地で見られることが多い落葉低木。
蛇紋岩地の代表的な高山植物で、北岳のはみごたえがある。
キジムシロ属であるが、同属にミヤマキンバイがある。
だがキンロバイは、れっきとした小低木。枝を見れば木とわかる。
花は次々と咲いていくので花期は... 花は次々と咲いていくので花期は長く、7月から9月まで見れる。
又、山のスケールと同じで北岳のキンロバイは至仏山よりも大型である。
北岳のキンロバイ株の中には樹齢何十年にもなる物がある。

「令和陸年(皇紀2684年)8月27日、記」


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《雅羅・/・襍懐古〝山花ⅩXVI〟❖ ’24-239 ❖》

イワオウギ(岩黄耆)マメ科(F... イワオウギ(岩黄耆)マメ科(Fabaceae /Leguminosae)
学名:Hedysarum vicioides ssp. japonicum var. japonicum 
別名:タテヤマオウギ(立山黄耆)
イワオウギ(岩黄耆); 多年草... イワオウギ(岩黄耆); 多年草。マメ科 イワオウギ属
北海道~本州(中部地方以北)の高山礫地・草原に自生する。
草丈20~80cm。葉は奇数羽状複葉で11~25個の小葉からなる。
小葉は狭卵形~狭楕円形、長さ1~3cm、幅0.4~1cm。
先は円形で、裏面に白い軟毛がある。
托葉は狭披針形、膜質で帯褐色。
葉に対生する側でほとんど先端まで合着し、長さ1.2~2cm。
花は長さ8~23cmの総状花序となり、蝶形の花を10~30個つける。
花は黄白色、長さ1.2~2cm、竜骨弁は旗弁。翼弁より2mm以上長い。
萼は5中裂し、長さ4~6mm、側裂片は三角形で長さは約1mm、
背軸側裂片は長さ2~3mm、萼筒と同長かやや長い。花期、7~8月
尾根のいたるところで自然景観が... 尾根のいたるところで自然景観がみられたが・・・。



《 北岳の花〝岩黄耆〟8月山花ⅩXVI  ❖ 1967/夏 ❖ 》
イワオウギ(マメ科)[岩黄耆];
花名は漢方の黄耆に似て岩場に生えることから名付いたもの。
中部地方以北の高山に登ると、まずこの花を観ないことはない。
花と実が同時に見られれることもあるという(私的未見)。
岩黄耆は亜高山帯だけでなく、北岳稜線でも生育している。
そして同じ稜線に生育しているタイツリオウギと区別出来なかった昔。
古くは、稜線で点在していたイワ... 古くは、稜線で点在していたイワオウギだが、今は???


昨今、PCでweb検索すれば鮮明に識別できる。何か玉手箱ようで絶句だ。
そんな花達を観たい願望が強く沸き起こるきょうこの頃である。
ところが、調べているうちに悲惨な事実を知った!?!
しばらく前まで北岳の亜高山帯にあった群生地が消滅した、との記述。
消滅原因は、シカによる食害!!
南アルプスでもシカの食害が甚大である由。
「数十年前と比べ花が十分の一になってしまった」と聞くと、絶句。
“岳人2016年8月号 ”の記事を観てのことだった。
低山帯上部~高山帯の崩壊地の岩場等で目を楽しませてくれた花々。
自然界での異変は致し方ないことかもしれない。
生物共同体的均衡。如何にすべきかは、人間の責務だろう。
春に紫陽花鑑賞に東伊豆方面に行った。
帰り道の途、箱根の観光的場のすぐ近くの住宅地で鹿と出会った。
こんな所で昼間、ごく普通に歩いているのか、と唖然!!
鹿の食害、伊豆の山間でも深刻だ、と知った。

咲くも無心、散るも無心、花は嘆かず、今を生きる。
不生不滅・・・。


「令和陸年(皇紀2684年)8月26日、記」

 


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《雅羅・/・襍懐古〝山花ⅩXV〟❖ ’24-238 ❖》

トウヤクリンドウ(当薬竜胆) ... トウヤクリンドウ(当薬竜胆) リンドウ科(Gentianaceae)
学名:Gentiana algida Pall. 
トウヤクリンドウ(当薬竜胆);... トウヤクリンドウ(当薬竜胆); 多年草。
本州の中部以北の高山砂礫地や乾いた草地に自生。開花は、8~9月。 
草丈10~30cm位。根茎は短く茎は1又は2本、直立し分枝せずほぼ無毛。
花をつける茎は根出葉がなく、上部に数対のロゼット状茎葉がある。
茎葉の葉身は、茎を抱き披針形で長さ2~5cm。葉柄は長さ5~10㎜。
花をつけない茎は新しい短枝の先に根出葉を束生し、葉身は線状披針形。
花は茎頂か上部葉腋につく。花冠は筒状、長さ3.5~4cm、黄白色で青緑色斑紋がある。
花冠の先は5裂、裂片は斜上し、ほとんど平開せず、裂片の間にある副片は低い。
萼は、鐘形。長さ1.5~2cmで5裂し、萼片は三角状披針形で筒部と同長かやや長い。 
雄蕊は花冠筒部の中間につく。花糸は長さ1.3~1.6㎜。
葯は狭楕円形、長さ2.5~3.2㎜。花柱は長さ4~6㎜。柱頭は裂片が線形。


北海道に自生してるものは、草丈... 北海道に自生してるものは、草丈が低く花が5cm以上ある由。
クモイリンドウ(雲居竜胆)と呼ばれている。
大雪山のみで見られるもので別名はエゾトウヤクリンドウとも言われる。
本州で見られるトウヤクリンドウの亜種とも考えられている。
北岳に見えるトウヤクリンドウは、8月下旬に開花するようだ。
リンドウ類は天気が悪いと花冠が開かない傾向がある。
が、このトウヤクリンドウの花は、良い天気でも余り開かず半開状態。
《 北岳の花〝当薬竜胆〟8月山... 《 北岳の花〝当薬竜胆〟8月山花ⅩXV  ❖ 1967/夏 ❖ 》
北岳周辺は、高山植物の宝庫である。
そこは、他の有名な高山植物観察地と異なり真の岳人の世界だった。
山歴も重ねて夏の剣岳に登攀し、下山。
日にち余裕があって剣沢キャンプ場で一泊。
別山まで行ってみた事があった。
その別山でトウヤクリンドウを観ていた人たち、
スカートをはいた観光客の団体客だった。
随分と昔の事だ。
又、八ヶ岳の硫黄岳では、この花を観ると秋を実感できた。
思いである花の一つだ。

「令和陸年(皇紀2684年)8月25日、記」


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