Jun
15,
2024
《 雅羅・/・襍録〝♀️&♂️の花〟❖ ’24-167 ❖ 》
《 〝男女別、木・花!!〟泉の森6/15 6月草花XI 》
春に芽葉が赤く、山野の中でもかなり目立つ。
花期には赤い葉は緑に変わり、少し赤味が残る程度が面白い。
和名の由来は柏の葉と同様に食べ物を乗せたり若芽が赤い事から。
伐採跡地や崩壊地、林縁などの明るいところに多く見られる落葉高木。
高さ15m、直径50cmに達する。樹皮は灰褐色。縦に浅い裂け目がある。
若枝は灰色。若葉は裏表、初め紅色で星状毛が密生し白色の腺点もある。
新葉の紅色で星状毛に覆われている毛は次第に落ちて少なくなる。
葉身は長さ7〜20cm、幅5〜14cmの卵形または広卵形。
縁は全縁または波打ち、時に浅く3裂する。葉柄は長さ5〜20cm。
花は雌雄別株。枝先に長さ7〜20cmの円錐花序をだし、花弁はない。
雄花は苞のわきに数個ずつつき、萼は淡黄色で3〜4裂する。
雄蕊は多数あり、花糸は長さ約3mm。
雌花は苞のわきに1個ずつつき、萼は2〜3裂する。
子房は刺状の突起があり、紅色の星状毛と白い腺点に覆われる。
花柱は3〜4個で、乳頭状突起が密生する。
乳頭状突起ははじめ紅色で、成熟すると黄色になる。
冬芽は、裸芽で、灰色〜褐色の星状毛が密生する。
頂芽は大きく長さ1〜1.3cm。側芽は丸くて小さい。
葉痕は円形で大きい。維管束痕は多数ある。
* * *
「仮軸分枝のアカメガシワ!?!。
仮軸分枝とは、枝の先の芽は途中で止まってしまい、
「仮軸分枝のアカメガシワ!?!。
仮軸分枝とは、枝の先の芽は途中で止まってしまい、
脇から新しい芽が伸びていき、その芽もまた止まり、
といったことを繰り返して大きくなること。
アカメガシワは、側枝が主軸より優勢に伸びて、
あたかも主軸のようになる。まさに、仮軸分枝。
又、アカメガシワの葉の付け根に蜜腺がある。
吸引に寄ってきたアリの姿をよく目にするが、
蟻は其の折々、蛾などが葉に産み付けた卵を、
孵化したばかりの毛虫などを餌として持ち帰る。
アカメガシワは蜜をアリに与え、
葉を害虫から守ってもらっている。
本格的なものではないが、アリ植物の一つと云えるか。
崩壊地等、空き地に最初に生える先駆種の一つである。
「令和陸年(皇紀2684年)6月15日、記」
Jun
13,
2024
《 雅羅・/・襍録〝洒脱な花〟❖ ’24-165 ❖ 》
《〝合歓の木の花〟“しらかしの家・庭 '24/06/14 6月木花Ⅸ 》
暗くなると眠るネムノキ(合歓木)
日当たりを好み、生長が速い典型的な先駆種。
河原や山裾、人家の庭先などでよく見掛ける。
夕方や曇天など暗くなると葉をたたんで垂れ下がり「眠る」。
一日の中で葉が開閉したり、上下に動いたりすることを就眠運動という。
別名マッコノキ・・・この木の葉で抹香をつくったことによる。
かつて秋田では、お盆が近づくと家々でこの木を伐りとって葉を乾燥させ、
臼でついて抹香を作った。
花・・・枝先に10~20個の花が集まった頭状花序を総状につけ、
淡い紅白色の花を夕方、開花させる。
花弁は長さ7~9mmで下部が合着し、短毛がある。
雄蕊、雌蕊・・・雌雄同株。
ブラシの毛を広げたような花のほとんどは雄蕊の花糸。
毛の根元は白く毛先がピンク色で、
その先に黄色い葯(花粉を出す袋)がついている。
雌蕊は、白色の糸状で雄しべより長い。
虫を呼ぶ戦略・・・ネムノキの花には、
虫を引きつけるような目立つ花弁がない。
その代わりに長くて色鮮やかな雄蕊を沢山つけて、虫を呼ぶ。
雌蕊は白くて目立たないが、雄蕊が花粉を出す役割が終えて、
落ちる頃になると目立つようになる。
直感的に分かる独特の葉・・・小葉が対生に15~30対ほどついた、
2回偶数羽状複葉。夜になると、小葉が閉じて垂れ下がる。
その様子が、まるで眠っているようにみえるのが和名の由来。
こうした就眠運動は、マメ科の植物でよく見られる生態。
就眠運動・・・小葉柄や葉軸の基部には、
細胞内の水分を出し入れして伸縮する運動細胞がある。
夜になると、運動細胞から水分が排出されて膨圧が低下し、
向かい合う小葉同士が折りたたまれ、
葉軸も垂れ下がってオジギソウのように葉全体が閉じて下に垂れ下がる。
朝になると、再び運動細胞は吸水して膨圧が高まり、葉が開く。
痩せ地の緑化に適した樹木・・・ネムノキは、塩害に強く、痩せ地にも強い。
他のマメ科植物と同様、根には根粒菌が共生していて、
空気中の窒素を植物が利用できる形に変えて提供している。
逆に、ネムノキは根粒菌に対して光合成で生産した糖などを与えている。
また、落葉樹で、落ち葉は周りの土を肥沃にする。
故に痩せ地の緑化に適した樹木である。
秋田や山形では、古くからクロマツ、アキグミなどとともに
海岸砂防林として使われた。
なぜ葉をたたむのか・・・一つは、乾燥よけと考えられている。
葉をたたんでしまえば、葉の折り重なった部分から水分は蒸発しにくい。
昼でも気温が非常に高い日は葉を閉じていることが多い。
それは乾燥を避けたり、直射日光を避けるためだと考えられている。
もう一つの理由は、体内時計で一日のリズムを保っていると考えられる。
夜間に強いに月の光を浴びると、そのリズムが崩れてしまうから、
葉をたたんで月の光を浴びにくくしているという。
葉と花の利用・・・葉にはクエシリトリンやビタミンCを多く含み、
若芽は茹でて食用にされた。
また葉は、そのまま牛の飼料にしたため、別名ウシノモチと呼ばれている。
葉を臼でひいて抹香をつくった。
花を乾燥し、これを煎じて飲めば脚気に効くとされた。
樹皮は薬用・・・薬用植物の一つで、
樹皮を利用することから「合歓皮(ごうかんひ)」という。
7~9月に樹皮を剥ぎ取り、水洗いした後日干しする。
合歓皮の煎剤には、陣痛促進作用があることが動物実験で知られている。
民間では、煎じたものを服用して鎮痛、利尿、駆虫、強壮、健胃剤に。
打撲や腫れ物、関節リウマチには、
この煎液で患部をあらうか、湿布、浴湯料として使用する。
木材・・・加工が容易なことから、器具材や桶、屋根板に使われた。
「令和陸年(皇紀2684年)6月13日、記」
暗くなると眠るネムノキ(合歓木)
日当たりを好み、生長が速い典型的な先駆種。
河原や山裾、人家の庭先などでよく見掛ける。
夕方や曇天など暗くなると葉をたたんで垂れ下がり「眠る」。
一日の中で葉が開閉したり、上下に動いたりすることを就眠運動という。
別名マッコノキ・・・この木の葉で抹香をつくったことによる。
かつて秋田では、お盆が近づくと家々でこの木を伐りとって葉を乾燥させ、
臼でついて抹香を作った。
花・・・枝先に10~20個の花が集まった頭状花序を総状につけ、
淡い紅白色の花を夕方、開花させる。
花弁は長さ7~9mmで下部が合着し、短毛がある。
雄蕊、雌蕊・・・雌雄同株。
ブラシの毛を広げたような花のほとんどは雄蕊の花糸。
毛の根元は白く毛先がピンク色で、
その先に黄色い葯(花粉を出す袋)がついている。
雌蕊は、白色の糸状で雄しべより長い。
虫を呼ぶ戦略・・・ネムノキの花には、
虫を引きつけるような目立つ花弁がない。
その代わりに長くて色鮮やかな雄蕊を沢山つけて、虫を呼ぶ。
雌蕊は白くて目立たないが、雄蕊が花粉を出す役割が終えて、
落ちる頃になると目立つようになる。
直感的に分かる独特の葉・・・小葉が対生に15~30対ほどついた、
2回偶数羽状複葉。夜になると、小葉が閉じて垂れ下がる。
その様子が、まるで眠っているようにみえるのが和名の由来。
こうした就眠運動は、マメ科の植物でよく見られる生態。
就眠運動・・・小葉柄や葉軸の基部には、
細胞内の水分を出し入れして伸縮する運動細胞がある。
夜になると、運動細胞から水分が排出されて膨圧が低下し、
向かい合う小葉同士が折りたたまれ、
葉軸も垂れ下がってオジギソウのように葉全体が閉じて下に垂れ下がる。
朝になると、再び運動細胞は吸水して膨圧が高まり、葉が開く。
痩せ地の緑化に適した樹木・・・ネムノキは、塩害に強く、痩せ地にも強い。
他のマメ科植物と同様、根には根粒菌が共生していて、
空気中の窒素を植物が利用できる形に変えて提供している。
逆に、ネムノキは根粒菌に対して光合成で生産した糖などを与えている。
また、落葉樹で、落ち葉は周りの土を肥沃にする。
故に痩せ地の緑化に適した樹木である。
秋田や山形では、古くからクロマツ、アキグミなどとともに
海岸砂防林として使われた。
なぜ葉をたたむのか・・・一つは、乾燥よけと考えられている。
葉をたたんでしまえば、葉の折り重なった部分から水分は蒸発しにくい。
昼でも気温が非常に高い日は葉を閉じていることが多い。
それは乾燥を避けたり、直射日光を避けるためだと考えられている。
もう一つの理由は、体内時計で一日のリズムを保っていると考えられる。
夜間に強いに月の光を浴びると、そのリズムが崩れてしまうから、
葉をたたんで月の光を浴びにくくしているという。
葉と花の利用・・・葉にはクエシリトリンやビタミンCを多く含み、
若芽は茹でて食用にされた。
また葉は、そのまま牛の飼料にしたため、別名ウシノモチと呼ばれている。
葉を臼でひいて抹香をつくった。
花を乾燥し、これを煎じて飲めば脚気に効くとされた。
樹皮は薬用・・・薬用植物の一つで、
樹皮を利用することから「合歓皮(ごうかんひ)」という。
7~9月に樹皮を剥ぎ取り、水洗いした後日干しする。
合歓皮の煎剤には、陣痛促進作用があることが動物実験で知られている。
民間では、煎じたものを服用して鎮痛、利尿、駆虫、強壮、健胃剤に。
打撲や腫れ物、関節リウマチには、
この煎液で患部をあらうか、湿布、浴湯料として使用する。
木材・・・加工が容易なことから、器具材や桶、屋根板に使われた。
「令和陸年(皇紀2684年)6月13日、記」
Jun
8,
2024
《 雅羅・/・襍録〝奇っ怪・葉〟❖ ’24-160 ❖ 》
《〝化粧する葉!?!〟“泉の森・湿性植物園 ”2024/06/08 6月草花Ⅰ 》
水辺に白い根茎を伸ばし這い群生する多年草。茎高は、50〜100cm。
葉身は長さ6〜17cm、幅4〜9cm、5〜7脈あり基部は耳状心形。
花どきに花序に近い葉の下半分が化粧をしたように白くなる。
これは、あまり目立たない花の代わりに昆虫を寄せるため、と云われる。
同じ様に葉の白くなる植物、日本ではマタタビやミヤママタタビがある。
一枚の葉っぱ全体(裏表)が白くなるのではない。
葉の表面(おもてめん)の半分ないし三分の二くらいが白色に変わる。
花は,茎上部の葉腋(ようえき)から出ている尻尾のような穂状花序。
花は長さ10〜15cmの細長い穂を作って多数つく。
穂は初め下垂し後立ち上がる。花は両性で小さく、花弁はない。
雄蕊6〜7個。子房は3〜5個の心皮があり毛はない。
カタシログサ(片白草)の別名もある。
6月上旬:つぼみがあがるのと同じ頃に葉の基部が白くなり始める。
6月下旬:花は満開、葉の白く変色した部分は最も広く白さも際立つ。
7月下旬:種が出来始めると葉の白さもぼやけ始め、次第に緑に戻る。
ハンゲショウ(半夏生)の名由来は、
夏至から11日目を半夏至と言いその頃、花が咲く事による。
花の頃、上部の葉が白くなりことで半化粧ともいわれる。
ドクダミ同様、臭気があり、湿性ある場所に生える落葉性植物。
* * * * *
ハンゲショウの葉について;
ハンゲショウの葉は苞葉、昆虫を引き寄せる効果を担っているとか!!
葉が白いのは葉緑素がでていない事による由。
白い苞葉だが、裏面を見ると裏側の組織は緑で表側の組織が白い。
実の時期になるにつれ葉緑素が出て来る不可思議さ、驚きだ。
白い時も緑の時も、細胞の中に葉緑体に当たるものは存在している、と。
何処か完全な葉緑素を溜めて、後で出す。凄いシステムと感心してしまう。
柑橘類の橙、緑の若い実が冬に橙色に熟すが、放置すると翌初夏に緑に戻る。
このように植物は、緑の色を作ったり抜いたりと、さり気なく行っている。
ハンゲショウでは花序の根本の4~5枚の葉が白くなる。
半夏生の頃、白い葉を出す(苞になりきれていない葉)。
葉の表側だけ白くなり、葉の裏は薄緑色。
おもて葉の表皮の下に柵状組織として葉緑体ができるのが遅れる仕組みだ。
花が出来る時だけ花の付け根部分の数枚だけ、白い葉になる。
昆虫に対しての目印、呼び寄せるための施策のようだ!!
受粉を補助する働き、即ち送粉を助ける働きをしている。
送粉者(昆虫等)を引き付ける働き、ハンゲショウ花は3~4mmと小さい。
穂状になっても目立たない形態を補っているとしか思えない。
ハンゲショウの葉が白くなる要因は、二つ云われている。
一つは葉の構造が変化して空気を含んだ状態になり、光を散乱させている。
今一つは、色素が抜ける、と云われているのだが、、、。
空気を含んで白く見えるのはマタタビなどに見られる現象。
ハンゲショウは、“色素が抜け落ちる”方だろう。
しかしハンゲショウは葉一枚全てを白くしているわけではなく、
葉先や裏側に緑色が残っている。一方、葉の表の向軸側は白い。
このことから光を受けやすい部分が脱色しやすいと考えられる。
だが何故にそうなるのか、わざわざ葉を部分的に白くするのは??
* * *
葉腋に花または花序をつける特殊化した葉のことを苞葉 (bract leaf) といい、
水辺に白い根茎を伸ばし這い群生する多年草。茎高は、50〜100cm。
葉身は長さ6〜17cm、幅4〜9cm、5〜7脈あり基部は耳状心形。
花どきに花序に近い葉の下半分が化粧をしたように白くなる。
これは、あまり目立たない花の代わりに昆虫を寄せるため、と云われる。
同じ様に葉の白くなる植物、日本ではマタタビやミヤママタタビがある。
一枚の葉っぱ全体(裏表)が白くなるのではない。
葉の表面(おもてめん)の半分ないし三分の二くらいが白色に変わる。
花は,茎上部の葉腋(ようえき)から出ている尻尾のような穂状花序。
花は長さ10〜15cmの細長い穂を作って多数つく。
穂は初め下垂し後立ち上がる。花は両性で小さく、花弁はない。
雄蕊6〜7個。子房は3〜5個の心皮があり毛はない。
カタシログサ(片白草)の別名もある。
6月上旬:つぼみがあがるのと同じ頃に葉の基部が白くなり始める。
6月下旬:花は満開、葉の白く変色した部分は最も広く白さも際立つ。
7月下旬:種が出来始めると葉の白さもぼやけ始め、次第に緑に戻る。
ハンゲショウ(半夏生)の名由来は、
夏至から11日目を半夏至と言いその頃、花が咲く事による。
花の頃、上部の葉が白くなりことで半化粧ともいわれる。
ドクダミ同様、臭気があり、湿性ある場所に生える落葉性植物。
* * * * *
ハンゲショウの葉について;
ハンゲショウの葉は苞葉、昆虫を引き寄せる効果を担っているとか!!
葉が白いのは葉緑素がでていない事による由。
白い苞葉だが、裏面を見ると裏側の組織は緑で表側の組織が白い。
実の時期になるにつれ葉緑素が出て来る不可思議さ、驚きだ。
白い時も緑の時も、細胞の中に葉緑体に当たるものは存在している、と。
何処か完全な葉緑素を溜めて、後で出す。凄いシステムと感心してしまう。
柑橘類の橙、緑の若い実が冬に橙色に熟すが、放置すると翌初夏に緑に戻る。
このように植物は、緑の色を作ったり抜いたりと、さり気なく行っている。
ハンゲショウでは花序の根本の4~5枚の葉が白くなる。
半夏生の頃、白い葉を出す(苞になりきれていない葉)。
葉の表側だけ白くなり、葉の裏は薄緑色。
おもて葉の表皮の下に柵状組織として葉緑体ができるのが遅れる仕組みだ。
花が出来る時だけ花の付け根部分の数枚だけ、白い葉になる。
昆虫に対しての目印、呼び寄せるための施策のようだ!!
受粉を補助する働き、即ち送粉を助ける働きをしている。
送粉者(昆虫等)を引き付ける働き、ハンゲショウ花は3~4mmと小さい。
穂状になっても目立たない形態を補っているとしか思えない。
ハンゲショウの葉が白くなる要因は、二つ云われている。
一つは葉の構造が変化して空気を含んだ状態になり、光を散乱させている。
今一つは、色素が抜ける、と云われているのだが、、、。
空気を含んで白く見えるのはマタタビなどに見られる現象。
ハンゲショウは、“色素が抜け落ちる”方だろう。
しかしハンゲショウは葉一枚全てを白くしているわけではなく、
葉先や裏側に緑色が残っている。一方、葉の表の向軸側は白い。
このことから光を受けやすい部分が脱色しやすいと考えられる。
だが何故にそうなるのか、わざわざ葉を部分的に白くするのは??
* * *
葉腋に花または花序をつける特殊化した葉のことを苞葉 (bract leaf) といい、
集合体として苞 (bract) とよばれる。
花を抱く葉でも普通葉と変わらない場合には苞葉とはよばない。
またアブラナ科の多くのようにそのような葉を欠くグループもある。
苞葉は、そのつく位置によって、総苞、小総苞、小苞に分けることができる。
花序の基部にある苞葉のことを総苞片 (involucral scale) といい、
集合体として総苞 (involucre) とよばれる。
キク科やマツムシソウ科の頭花 (頭状花序) における総苞片は明瞭であり、
その配列や特徴は重要な分類形質になっている。
また特殊な総苞片としては以下のようなものがある。
殻斗 (cupule, cupula)ブナ科では多数の総苞片がその軸と共に合着し、
殻斗とよばれる椀状の構造を形成することがある。
いわゆるドングリの"はかま"がこれにあたる。
クヌギなどでは合着が不完全だが、シラカシなどでは完全に癒合している。
仏炎苞 (spathe)サトイモ科では肉穂花序を包む1枚の総苞片がよく目立ち、
特に仏炎苞とよばれる。
ミズバショウなどでは仏炎苞が花弁の代わりに花粉媒介者の誘引に役立っている。
ドクダミ (ドクダミ科) やヤマボウシ属 (ミズキ科) の花序の基部にある4枚の大きな葉や、
トウダイグサ属の花序 (杯状花序) の杯状体などもよく目立つ構造で総苞片とみなされる。
これらの葉は目立つ色形をしており、
花弁の代わりに花粉媒介者の誘引に役立っている。
ただしこれらの葉には腋芽がつくので、厳密には総苞片ではないとする意見もある。
サトイモ科の仏炎苞やドクダミ (ドクダミ科)、ポインセチア (トウダイグサ科)、
ブーゲンビレア (オシロイバナ科)、ヤマボウシ属 (ミズキ科)、
此等の総苞は大きく派手でよくめだち、
かわりに通常の花弁が退化的もしくは欠如している。
これらの総苞は機能的には花弁のかわりを果たしているものと思われる。
多くのセリ科のように複合花序をつくるものでは、大花序の苞のことを総苞、
小花序の苞を小総苞 (involucel) とよぶ。
小総苞の構成単位が小総苞片 (involucel segment) である。
イネ科の小穂は小花序であり、
その基部にある1対の苞穎 (glume) は小総苞片と見なすことができる。
個々の花の基部につく苞葉のことを小苞 (bracteole, bractlet) という。
小苞葉は双子葉植物では2個、単子葉植物では1個のことが多いが、
その有無や数には変異も多い。
スゲ属 (カヤツリグサ科) の果胞 (perigynium) は特殊化した小苞と考えることができる。
単子葉植物において、花序に腋生する有鞘葉を苞鞘 (苞鞘片 bract sheath) という。
球果類において、胚珠をつけた種鱗 (seed scale) は苞鱗 (bract scale) の腋についている。
苞鱗も特殊化した苞葉と見ることができる。
以上、検索してみると興味は尽きない。底なし沼!?!
季節的・局所的に葉の白化現象、生態学的解説を探してみると、、、⇩。
* * *
ハンゲショウのフェノロジーや群落の構造を調べ、白化現象の季節性・局在性について。
1,白化した葉と白化しない葉の生理的な特性の違いを調べ、
白化現象が光合成へ与える生理面での影響を調査する。
2,受光量と光合成速度の測定結果から、
白化現象が光合成による物質生産量へ影響を推定し、
それがハンゲショウに与える影響を調査する。
<方法>茨城県菅生沼上沼付近西岸の湿地に生育するハンゲショウ群落を対象として調査。
季節的・局所的に葉の白化現象、生態学的解説を探してみると、、、⇩。
* * *
ハンゲショウのフェノロジーや群落の構造を調べ、白化現象の季節性・局在性について。
1,白化した葉と白化しない葉の生理的な特性の違いを調べ、
白化現象が光合成へ与える生理面での影響を調査する。
2,受光量と光合成速度の測定結果から、
白化現象が光合成による物質生産量へ影響を推定し、
それがハンゲショウに与える影響を調査する。
<方法>茨城県菅生沼上沼付近西岸の湿地に生育するハンゲショウ群落を対象として調査。
5 月2 日に15 本のシュートをマーキングし、
草丈・葉数・白化現象の有無・花序の様子を追跡調査した。
また、群落の葉群構造を把握するため、
ほぼバイオマスがピークとなる 8 月の上旬に層別刈り取りを行った。
4 月 11 日から連続的に、ハンゲショウ群落内の気温・地温・光量子密度の測定を行った。
菅生沼の調査地から 4 月 11 日にハンゲショウの地下部を採取し、
筑波大学陸域環境実験センター内の温室にて栽培した。
携帯型光合成蒸散測定装置LI-6400 を用いて白化した葉と白化しない葉の光合成能力を測定し、
光-光合成曲線を作成した。受光量と光合成速度のデータを、
群落の物質生産を記述する門司‐佐伯数学モデル(1953)に入れて光合成による物質生産量を推定し、
一部の葉が白化した場合と全ての葉が白化しない場合を比較した。
<結果>フェノロジーを調べた結果、
6 月終わり~ 7 月初めにかけて茎先の一部の葉が白化現象を起こし始め、
9 月終わりまで徐々に緑色に回復するという、白化した葉の動向が明らかとなった。
また、花序の出現時期と葉の白化現象の始まりはほぼ一致していること、
そして花序の出現する近傍で白化現象が起こる傾向のあることが明らかとなった。
また、全てのシュートが白化現象を起こすのではなく、
花序をつけない場合に白化しない傾向も見られた。
さらに、葉群構造を調べた結果、
白化現象を起こす葉の割合は葉群全体の約 0.4%に過ぎないことが分かった。
白化する葉と白化しない葉の光-光合成曲線を作成し、
近似曲線(Pmax ( 1 - exp( - f I / Pmax ) ) - R )のパラメータを求めた。
ただし、Pmax:最大光合成速度、f:初期勾配、I:光強度、R:呼吸速度。
その結果、最大光合成速度(Pmax)は白化現象を起こしていない葉の方が
有意に高い(P<0.001)ことから、白化現象は光合成速度を低下させることが分かった。
ここで、群落の物質生産の数学モデルへ光合成のパラメータを代入して計算すると、
群落単位では葉の白化現象による光合成、
物質生産量の減少はほとんど見られないことが明らかとなった。
<考察>白化現象は、個葉レベルで光合成速度を低下させるものの、
シュート・群落レベルでの光合成生産にはほとんど寄与しない。
このことは、白化現象が現存する個体群の栄養生長に影響を与えるものではないことを示している。
一方で、野外観察から花序と白化現象との時空間的な一致が明らかにされ、
白化現象が有性生殖と強く関係している可能性が示唆された。
本研究では、白化現象の光合成に関わる生態的意義を明らかにすることは出来なかったが、
白化現象と無花被花の有性生殖に関わる生態的意義を追っていきたいと考えている。
植物にとって、葉は光合成や蒸散の場として重要な器官の一つである。
とくに、光合成による物質生産は植物の生長や種子生産を規定し、
個体の生存や個体群の維持に重要な働きを持つ。
このため植物にとって、光合成を行う葉という空間の大きさや分布を最適化して、
より効率よく光を受け取ることはとても重要になる。
本研究の材料であるハンゲショウ(Saururus chinesis Baill.)は、
湿地に生息するドクダミ科ハンゲショウ属の多年生草本で、
茎の上部に無花被花からなる穂状花序を付ける。
そして、6~ 7 月に茎先に近い数枚の葉の表面が白く変化するという特徴を持つ。
白化(黄化)は病気や傷害によって葉が変色する場合にも見られるが、
ハンゲショウの葉の白化現象は限られた季節に局所的に生ずることから、
病気や傷害によるものとは異なると考えられる。
このように季節的・局所的に葉の白化現象が生ずることから、
ハンゲショウにとって何らかの生態学的意義を持っているのではないかと考えられる。
ここで、葉の表面が白く変化するという現象が葉緑素の減少によるものだとすれば、
光合成能力の低下を引き起こして生産を行う場を減らし、
結果として光合成による物質生産量を減少させていると考えられる。
このため本研究では、葉の白化現象と光合成との関係に着目し以下の調査を行った。
ハンゲショウのフェノロジーや群落の構造を調べ、白化現象の季節性・局在性について調査する。
白化した葉と白化しない葉の生理的な特性の違いを調べ、白化現象が光合成へ与える生理面での影響を調査する。
受光量と光合成速度の測定結果から、白化現象が光合成による物質生産量へ影響を推定し、それがハンゲショウに与える影響を調査する。
<方法>菅生沼上沼付近西岸(茨城県岩井市と水海道市の市境)の湿地に生育する
白化した葉と白化しない葉の生理的な特性の違いを調べ、白化現象が光合成へ与える生理面での影響を調査する。
受光量と光合成速度の測定結果から、白化現象が光合成による物質生産量へ影響を推定し、それがハンゲショウに与える影響を調査する。
<方法>菅生沼上沼付近西岸(茨城県岩井市と水海道市の市境)の湿地に生育する
ハンゲショウ群落を対象として調査を行った。
5 月2 日に15 本のシュートをマーキングし、
草丈・葉数・白化現象の有無・花序の様子を追跡調査した。
また、群落の葉群構造を把握するため、
ほぼバイオマスがピークとなる 8 月の上旬に層別刈り取りを行った。
4 月 11 日から連続的に、ハンゲショウ群落内の気温・地温・光量子密度の測定を行った。
菅生沼の調査地から 4 月 11 日にハンゲショウの地下部を採取し、
筑波大学陸域環境実験センター内の温室にて栽培した。
携帯型光合成蒸散測定装置LI-6400 を用いて白化した葉と白化しない葉の光合成能力を測定し、
光-光合成曲線を作成した。
受光量と光合成速度のデータを、
群落の物質生産を記述する門司‐佐伯数学モデル(1953)に入れて光合成による物質生産量を推定し、
一部の葉が白化した場合と全ての葉が白化しない場合を比較した。
<結果>フェノロジーを調べた結果、
6 月終わり~ 7 月初めにかけて茎先の一部の葉が白化現象を起こし始め、
9 月終わりまで徐々に緑色に回復するという、白化した葉の動向が明らかとなった。
また、花序の出現時期と葉の白化現象の始まりはほぼ一致していること、
そして花序の出現する近傍で白化現象が起こる傾向のあることが明らかとなった。
また、全てのシュートが白化現象を起こすのではなく、
花序をつけない場合に白化しない傾向も見られた。
さらに、葉群構造を調べた結果、
白化現象を起こす葉の割合は葉群全体の約 0.4%に過ぎないことが分かった。
白化する葉と白化しない葉の光-光合成曲線を作成し、
近似曲線(Pmax ( 1 - exp( - f I / Pmax ) ) - R )のパラメータを求めた。
ただし、Pmax:最大光合成速度、f:初期勾配、I:光強度、R:呼吸速度。
その結果、最大光合成速度(Pmax)は白化現象を起こしていない葉の方が有意に高い(P<0.001)ことから、
白化現象は光合成速度を低下させることが分かった。
ここで、群落の物質生産の数学モデルへ光合成のパラメータを代入して計算すると、
群落単位では葉の白化現象による光合成による物質生産量の減少は
ほとんど見られないことが明らかとなった。
<考察>白化現象は、個葉レベルで光合成速度を低下させるものの、
シュート・群落レベルでの光合成生産にはほとんど寄与しない。
このことは、白化現象が現存する個体群の栄養生長に影響を与えるものではないことを示している。
一方で、野外観察から花序と白化現象との時空間的な一致が明らかにされ、
白化現象が有性生殖と強く関係している可能性が示唆された。
本研究では、白化現象の光合成に関わる生態的意義を明らかにすることは出来なかったが、
白化現象と無花被花の有性生殖に関わる生態的意義を追っていきたいと考えている。
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「令和陸年(皇紀2684年)6月8日、記」
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