“I H-5秋の摩耶蘭を観ながら”《襍観・/・点描‘16-65》

マヤラン(摩耶蘭) ラン科(Orchidaceae)
学名:Cymbidium macrorhizon (C.nipponicum)

遠目に見ると踊っているように見えるが、近寄って見ると唄ってる様だ!!



図:(a)ツチアケビ植物体(花期)、(b)ツチアケビ植物体(結実期)、
(c)ツチアケビ花茎につかまるウグイス、(d)ツチアケビ果実を摂食するヒヨドリ、
(e)ヒヨドリに摂食されたツチアケビ果実、(f)ツチアケビ果実の切片、
(g)ヒヨドリ糞中のツチアケビ種子、
(h)ツチアケビ種子の切片(リグニン化した種皮がサフラニンで赤く染色されている)


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
マヤラン(摩耶蘭)
今年も初夏に1回め、そして二回目の花茎が林床に観えた。
定点觀察している場所からかなり広がりも見せはじめている。
腐生植物を探し求め追いかけあたりを注意深く探してみると!!
生態(形態)観察すると、湿度高い林床に生え、菌に依存してるとわかる。
(菌従属栄養植物=光合成能力を失い、菌根菌や腐朽菌から養分を取る植物)

植物の多様性に関しての研究(筑波実験植物園遊川知久博士)
§共生菌からみたマヤランの不思議な暮らし§
以下博士の論考紹介文;ランと共生する菌の研究から。
植物は葉で光合成を行ってデンプンを作り、それによって生きるためのエネル
ギーを得ています。けれども葉のないマヤランは、光合成できません。どうやっ
て生きているのでしょうか?マヤランの地下茎を切って見ると、写真3のように
細胞の中にたくさんの菌がいることが分かります。自力でデンプンを作り、水を
吸収する代わりに、共生する菌から栄養と水をもらって大きくなります。
根も葉もなくてどうやって生きているのだろう
マヤランの共生菌は一体どんな菌なのか気になります。
あちこちのマヤランの自生地から地下茎を採集し、共生菌の DNA を調べました。
その結果、マヤランの共生菌は、担子菌のベニタケ科(Russulaceae)、
イボタケ科(Thelephoraceae)、シロキクラゲ科(Sebacinaceae)
であることがわかりました。平たく言えばキノコの仲間です。
これらのキノコは特定の種類の樹木の根としか共生しないため、共生関係にある
木の種類が生えていなければ死んでしまいます。3者の関係を整理すると、
「マヤランは、ベニタケ科などのキノコなしでは生きていけない」、
「ベニタケ科などのキノコは、特定の種類の木なしでは生きていけない」
ということです。つまり「マヤランは、特定の種類の木なしでは生きていけない」
ということでもあります。では、マヤランの命を支えている木はどんな種類でしょう?
これは今から調べるテーマです。
マヤランは絶滅のおそれのある種です。マヤランを絶滅から救うためにも、マヤランと共生菌、
さらには周囲の樹木の関係を詳しく理解する必要があるのです。
詳しい内容にご興味のある方は、『国立科学博物館ニュース』第 458 号の 26~29 ページを。
※ ※ ※ ※ ※

いつもさらっと通っていた場所だが、何か気になって奥に踏み入った。
奥に入る前に路の側面に幾本もの枯れ・・しおれたマヤランの茎をみて想像した。
此の周辺の環境からすると、風による種の飛散はむずかしい様におもえる、種の運搬者は?と。
昨年、以下の記事を拝したことを思い出して。

※   ※   ※ 
光合成をやめたラン科植物ツチアケビにおける鳥による種子散布
-動物に種子散布を託す初めてのラン科植物の発見-
2015年05月12日
末次健司 白眉センター特定助教、川北篤 生態学研究センター准教授、
加藤真 人間・環境学研究科教授による研究グループは、
埃種子とよばれる非常に微細な種子を持ち、
風による種子の散布を行うと考えられてきたラン科植物において、
初めて動物による種子散布を発見しました。
本研究成果は、日本時間2015年5月5日午後7時(英国時間2015年5月5日午前11時)、
英国科学誌「Nature Plants」に掲載されました。
研究者からのコメント;末次特定助教
植物といえば光合成を行い、自ら炭素化合物を生産する独立栄養生物として知られていますが、
中には光合成をやめて地中の菌類から全養分を略奪するという特異な進化を遂げた、
菌従属栄養植物と呼ばれるものが存在します。
光合成をやめることにより、
これらの植物は、植物が通常生育できないような暗い林床でも生育できるようになりましが、
暗く風通しの悪い林床は、風による種子散布に適していないと考えられます。
そのような環境で確実に種子散布を行うため、ツチアケビは液果をつけ、
鳥に種子散布を託すという進化を遂げたと考えられます。

ラン科植物は一般に、葉を展開するまでの間、
菌根菌とよばれる地中の菌からの養分供給がなければ成長することができないため、
無数の微細な種子を風に飛ばすことで菌根菌と遭遇できる確率を高めているというのが定説でした。
しかしツチアケビは、菌根菌への寄生を一生涯に延長し、風通しの悪い林床に進出することで、
逆に風散布を喪失し、動物散布を再獲得したと考えられます。
このように、植物が光合成をやめるという進化は、単なる機能の喪失ではなく、
一見関係ないと思われる種子散布様式の変化まで促す可能性が示唆されました。
今後も菌従属栄養植物の分類学的、生態学的研究を行うことで、
植物が「光合成をやめる」という究極の選択をした過程で起こった変化を、
一つでも多く明らかにしたいと考えています。
概要
ラン科植物は、そのすべての種が、葉を展開するまでの間、
菌根菌とよばれる菌類からの養分供給に依存して生育しています。
発芽直後に菌に寄生するという特徴のため、ラン科植物の種子は胚乳などの養分を保持しておらず、
その微細さから埃種子とも呼ばれます。
ラン科植物は埃種子を大量に生産し、それらを風に乗せて散布させることで、
生存に必要な菌根菌と出会う確率を高めていると考えられてきました。

一方ラン科では、実生が菌に寄生するという特徴が前適応となり、およそ200種が一生涯に渡り、
菌から得て生育することで、完全に光合成をやめるという進化を遂げています。
完全に光合成をやめてしまったツチアケビのようなラン科植物は、光合成を行う必要がないため、
競争相手となる光合成を行う植物が生育できない非常に暗い林床に生育していますが、
暗く風通しの悪い林床は、風による種子散布に適していないと考えられます。
例えばラン科以外の単子葉植物では、液果をつけて動物に種子散布を託す進化が21回起こっていますが、
そのうち19回が林床への進出と関係があることがわかっています。
また動物による種子散布様式を獲得した単子葉植物のうち、
11回は再び風など動物によらない種子散布様式を再獲得していますが、
このうち8回は林床から日向への進出と関連があることがわかっています。
事実、葉緑素を持たないラン科植物の中には、液果をつけるものが存在し、
被食動物散布の可能性が指摘されていましたが、これまで証明された例は皆無でした。
そこで本研究グループは、暗い森林に生育し、鮮やかな赤色の液果をつけるツチアケビに注目し、
その種子散布様式を明らかにしました。
その結果、ツチアケビの果実は、ヒヨドリ、シロハラなど 4種の鳥によって消費されていることがわかりました。
さらに、このうち最も主要な摂食者であったヒヨドリの糞を調べたところ、
ツチアケビの種子は鳥の消化管内で損傷を受けず発芽能力を保っていることがわかりました。
 これらの結果より、ツチアケビは、鳥に種子散布を託していることが明らかとなりました。
ラン科は被子植物において最も種数の多い科ですが、
今回の発見は、世界でも初めてのラン科植物における動物による種子散布の報告となります。
(上、2番目の画像参照)

詳しい研究内容について;
光合成をやめたラン科植物ツチアケビにおける鳥による種子散布
-動物に種子散布を託す初めてのラン科植物の発見-
書誌情報
[DOI] http://dx.doi.org/10.1038/nplants.2015.52
[KURENAIアクセスURL] http://hdl.handle.net/2433/197830
Kenji Suetsugu, Atsushi Kawakita & Makoto Kato
"Avian seed dispersal in a mycoheterotrophic orchid Cyrtosia septentrionalis"
Nature Plants 1, Article number: 15052 Published online 05 May 2015
<用語解説>
菌従属栄養植物;
光合成能力を失い、菌根菌や腐朽菌から養分を奪うようになった植物のこと。ツツジ科、
ヒメハギ科、リンドウ科、ヒナノシャクジョウ科、コルシア科、ユリ科、ラン科、サクラ
イソウ科、ホンゴウソウ科などが該当し、これまで日本からは約 50 種が報告されている。
ツチアケビ
ラン科ツチアケビ属に属し、暗い林床に生息する菌従属栄養植物の一種。
葉はなく、秋に赤いウインナーソーセージのような液果をつける。
液果
多肉果、湿果ともいい、多肉化した果皮が成熟後も水分を多く持つ果実。トマト、モモ、
ミカンなどがこれに相当する。
被食動物散布;
動物が食べることによって種子が運ばれ、糞と共に排出される散布方式。
動物に対する報酬として、液果をつけるものが多い。
※   ※   ※


「大和市泉の森2016/10/10」


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“I H-3林床の黒八代蘭”《襍観・/・点描‘16-63》

クロヤツシロラン(黒八代蘭) ラン科(Orchidaceaeオニノヤガラ属)
学名:Gastrodia pubilabiata Y. Sawa
昨年11月に見つけた結実した花柄の所は何も見つけられなかった。
時期が早いのかもしれない。
所がすぐ近く、100m四方に沢山の黒八代蘭の花を見つけることが出来た。
画像は、その1ヶ所。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
クロヤツシロラン(黒八代蘭) ラン科(Orchidaceaeオニノヤガラ属)
10月2日、泉の森を散策していて、クロヤツシロランの花を漸く見つけた。
林床と同色系で遠目だと地味なキノコの様に見える。
花・正面から撮るのは、足場が悪く骨が折れる。
菌従属栄養植物、いわゆる腐生ランでまったく葉緑素を待たない。
竹、杉、常緑広葉樹の純林やこれらの混成林の湿気ある場所を好む。
地上の茎は高さ3cm以下、上部に1~8個の花をロゼット状につけ花は平開する。
果実期になると花柄が急速に伸び、高さが40cm程になるものもある由。
花期は、 9~10月だが開花期間が短いと見え機会を逸しやすい。
ハルザキヤツシロラン,アキザキヤツシロラン及びクロヤツシロランと種類がある。
1981年に、澤完氏(高知大学)により新種として発表された。
それ以前は、アキザキヤツシロランと区別されていなかったようである。
1991年発行の「野生ラン」には、
「神奈川県と高知県のスギとモウソウチクの混生林下に生えているのが確かめられている」とあるが、
今は、九州、四国、本州の各所で自生が確認され、分布域はアキザキヤツシロランを超えた!!
昨年の11月に偶然、20cm近い柄の果実を数本見つけた(泉の森)。
今年の9月から花が地上に現れるのを度々探しに行ったが、漸く花を確認できた。
花は、地表すれすれ落ち葉にくっつくほど背丈であった。
タネを広く遠くへ運んでもらうべく、結実すると花柄の部分が伸びる。。。自然界の妙だ。
今年の泉の森探訪でかなりの広範囲に生育していることを検証できたこと、驚きであった。
アキザキヤツシロランとクロヤツシロランの見分け方;
クロヤツシロランとアキザキヤツシロランは花の咲く時期は同じ。
アキザキヤツシロランは竹林以外ではあまり見られないらしい!!
クロヤツシロランの自生地は常緑広葉樹林、杉林などのほか竹林にも生えて、
アキザキヤツシロランと隣り合わせに花を咲かせていることもあると聞く。

1980年に新種として黒八代蘭が発表される迄は、両者は同じ種として扱われていた。
しかし、咲いた花を見れば簡単に見分けができる由。
黒八代蘭は殆ど平開に近い状態になる、が秋咲き八代蘭は筒状のままで平開しない。
色は、ク黒八代蘭は赤みがあり、秋咲き八代蘭には緑が入っているように見える。
決め手は、クロヤツシロランの唇弁には毛があり、肉眼でもよくよく見ればわかる。
アキザキヤツシロランにはこの毛はない。ヤツシロラン類は全て背が低く花の色も地味、
地表の色に溶け込んで、見つけるのは大変である。
結実すると花柄(花茎ではない)がぐんぐん伸びる。それ故、昨年は見つけられた。
アキザキヤツシロランとクロヤツシロランは、果実期でも違いが在ると聞いた。
果実を付けている時期の両者の違いは、第一に果実の色。
クロヤツシロランの果実は、黒っぽく見える(赤黒い)か、栗色系。
アキザキヤツシロランの方はこれに比べると白っぽく、鼠色に近いように見える。
花茎部分にしてもクロヤツシロランは花柄の出る箇所の間隔が狭いが、
アキザキヤツシロランは、この間隔が広い。しかし、個体差があり中々見極められない。
四国には、このほかにハルザキヤツシロランがある由。これは春咲き(5月中旬)。
これらの八代蘭に来るポリネータ(送粉者)は、花色ではなく臭いに惹きつけられて来る。
受粉がうまくいって受精すると、花柄が急速に伸び始めるが、花被は溶けるようになくなる。

我が両親が、里山に移植した植物や資料を検証すべく歩いている。
だが場所が移動したりして探すのが難しい。
おまけに今では、散策路が決められており目的地に行きづらい。
今年は、花を見つけることが出来た。更には周辺に広がっているのも確認できた。
クロヤツシロランは腐生植物、葉緑素をもたず、腐植質の豊富な場所に生きている。
どんな菌類とどの程度の共生あるいは寄生関係にあるかは分からないが、
葉緑素をもたない以上、菌類が分解した有機物に頼った生活をしているのは確かだ。
林の奥深いところには、色々な植物が生育してると確認できた至福の時であった。
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「大和市泉の森2016/10/02&/4」


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“I H-2森の秋”《襍崋・/・点描‘16-62》


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ノハラアザミ(野原薊)の花が終焉を迎えようとしていた。
我が頭髪と同じく白くなって!?!
野原薊・・・秋の花。こんな色合いも風情がある。
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「大和市・泉の森」


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“2016 Im Herbst-1”《襍崋・/・点描‘16-61》

シュウカイドウ(秋海棠) シュウカイドウ科(Begoniaceae)
学名:Begonia grandis Dryand.
Begonia evansiana Andr.
別名:ヨウラクソウ(瓔珞草)
英名:hardy begonia
筑波山麓で出会ったシュウカイドウ。面白い姿。



日陰の湿ったところに生え、高さ60cmほどになる多年草。
葉は互生、長さ10㎝前後。葉形が左右非相称(いびつ)で先尖り、基部は心形、縁に鋸歯がある。
茎頂の長い枝分かれした花茎の先に白色~淡紅色の花をやや垂れ下がってつける。雌雄同株。
花は幅が約2.5㎝。雄花は小花梗(小花柄)が長さ0.8~2.2㎝、花被片4個。
外花被片2個は大きく内花被片2個は小さい。黄色の雄蕊が多数、下部で合着し、球状につく。
雌花は小花梗が長さ2.5~5㎝、花被片3個。外花被片2個は長さ約1.2㎝、幅約1.2㎝。
内花被片は長さ約8㎜、幅約6㎜。花柱は下部で合着又は離生し下部に三角状の翼をつけた子房がある。
果実(蒴果)は下垂し惰円形で3翼がある。花後、葉腋にむかご(珠芽)をつけ茎が枯れる頃落ちる。
地下茎(球根)を持ち冬は地上部が枯れ、地下茎は毎年新たな塊茎をつくり、そこから茎を直立させる。
太く、多くの水分を含む茎は上方で分枝し、節は紅色をおびる。

ベゴニア属でベゴニアの中では、日本で屋外で生育する唯一の種。
繊細な雰囲気を漂わせ楚々とした姿が和風庭園に似合い、茶人や俳人に親しまれてきた。
古くには、泣きぬれた美女の形容に用いられていたが、かよわそうな花に似合わず丈夫。
一度植えると次々に株が殖え、ほとんど手がかからず耐寒性もあり半野生化している。
和名の由来は花がカイドウに似て、秋咲くことから。江戸時代に園芸用に中国から渡来した。
春に花が咲く庭木のカイドウ(ハナカイドウ)とは別種。
また花の垂れさがる様をヨウラク(仏像の首飾り)に例えて、別名「ヨウラクソウ(瓔珞草)」と呼ぶ。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
シュウカイドウ(秋海棠)が庭の片隅には咲いていたが、良い位置で撮れなかった。
単なるいい訳だが、足を置くだけで微妙に変化!!表土は大切だ。
この花は、江戸時代初期に日本に到来し、園芸用として栽培されてきた。
貝原益軒の大和本草に「寛永年中、中華より初て長崎に来る。花の色カイドウ(海棠)に似たり」とある。
葉柄のつけ根は赤みを帯び、妖艶な色合いだ。葉は左右が不均衡で卵状心臓形が面白い。
雌花と雄花が別々な雌雄異花で雄花は茎頂部につき、花弁が開き黄色い球状に集まる雄蕊が目立つ。
小さな花びらが2枚と大きな花弁のように見えるのは萼で2枚からできている。
雌花には花弁はなく大きな萼の2枚が僅かに開く。雌花は、栽培が難しいとある??も目立たない。
観察していると時間の立つのを忘れるほどに面白い花。
明治~昭和にかけての小説家、随筆家の永井荷風の日記「断腸亭日乗」
「断腸亭」とは、荷風37歳の時に牛込区余丁町の邸内に一室を新築し、秋海棠を植えた事による由。
「採蘭雑誌」(中国)に描かれている「断腸花」に由来してると思える(内容は略)。
俳句に、「秋海棠 西瓜の色に 咲きにけり」 松尾 芭蕉が詠んでいる。
小さな花だが、群落を観ると圧巻である。目の前の花で、かつて歩いた山道を思い起こす。
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「大和市・居所&筑波山麓」


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“秋の高原感”《襍観・/・点描‘16-59》

ススキ(薄) イネ科(Poaceae/Gramineae)
学名:Miscanthus sinensis Anderss
関東・・秋の箱根仙石原といえばススキ!!
台ケ岳北斜面のススキ野原は、原風景そのもの。
秋の七草のひとつ。ススキ=尾花
キリシマリンドウ(霧島竜胆) リンドウ科(Gentianaceae)
学名:Gentiana scabra var. buergeri f. procumbens
“身震わす竜胆の音は雨に沁み”

雨空の中だったが、中々の風情が漂っていた。
恐らくは、植栽されたものだろう!?!
迫力ある・威風堂々とした古木のヤマザクラ。
鎌倉・広町に在る「大島山桜」と同種と映る。
来春に検証してみたい。何とも楽しい空間だった。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
箱根は、各所で温泉地として整備され、山の原風景が見過ごされている。
山中を歩けば観ることはできるだろう。
古来より湯坂路と呼ばれた古道があるが、そこは箱根の原風景そのものである。
温泉場と言う風情とは違った趣ある山道。
そんな山間には、山桜が点在している。山桜は点在してるから風情があるのだ。
並木や群落も楽しめるが、自然植物と一体となってある姿が個人的には好き。
先週、所用があって箱根に参った。途中、お茶を馳走して頂いた「山小屋カフェ」
個人の山荘を改装してカフェを開いた由。
その山荘の入口に「霧島竜胆」が、、、圧巻は山荘前に鎮座していた山桜の古木。
山桜と云われるが、大島山桜!?!と映った。来春は、花見に・・更に検証も^^)。
箱根散策の楽しみがひとつ増えた。
※ ※ ※ ※ ※ ※

キリシマリンドウ(霧島竜胆)
日本各地に自生しているが、鉢植え園芸用として結構流通している。
霧島竜胆は、リンドウ科リンドウ属の多年草。
一般で言われる竜胆(リンドウ)は本州から九州にかけて自生。
霧島竜胆もその品種の1つで、霧島で発見された固有種。
山野草として庭園植えや鉢植えとしても広く愛好されている。
草丈は10センチから30センチくらい。
葉は披針形(笹の葉のような形)で向かい合って生える対生。
開花時期は8月から10月。
花の色は濃い青で、茎先や葉の脇に1つないし数輪の花をつける。
花は筒形で先が5つに裂け、日が当たると花の先の裂片が開く。
夜や雨の日、花は閉じる。園芸品種には白花のものもある。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)。
属名の Gentiana は紀元前のイリリア王「ゲンティウス(Gentius)」の名に由來。
種小名の scabra は「ざらつく」という意味をもつ。
変種名の buergeri は日本植物の採集家「ブュルゲルの」という意味。
品種名の procumbens は「這った」という意。


「神奈川県・箱根町・仙石原&畑宿入り口近く」

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“秋・・紫陽花(1)??”《襍観・/・点描‘16-58》

タマアジサイ(玉紫陽花) アジサイ科(Hydrangeaceae)
学名:Hydrangea involucrata Sieb. var. involucrata
タマアジサイの蕾。


茎、葉に短毛が密生する。葉は対生、葉柄があり長さ10~20㎝の長楕円形。
縁に牙歯状の細鋸歯があり、鋸歯の先が芒状になる。
葉の両面はざらつき、葉の基部は円形、葉先は尖る。
蕾は苞に包まれ、直径2~3.5㎝の球形になり、花期が他のアジサイより遅いのが特徴である。
白い装飾花は3~5個。すべて装飾花になるものはテマリタマアジサイという。
開ききると覆っていた殻は落ちてしまうので、タマアジサイと判りやすいのは咲き先始め頃。
タマアジサイの名前は、丸い玉状のツボミの中に花を構成する全てが入っていることから。
季節外れに、遅れて咲いたアジサイではなく、9月前後に咲くタマアジサイ。
玉アジサイが咲き終わると、ヨウラクタマアジサイ(瓔珞玉紫陽花)の花が咲きだす。
玉紫陽花の自然自生地は、本州(福島県~岐阜県)の太平洋側の山地。
落葉低木で山地の林内、丘陵の谷間に見られる。日本固有種だが園芸的にも人気がある。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
晩夏から秋に2種類のアジサイが見れる。
春のアジサイと趣がちょっとことなって映るは、僕だけの感覚か??
柔らかい、とっても柔らかく感じる。
※ ※ ※ ※ ※ ※

「大和市・泉の森(植栽されたもの)」


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“初秋の野草”《襍観・/・点描‘16-57》

ノハラアザミ(野原薊) キク科(Asteraceae/Compositae)
学名:Cirsium tanakae (Franch. & Sav.) Matsum.
Cirsium oligophyllum (Franch. et Savat.) Matsum.
キンエノコロ(金狗尾) イネ科(Poaceae)
学名:Setaria pumila (Poir.) Roem. et J.A. Schult. subsp. pumila
Setaria glauca auct. non (L.) P. Beauv.
英名:yellow foxtail , yellow bristlegrass , pidgeongrass
蜜でも吸っているのだろうか?


ノハラアザミ(野原薊)
ノアザミが初夏から夏なら、ノハラアザミ(野原薊)は秋の花。
見分けは、花の下部(総包)に粘りがあるのがノアザミ、粘りがないのがノハラアザミ。
秋の花とはいえ7月頃から咲くこともあり、花期は長い。
「ノアザミ」(野薊)学名:Cirsium japonicum Fisch. ex DC.
ノアザミは葉の基部が茎を抱いているのでくべつできるが、葉形は、よく似ている。
「アザミ」の種類は日本だけでも80種もあり、世界では200種を超える。
アザミ(薊)の由来は「花に魅かれて触ると葉のトゲに刺される」、
つまり「あざむく」が変化してアザミとなった由。

キンエノコロ(金狗尾)
秋になり穂が成熟してくると黄金色、キンエノコロ名の意味が分る様になる。
雑草と呼ばれているが、結構見応えがある。
葉は無毛で、基部だけに長毛があり、
表面がややざらつき、裏面は平滑で光沢がある。
花序は長さ3~10㎝の円柱形。小穂の基部には黄金色の剛毛(総苞毛)が密生する。
小穂はアキノエノコログサより大きく、長さ3㎜前後、幅2㎜前後、厚さ1.5㎜位。
類似のコツブキンエノコロは総苞毛が赤褐色~黄金色で小穂の長さが2.5㎜位と短い。 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
この所、机・PCと対面、書籍資料と格闘している。
年寄りの悪あがきかも知れないが、結構楽しんでいる。
所が、余りにも長時間椅子に座りっぱなしで腰痛を引き起こしてしまった。
散歩もままならない!! それでも散歩をしなければ、と。。。!
身近の里山を周ると小さな花や虫達が沢山、見える。
昆虫・鳥は、全く分からず、でも調べるのも面倒!!只々眺めるのみだ。
混同しやすい花名、雑草と呼ばれる草、そんな花達と出会えるのが楽しい。
※ ※ ※ ※ ※ ※





キンエノコロ(金狗尾) イネ科(Poaceae)
学名:Setaria pumila (Poir.) Roem. et J.A. Schult. subsp. pumila
Setaria glauca auct. non (L.) P. Beauv.
英名:yellow foxtail , yellow bristlegrass , pidgeongrass
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“季節感「ががいも」”《襍観・/・点描‘16-55》

ガガイモ(ガガ芋・蘿芋) キョウチクトウ科(Apocynaceae)
学名:Metaplexis japonica (Thunb. ex Murray) Makino
別名;ゴガミ、カガミグサ、ジガイモ、チチクサ(乳草)、クサパンヤ
花・葉を眺めrていると特段不思議にも思えないが??
実が割れ裂けて来ると徐々に面白い形状になってくる。
種子が現れて・・風で浮遊しはじめる様は、
まさにケサランパサランって感じである。
(以上の画像は、以前、八甲田山麓で観たもの)

ガガイモ(ガガ芋・蘿芋)
日当たりのよい野原にはえ、長く伸びるつる性の多年草である。
地下茎で繁殖して広がり、茎は切ると白色の乳液が出てくる。
葉は、長さ5-10cmで長卵状心形(先は尖る)で対生、裏面は白緑色を帯びてる。
晩夏頃に葉脈の脇から花序(柄)を出して、淡紫(淡紅)色の花をつける。
雄蕊と雌蕊がくっついており(短筒状に合着)星型の花を固まってつける。
花冠は直径約1cmで5裂し外側に反曲。内側には長い毛が密生する。
中心部にはずい柱があり、柱頭は長く口ばし状に花冠から突き出す。
副花冠は環状でずい柱の基部を取り巻く(雄しべの間につく)。
雄しべはし、肉柱体(ずい柱)を形成し、中心から柱頭が。柱頭の先はよれて曲がる。
花粉は花粉粒が集合し、塊状の花粉塊(惰円形)を作る。
花粉塊は葯室の中にあり、葯の付属体間にある5個の小球(捕捉体)に2個ずつぶら下がりつく。
1個の花びらは、海中のヒトデを連想させる程に面白い姿。
袋果は長さ8~10cm、幅約2cm程の広披針形で、表面にはイボ状の突起(ニガウリ似)がある。
熟すと片側で裂けて、褐色の種子を出す。根は有害。
種子は扁平な楕円形で翼があり、先端に種髪と呼ばれる長い絹糸のような毛がある。
若芽は食べられる。種子の絹糸状の毛は綿の代用として印肉などに用いられた。
又、葉や果実は滋養強壮の薬として、茎や葉から出る白い汁は、イボや虫刺されの治療に利用された。
生薬名を羅摩子(らまし)という由。
有効成分:プレグナン誘導体サルコスチン、ブレグラリン、ネタプレキシゲニン等。
滋養強壮に、乾燥した種子、茎葉を粉末にして1日2回2~3グラム服用。
茎葉の粉末と、クチナシの果実の粉末を酢で練って腫れ物などに外用として塗布したとある。
生の茎葉は、解毒・腫れ物に、細かく切ってから麦粉・酢と良く練って外用で患部に塗布。
茎葉から出る白い汁は、イボやヘビ、虫刺されに患部に塗布したと資料にあrった。
種子の白毛は、切り傷の止血になった由。
若芽は、熱湯でゆでて水にさらしてアク抜きし、油いため、煮物、混ぜご飯などにして食べた。
花期は、8下旬~9月中旬。草丈は、つる性で長さ8m以上にもなる。
茎の長く伸びてる姿、他の植物の上に覆いかぶさる様は、マント群落を思わせる。
名前の由来;ガガイモはガガミイモの転訛であるといわれている。
葉がカメの甲羅に似ているため、スッポンの意味であるゴガミの名がついた等、不可思議な名の植物。
野原や河原などに蔓を伸ばして繁殖するが、自生(野生)と思しきものは少なくなった。
古く、古事記には大国主命の国造りをしたといわれる。
クナビコナ(少彦名神)が、「天の羅摩(カガミ)の船にのって・・・」という記述がある。
これが、ガガイモの果実のサヤに乗って小さな神様が来たとされていて、
日本では古くからガガイモが親しまれていた証であろうか。。。!
イケマもガガイモと同様に茎葉を折ると白い汁を出し、似たような薬効があるらしいが、
根には、アルカロイドを含み毒性があるとか。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
二日前、日曜日の昼間、久しぶりに泉の森を散歩した。
お目当てのマヤランやクロヤツシロランを探す寸前に大粒の雨が!?!
早々に退散した。それにしてもこの節の雨脚の気まぐれさ!!
現代を象徴してるやにも感じる。
扨、さて、ガガイモの花と久しぶりに御対面。未だ少し早いって感じでちらほら花をつけていた。
この花に関心を持つのは、昔より言われている民間伝承上の謎の生物「ケサランパサラン」を想って!
『ケサランパサラン、ケ・セランパサランは江戸時代以降の民間伝承上の謎の生物とされる物体である。
外観は、タンポポの綿毛や兎の尻尾のようなフワフワした白い毛玉とされる。
西欧でゴッサマー (gossamer) やエンゼル・ヘアと呼ばれているものと同類のものと考えられている。
概要;白い毛玉のような物体で、空中をフワフワと飛んでいると言われる。
一つ一つが小さな妖力を持つ妖怪とも言われ、未確認生物として扱われることもある。
名前の由来については、スペイン語の「ケセラセラ」が語源だという説、
「袈裟羅・婆裟羅」(けさら・ばさら)という梵語が語源だという説、
羽毛のようにパサパサしているからという説、
「何がなんだかさっぱりわからん」を意味する東北地方の言葉との説、などがある。
穴の開いた桐の箱の中でおしろいを与えることで飼育でき、
増殖したり、持ち主に幸せを呼んだりすると言われている。
だが、穴がないと窒息して死んでしまう、おしろいは香料や着色料の含まれていないものが望ましい、
1年に2回以上見るとその効果は消えてしまうなどと言われることもある。
ケサランパサランを持っているということはあまり人に知らせないほうがいいと言われているため、
代々密かにケサランパサランを伝えている家もあるという伝説もある。
1970年代後半に、ケサランパサランは知れ渡る。
この時ケサランパサランとされた物の多くは、花の冠毛からできたものであった。
ケサランパサランとの関係は明らかになっていないが、
江戸時代の百科事典『和漢三才図会』には鮓荅(へいさらばさら)という玉のことが記載されている。
同書によれば、これは動物の肝臓や胆嚢に生じる白い玉で、鶏卵ほどの大きさのものから、
栗やハシバミくらいの小さいものまであり、石や骨にも似ているがそれとは別物で、
蒙古人はこれを使って雨乞いをしたとある。
これをオランダで痘疹や解毒剤に用いられた平佐羅婆佐留(へいさらばさる)と同じものとしている。
近代では、「鮓荅」は「さとう」と読み、動物の胆石や腸内の結石と解釈されている。
正体は明らかではなく、以下のように“動物の毛玉”“植物の花の冠毛”などいくつかの説がある。
またはこれらすべてを総称してケサランパサランとして認識されている可能性もある。
植物性
アザミやオキナグサ、ブタナなどといった植物の花の冠毛が寄り集まって固まったものであるとされる。
ガガイモの種の綿毛とも言われる。
綿状のカビだという説もあり、白粉を与えると増えるというのはこのためだとも言われる。
また、ビワの木でよく目撃されることから「ビワの木の精」とも呼ばれている。』
ーーーーー以上は、ウィキペディアの記述を抜粋。ーーーーー
こんなことを想いながら、ガガイモと対峙していた。
※ ※ ※ ※ ※ ※



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“思い出した華「緋扇」”《襍観・/・点描‘16-54》

ヒオウギ(緋扇) アヤメ科(Iridaceae)
学名:Iris domestica (L.) Goldblatt et Mabb.
Belamcanda chinensis (L.) DC.
別名:カラスオウギ(烏扇)
艶っぽい・・・種子。
どうしてこんな色合いを出せるのだろう!!
花名になった葉の姿。
(借り物画像)

幅の広い葉が扇を開いたように並ぶことから花名がついた!?!
ちなみに檜扇とは、檜の薄片を扇状に合わせた板扇で、宮中の儀式に使われていたもの。
ヒオウギアヤメ や ヒメヒオウギズイセン も同じ意味の名前。
ヒオウギの実の中には、黒い種がある。万葉集の枕詞「ぬばたま」はこの実のこと。
「居明かして 君をば待たむ ぬばたまの 我が黒髪に 霜は降るとも」
本州~沖縄の日当たりのよい山地の草原に生える。
葉は長さ30~50cm。扇状にでる。花茎は高さ1m前後になる。
上部で枝を分けて数個の苞をつけ、中から2~3個の花をだす。
花は直径3~4cm、花被の内外片は同形同大で平開する。
橙色で内面に暗赤色の斑点が多数ある。
さく果は楕円形で長さ3cm位、種子は直径約5mm、球形で黒く光沢がある。
種子が球形、黒色で光沢がある事でうば玉、ぬば玉と呼ばれている。
根茎は射干といい薬用にする。観賞用にも栽培される。
名前の由来,葉の並び方が檜扇に似ていることから。
以前はヒオウギ属 Belamcanda であったが、DNA系統解析でアヤメ属になった。
低山の草原等で普通に見られる。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「草原・丘陵に映る植物」
日本では古くから親しまれており、生花材料としても栽培されてきた。
京都では祇園祭には欠かせない花、時期が来ると軒先などにヒオウギが飾られる。
栽培種は草丈が低く、ヒオウギの変種とされるダルマヒオウギがある。
茎葉が反り返るように湾曲する生け花向きのものなど、いくつかの品種や系統がある。
花は一日花、次々と咲き続け花後に袋状の大きな鞘ができる。
熟し割れ中から黒いタネが出てくるが、タネはしばらく落ちずに残る。
それ故、ユニークな花材として利用されている。
ヒオウギは東アジア原産の1属1種の植物、北アメリカでは帰化植物として野生化している由。
「ブラックベリー・リリー」と呼ばれるのがそれッて聞いた。
一般的に流通では品種名のないものが多く異様に思う。
単にヒオウギ、またはダルマヒオウギの名前ばかりが目につく。
ヒオウギ「黒」や「夜」の枕詞に使われる。種子の黒さの輝きは、実に見事だ。
ぬばたま(射干玉)、又は、うばたま(烏羽玉)と呼ばれるのも納得が行く。
しかし、ヒオウギの花自体を歌った和歌が万葉集にひとつも無い。不可思議でもある。
夏から秋にかけて咲く。。。午前中に咲き夕方にしぼむ一日花。
「ぬば」は、黒色を表す最も古い語。
京都の祇園祭時、昔から家々の軒先に魔よけとして飾られて来た花。
又、根茎を干したものは生薬名で「射干(やかん)」と呼ばれる。
消炎、利尿、去痰、風邪に効果があるらしい。
江戸時代に書かれた「和漢三才図会」に扁桃腺に良く効くとある。
ヒオウギは花よりも種子で名のある花である。
祇園祭といえば、、、屏風祭りの「桧扇」の花!!
祇園祭は、宵山と山鉾巡行だけではないですよね!!
7月1日の吉符入りにはじまって、31日の疫神社夏越祭まで、色々有りますね。
神輿洗、お迎え提灯、稚児社参、宵宮神賑奉納神事、神幸祭、花傘巡行、還幸祭と。
30日余りも続く祭事は、祇園祭だけでしょうか!!
鉾町の家々では、自慢の屏風や蔵から持出した家宝などを座敷に飾って披露します。
その屏風の前に桧扇(ヒオウギ)の活花を飾るのが慣習ですよね(暫く拜していないので???)
花に神が宿ると考えた祖先の思いが、屏風祭りの桧扇にも伝承されて。。。風情あります。

先日、住まい近くのお宅でのガレージ野菜売り(週1日)に出かけた。
庭の片隅に植栽されたヒオウギが、見事な花をつけていた。
花を観ていて色々と昔を思い出した。
※ ※ ※ ※ ※ ※


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“思い出の華・五「高嶺蓬・四葉塩竃」”《襍観・/・点描‘16-53》

《画像左部分》
タカネヨモギ(高嶺蓬) キク科(Asteraceae)
学名:Artemisia sinanensis
《画像右部分》
ヨツバシオガマ(四葉塩竃) ハマウツボ科(Orobanchaceae)
学名:Pedicularis chamissonis var. japonica
(画像は、北アルプス槍ヶ岳・・槍沢)

タカネヨモギ(高嶺蓬)
オオヨモギやミヤマオトコヨモギ等と同じ高山種のヨモギ。
茎は20~50cm、葉はニンジンの様に羽状に切り込み裂片の先は尖り細い葉が特徴。
茎の上部に半球形の黄色い花を下向きに多数つけ、地味だが夏山を彩っている。
本州(中部・東北)の高山に自生し、日本固有種である。
花後にできる実は、そう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見える)。
属名の Artemisia はギリシャ神話の女神「アルテミス(Artemis)」を意味し、
この属の植物が婦人病に効くということから名づけられた由。
種小名の sinanensis は「信濃の」という意味。蓬とは思えぬ大形の花、不思議な姿だ。
ヨモギとは「よく燃える木」からきた名前だという。
お灸のモグサはヨモギの葉から作るが、よく燃えたら、熱くてたまらないのでは??


ヨツバシオガマ(四葉塩竃)
ミヤマシオガマと良く似るが、四葉の名のように鋸状の細い葉が4枚づつ輪生する。
仲間にエゾシオガマ、オニシオガマ、モエシオガマがある。日本固有種である。
また、白花のシロバナヨツバシオガマも存るが、未見。
茎高は、10cmから50cm位。「四葉塩竃」の花名は、諸説あるが不可思議な命名だ。
花冠は唇形、上の唇は兜状になり先は鳥の嘴のように曲がって尖る。
下の唇は3つに裂ける。萼は筒状で、先が5つに裂ける。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)。
花言葉は「誘惑」的を射てるか!?!観察してるとらしく映る。
属名の Pedicularis はラテン語の「pediculus(シラミ)」からきている。
種小名の chamissonis はドイツの詩人で植物学者の「カミッソ」を意味する。
変種名の japonica は「日本の」という意味。
別名:くちばししおがま(嘴塩竃)
ヨツバシオガマ(広義) Pedicularis chamissonis には、次のような変種がある。
エゾヨツバシオガマ var. chamissonis 北千島・カムチャツカ・アリューシャン列島。
キタヨツバシオガマ var. hokkaidoensis
ヨツバシオガマ(狭義) var. japonica(ssp. japonica) 日本(本州中部以北・北海道)。
クチバシシオガマ f. rostrata(var. longirostrata) 日本(本州中部の高山)。
レブンシオガマ var. rebunensis  
ミヤマシオガマ(深山塩竈) Pedicularis apodochila
ヨツバシオガマとの違いは、葉が細かく切れ込み根元から束になって出て、背丈が低い。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「個性的に映る高山植物」
上記した2つの花は、どちらかと言うと地味な花だろうか!!
山岳パトロール(山の監視員・山岳レンジャーの前身)をしている時、
お世話になってる山小屋に麓からプロパンガスボンベ等を担ぎあげた事があった。
今では、ヘリを使って荷揚げするだろうが、当時は人力でも荷揚げしていた。
30kg用とか50kg用ボンベ。背負子に括り付けて登った。
こうした荷揚げを歩荷(ぼっか)とかボッカと称していた。
荷揚げは、食料品等々色々だったが、ダンボールに詰めて背負子で登る。
見た目は、凄いって見えるが、実際はバランスよく背負子に括りつけた。
更には、背負子自体も手作りで自作したものである。
荷を背負ったら2時間位、ゆっくりと歩く。休憩でも座らなかった。
森林帯をぬけて、、亜高山から高山帯の草地になると姿を見せる高山性花々。
そんな中に地味だが魅せる、休む目印にもなっていた花々。
今でも植物園等で見かけると思い出す出来事でもある。
お世話になっている返礼、而してトレーニングをも兼ねて一石二鳥だった。
正月登山のデポ(前もっての荷揚げ)のトレーニングにもなった。
先日富士登山をTVで観たが、富士山では、強力(ごうりき)と呼んでいる。
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