“I H-9思い出した海岸の草”《襍感・/・点描‘16-69》

ハママツナ(浜松菜) ヒユ科(Amaranthaceaee)
学名: Suaeda maritima (L.) Dumort.


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
《新分類(APG)ではアカザ科はヒユ科に含まれるようになった》
海水の影響する砂地に生える塩湿地植物。
葉は互生し線形で長さ1~4cm、幅約1cm、先は刺状程に尖らない。
花は緑色、茎の上部の葉腋に数個、固まってつく。
花被片5個、雄しべは花被片と対生。
果実(胞果)は直径約2cmの扁平な球形、1種子をもつ。
種子は長さ約1.4cm位で暗褐色、光沢がある。
※  ※  ※  ※  ※
晩秋には全草が赤くなって目立つ、と解説書にあったが、今回は未だった。
若い頃秋から冬に葉山~秋谷あたりに夕陽を撮りに歩き回っていた。
友達の家が森戸にあったのでよく訪れていた。
当時、海岸でこの「浜松菜」をよく見かけたが、名前など気にならなかった。
今頃の時期、この植物は真っ赤に“紅葉”!?!してたのを覚えている。
そんな昔を思い出しながら、浜の岩場を観るとまとまって茎が立っていた。
気候の変化か?? 未だ“紅葉”しておらず残念!?!


「横須賀市・秋谷三ツ石海岸2016/10/23」



#ブログ #植物

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“I H-8晩秋の想い”《襍感・/・点描‘16-68》

コセンダングサ(小栴檀草) キク科(Asteraceae/Compositae)
学名:Bidens pilosa L. var. pilosa
英名:common beggar's tick , hairy beggarticks


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
熱帯アメリカ原産、世界中の温暖な地域に分布し道端等で極普通に見る野草。
雑草!!と呼ばれ嫌われるが、薬草として、食用としても用いられている。
茎に短毛があり葉は上部で互生、下部で対生、頭花は舌状花がなくなり痕跡程度。
花柄は長さ9cm位。総苞直径は7~8㎜。
総苞外片は長さ4~5㎜、総苞内片は長さ4~7㎜。
痩果は、細いこん棒状で黒色。
先端に長さ2㎜位の黄色の芒(刺)がつき、下向きの小刺がある。
芒の数は3個が多いとあるが、この付近のものは殆どが2個。
白い舌状花があるのはコシロノセンダングサと区別されている。
更には、コセンダングサとコシロノセンダングサの雑種とされるアイノコセンダングサ。
アメリカセンダングサは総苞片が大きい。センダングサやコバノセンダングサは舌状花が黄色。
種子を人や動物にくっついて繁殖するセンダングサ類、「くっつき虫」「ひっつき草」と呼ぶ。
鈎のついた種子が衣服や動物の毛につく。植物にも意思があるのか、と??
近づきよくよく観ると、なかなか趣がある。
花が咲き終わり種子が熟す前でとげとげがあり、まだ開いてないものをちぎって、、、!
友達の服をめがけて投げてダーツみたいにして遊んだものだ。とげとげの部分は、結構痛い。
※  ※  ※  ※  ※  ※
「大和市・泉の森2016/10/24」



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“I H-7秋の賑わい”《襍感・/・点描‘16-67》

10年ほど前の鎌倉七里ヶ浜でのハロウィンパーティー光景。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
今日は、“Halloween”先週末あたりから各所で盛り上がっているらしい。
米国の民間行事・・日本に到来。。。!?!それにしても年々華やかに>?
本当の所、よくわからないのだ、爺には。。。!
前回の東京オリンピック頃、ぼくは青春真っ盛りであった。
今、巷での盛り上がっている事を僕の頃に置き換えると“ヴァレンタインズデー”。
子供の頃は、クリスマスで盛り上がり、歳を重ねてヴァレンタインズデー!!
そして今日のハロウィーン、時代とともに関心事も変わっていくか。
“ブログルハロウィーン BloguruHalloween”なる文字を見ると感慨ある。
子供が米国の自転車競技に夢中になり、家族も其れに染まった。
米国自転車競技のティーム名は、“トマホーク”
西欧の自転車競技のティーム名は、かぼちゃ倶楽部と名乗った。
フランスの有名な子供自転車倶楽部に、リンゴ倶楽部があった事で。
それにしても、JR渋谷駅周辺の盛り上がりは!?!驚きだ。
経済効果、それぞれの催しを見ると凄いものが在る。
ある意味で、泰平の世であることは間違いない。
ヴァレンタインズデー・・・東京オリンピックの翌年の2月~3月。。。!
感慨深く、昨日のことのように。。。{青春」ていいなぁ~~~!
※ ※ ※ ※ ※



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“I H-6食欲の秋”《襍感・/・点描‘16-66》

海岸の大駐車場で駆けずり回っているタイワンリス。
自宅のテラスに三脚をたて間近に見ていても逃げなくなった。
トウモロコシやひまわりの種を上手に食べる。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
食欲の秋!!・・・そろそろ「レディースサラダ(赤い大根)」が出回るか!?!
って、生産地近くの直売所を覗いてみたが今年は、未だのようであった。
横浜・横須賀道路の逗子インター、逗葉新道入り口の所に「道の駅」のような、
“HAYAMA STASION”という地元産の直売所が、この9月に開店した。
折角、近くに来たので寄ってみた。ケーキ等が、意外と安く売られていた。
お弁当などもあって、ランチにかつサンドを求めて、秋谷の三ツ石で食す^^)。
青春時代、ここは、地元の人か、米軍属の若者位しかいかないローカルな所だった。
葉山の鐙摺(あぶずり)、葉山マリーナ、森戸、長者ヶ崎までは賑わっていたが!?!
懐かしく、海を見ながら昼食!!土曜日とあって結構、散歩者がいた。
今では、ここはサイクリストの休憩、待ち合わせ場所になっている。

昨今、三浦半島~神奈川中部あたりで、ごく普通に見られる「タイワンリス」。
外来種なのだが、此の地に広がったルーツは、先の東京オリンピック後に遡る。
1965年から1974年までは、江の島・伊豆大島間フェリーが定期運航されていた。
伊豆大島にいたリスが、フェリーにて江ノ島に到来。緑濃かった鎌倉方面に移動。
繁殖して今にいたっている。わが子たちは、リスとたぬきをみて育った。
裏山の樹々に餌を置いたものだ。遂には、家のベランダ迄で来るようになってしまった。
七里ヶ浜の駐車場は、リスの遊び場でもある。今、住民はリス被害で駆除しようと??
だが、人間が、よそから公園に連れて来て、それが脱走して今になってしまった。
共生できる環境にしないといけないだろうと思って止まない。
※ ※ ※ ※ ※




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“I H-5秋の摩耶蘭を観ながら”《襍観・/・点描‘16-65》

マヤラン(摩耶蘭) ラン科(Orchidaceae)
学名:Cymbidium macrorhizon (C.nipponicum)

遠目に見ると踊っているように見えるが、近寄って見ると唄ってる様だ!!



図:(a)ツチアケビ植物体(花期)、(b)ツチアケビ植物体(結実期)、
(c)ツチアケビ花茎につかまるウグイス、(d)ツチアケビ果実を摂食するヒヨドリ、
(e)ヒヨドリに摂食されたツチアケビ果実、(f)ツチアケビ果実の切片、
(g)ヒヨドリ糞中のツチアケビ種子、
(h)ツチアケビ種子の切片(リグニン化した種皮がサフラニンで赤く染色されている)


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
マヤラン(摩耶蘭)
今年も初夏に1回め、そして二回目の花茎が林床に観えた。
定点觀察している場所からかなり広がりも見せはじめている。
腐生植物を探し求め追いかけあたりを注意深く探してみると!!
生態(形態)観察すると、湿度高い林床に生え、菌に依存してるとわかる。
(菌従属栄養植物=光合成能力を失い、菌根菌や腐朽菌から養分を取る植物)

植物の多様性に関しての研究(筑波実験植物園遊川知久博士)
§共生菌からみたマヤランの不思議な暮らし§
以下博士の論考紹介文;ランと共生する菌の研究から。
植物は葉で光合成を行ってデンプンを作り、それによって生きるためのエネル
ギーを得ています。けれども葉のないマヤランは、光合成できません。どうやっ
て生きているのでしょうか?マヤランの地下茎を切って見ると、写真3のように
細胞の中にたくさんの菌がいることが分かります。自力でデンプンを作り、水を
吸収する代わりに、共生する菌から栄養と水をもらって大きくなります。
根も葉もなくてどうやって生きているのだろう
マヤランの共生菌は一体どんな菌なのか気になります。
あちこちのマヤランの自生地から地下茎を採集し、共生菌の DNA を調べました。
その結果、マヤランの共生菌は、担子菌のベニタケ科(Russulaceae)、
イボタケ科(Thelephoraceae)、シロキクラゲ科(Sebacinaceae)
であることがわかりました。平たく言えばキノコの仲間です。
これらのキノコは特定の種類の樹木の根としか共生しないため、共生関係にある
木の種類が生えていなければ死んでしまいます。3者の関係を整理すると、
「マヤランは、ベニタケ科などのキノコなしでは生きていけない」、
「ベニタケ科などのキノコは、特定の種類の木なしでは生きていけない」
ということです。つまり「マヤランは、特定の種類の木なしでは生きていけない」
ということでもあります。では、マヤランの命を支えている木はどんな種類でしょう?
これは今から調べるテーマです。
マヤランは絶滅のおそれのある種です。マヤランを絶滅から救うためにも、マヤランと共生菌、
さらには周囲の樹木の関係を詳しく理解する必要があるのです。
詳しい内容にご興味のある方は、『国立科学博物館ニュース』第 458 号の 26~29 ページを。
※ ※ ※ ※ ※

いつもさらっと通っていた場所だが、何か気になって奥に踏み入った。
奥に入る前に路の側面に幾本もの枯れ・・しおれたマヤランの茎をみて想像した。
此の周辺の環境からすると、風による種の飛散はむずかしい様におもえる、種の運搬者は?と。
昨年、以下の記事を拝したことを思い出して。

※   ※   ※ 
光合成をやめたラン科植物ツチアケビにおける鳥による種子散布
-動物に種子散布を託す初めてのラン科植物の発見-
2015年05月12日
末次健司 白眉センター特定助教、川北篤 生態学研究センター准教授、
加藤真 人間・環境学研究科教授による研究グループは、
埃種子とよばれる非常に微細な種子を持ち、
風による種子の散布を行うと考えられてきたラン科植物において、
初めて動物による種子散布を発見しました。
本研究成果は、日本時間2015年5月5日午後7時(英国時間2015年5月5日午前11時)、
英国科学誌「Nature Plants」に掲載されました。
研究者からのコメント;末次特定助教
植物といえば光合成を行い、自ら炭素化合物を生産する独立栄養生物として知られていますが、
中には光合成をやめて地中の菌類から全養分を略奪するという特異な進化を遂げた、
菌従属栄養植物と呼ばれるものが存在します。
光合成をやめることにより、
これらの植物は、植物が通常生育できないような暗い林床でも生育できるようになりましが、
暗く風通しの悪い林床は、風による種子散布に適していないと考えられます。
そのような環境で確実に種子散布を行うため、ツチアケビは液果をつけ、
鳥に種子散布を託すという進化を遂げたと考えられます。

ラン科植物は一般に、葉を展開するまでの間、
菌根菌とよばれる地中の菌からの養分供給がなければ成長することができないため、
無数の微細な種子を風に飛ばすことで菌根菌と遭遇できる確率を高めているというのが定説でした。
しかしツチアケビは、菌根菌への寄生を一生涯に延長し、風通しの悪い林床に進出することで、
逆に風散布を喪失し、動物散布を再獲得したと考えられます。
このように、植物が光合成をやめるという進化は、単なる機能の喪失ではなく、
一見関係ないと思われる種子散布様式の変化まで促す可能性が示唆されました。
今後も菌従属栄養植物の分類学的、生態学的研究を行うことで、
植物が「光合成をやめる」という究極の選択をした過程で起こった変化を、
一つでも多く明らかにしたいと考えています。
概要
ラン科植物は、そのすべての種が、葉を展開するまでの間、
菌根菌とよばれる菌類からの養分供給に依存して生育しています。
発芽直後に菌に寄生するという特徴のため、ラン科植物の種子は胚乳などの養分を保持しておらず、
その微細さから埃種子とも呼ばれます。
ラン科植物は埃種子を大量に生産し、それらを風に乗せて散布させることで、
生存に必要な菌根菌と出会う確率を高めていると考えられてきました。

一方ラン科では、実生が菌に寄生するという特徴が前適応となり、およそ200種が一生涯に渡り、
菌から得て生育することで、完全に光合成をやめるという進化を遂げています。
完全に光合成をやめてしまったツチアケビのようなラン科植物は、光合成を行う必要がないため、
競争相手となる光合成を行う植物が生育できない非常に暗い林床に生育していますが、
暗く風通しの悪い林床は、風による種子散布に適していないと考えられます。
例えばラン科以外の単子葉植物では、液果をつけて動物に種子散布を託す進化が21回起こっていますが、
そのうち19回が林床への進出と関係があることがわかっています。
また動物による種子散布様式を獲得した単子葉植物のうち、
11回は再び風など動物によらない種子散布様式を再獲得していますが、
このうち8回は林床から日向への進出と関連があることがわかっています。
事実、葉緑素を持たないラン科植物の中には、液果をつけるものが存在し、
被食動物散布の可能性が指摘されていましたが、これまで証明された例は皆無でした。
そこで本研究グループは、暗い森林に生育し、鮮やかな赤色の液果をつけるツチアケビに注目し、
その種子散布様式を明らかにしました。
その結果、ツチアケビの果実は、ヒヨドリ、シロハラなど 4種の鳥によって消費されていることがわかりました。
さらに、このうち最も主要な摂食者であったヒヨドリの糞を調べたところ、
ツチアケビの種子は鳥の消化管内で損傷を受けず発芽能力を保っていることがわかりました。
 これらの結果より、ツチアケビは、鳥に種子散布を託していることが明らかとなりました。
ラン科は被子植物において最も種数の多い科ですが、
今回の発見は、世界でも初めてのラン科植物における動物による種子散布の報告となります。
(上、2番目の画像参照)

詳しい研究内容について;
光合成をやめたラン科植物ツチアケビにおける鳥による種子散布
-動物に種子散布を託す初めてのラン科植物の発見-
書誌情報
[DOI] http://dx.doi.org/10.1038/nplants.2015.52
[KURENAIアクセスURL] http://hdl.handle.net/2433/197830
Kenji Suetsugu, Atsushi Kawakita & Makoto Kato
"Avian seed dispersal in a mycoheterotrophic orchid Cyrtosia septentrionalis"
Nature Plants 1, Article number: 15052 Published online 05 May 2015
<用語解説>
菌従属栄養植物;
光合成能力を失い、菌根菌や腐朽菌から養分を奪うようになった植物のこと。ツツジ科、
ヒメハギ科、リンドウ科、ヒナノシャクジョウ科、コルシア科、ユリ科、ラン科、サクラ
イソウ科、ホンゴウソウ科などが該当し、これまで日本からは約 50 種が報告されている。
ツチアケビ
ラン科ツチアケビ属に属し、暗い林床に生息する菌従属栄養植物の一種。
葉はなく、秋に赤いウインナーソーセージのような液果をつける。
液果
多肉果、湿果ともいい、多肉化した果皮が成熟後も水分を多く持つ果実。トマト、モモ、
ミカンなどがこれに相当する。
被食動物散布;
動物が食べることによって種子が運ばれ、糞と共に排出される散布方式。
動物に対する報酬として、液果をつけるものが多い。
※   ※   ※


「大和市泉の森2016/10/10」


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“I H-4・森のキノコ”《襍観・/・点描‘16-64》

エリマキツチグリ(襟巻土栗) ヒメツチグリ科(Geastraceae)
学名:Geastrum triplex Fisch
英名:Collared earthstar
スギ林脇の雑木林落葉中に観えた。
この林はよく通るところだが、初めて観た。
毎日でも散策していないと出会えない。

襟巻土栗は円形で直径が3~4cm、幼菌時、外皮包頂部に角状の尖った部分がある。
その後、成長するに伴って頂部が5~7つに分かれながら外皮が裂けていき、
内皮に包まれた“グレバ”が姿をあらわす。
また、内皮の頂上部分もやや角状に突き出ており、
その頂部が星状の小孔を開いてそこから胞子が噴出する。
最新の研究結果によると襟巻土栗は系統の異なる9種に分かれる事が判明した。
胞子を蓄えたグレバを包む内皮は乾燥して白っぽいので結構目立つ。
子実体はかなり乾燥気味なので、内皮は茶色い。
外皮は褐色で、ツチグリのようなひび割れ模様は無く単色。
また名前にも有るように、外皮に一段、襟巻き状の境界ができる。

“※基本体(グレバ:gleba)の解説ーウキペデイアキノコの部位より※”
子実体の内部に胞子を形成するようなキノコの場合、
その胞子形成部分を基本体(またはグレバ、gleba)という。
典型的には、出口のない袋状の組織の中に、
不規則に(あるいは多少とも規則的に)担子器や子嚢などの胞子形成細胞が形成される場合、
その組織全体を指す。担子菌類の腹菌類、およびセイヨウショウロ(トリュフ)などに見られる。
腹菌類では子実体の内側に多数の担子器が形成されるが、
胞子が成熟すると担子器は崩壊・消失する。胞子の外界への放出の方式はさまざまで、
袋の先端に出口を生じて吹き出すように出るもの(ツチグリ・ホコリタケなど)、
子実体の結実部を包む組織(殻皮、かくひ)が不規則に崩れて散布されるもの(ノウタケなど)、
生長の後期に柄(偽柄)が伸びて基本体が押し上げられ、粘液化するとともに異臭を放ち、
ハエなどの昆虫やナメクジなどの小動物によって胞子が伝播されるもの(スッポンタケ等)等がある。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ツチグリに似て外皮がミカンの皮をむいたようになり、
内皮を襟巻状に囲むことから名前が付いたとあった。
丸い袋の中には胞子が詰まっており毒はないが、食用には不向き。
エリマキツチグリは林内の落ち葉の重なった場所などに発生する。
夏~秋に表れるとされている。
図鑑等専門書に解説されるように本種は落葉の多い地上を好むようだ。
スギ林内の落葉が溜まった場所で見つけた。
観察すると頂孔の周辺にリングが有る。これは円座と呼ばれている。
この有無で種を特定した(10月4日に確認)。
ツチグリの仲間にはいくつか種類があり、
エリマキツチグリは、老成するにつれ「実」の周りにえりまきが出来る。
後日、10日に見に行ったが周辺は、落ち葉しかなく全部が持ち去られたか??
観察者も居るって言いたい。せめて1株でもあったらと悔やまれる。
分類的にこのエリマキツチグリはツチグリ科ではなく、
フクロツチガキを含むヒメツチグリ科に属する。
※ ※ ※ ※ ※



「大和市泉の森2016/10/04」


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“I H-3林床の黒八代蘭”《襍観・/・点描‘16-63》

クロヤツシロラン(黒八代蘭) ラン科(Orchidaceaeオニノヤガラ属)
学名:Gastrodia pubilabiata Y. Sawa
昨年11月に見つけた結実した花柄の所は何も見つけられなかった。
時期が早いのかもしれない。
所がすぐ近く、100m四方に沢山の黒八代蘭の花を見つけることが出来た。
画像は、その1ヶ所。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
クロヤツシロラン(黒八代蘭) ラン科(Orchidaceaeオニノヤガラ属)
10月2日、泉の森を散策していて、クロヤツシロランの花を漸く見つけた。
林床と同色系で遠目だと地味なキノコの様に見える。
花・正面から撮るのは、足場が悪く骨が折れる。
菌従属栄養植物、いわゆる腐生ランでまったく葉緑素を待たない。
竹、杉、常緑広葉樹の純林やこれらの混成林の湿気ある場所を好む。
地上の茎は高さ3cm以下、上部に1~8個の花をロゼット状につけ花は平開する。
果実期になると花柄が急速に伸び、高さが40cm程になるものもある由。
花期は、 9~10月だが開花期間が短いと見え機会を逸しやすい。
ハルザキヤツシロラン,アキザキヤツシロラン及びクロヤツシロランと種類がある。
1981年に、澤完氏(高知大学)により新種として発表された。
それ以前は、アキザキヤツシロランと区別されていなかったようである。
1991年発行の「野生ラン」には、
「神奈川県と高知県のスギとモウソウチクの混生林下に生えているのが確かめられている」とあるが、
今は、九州、四国、本州の各所で自生が確認され、分布域はアキザキヤツシロランを超えた!!
昨年の11月に偶然、20cm近い柄の果実を数本見つけた(泉の森)。
今年の9月から花が地上に現れるのを度々探しに行ったが、漸く花を確認できた。
花は、地表すれすれ落ち葉にくっつくほど背丈であった。
タネを広く遠くへ運んでもらうべく、結実すると花柄の部分が伸びる。。。自然界の妙だ。
今年の泉の森探訪でかなりの広範囲に生育していることを検証できたこと、驚きであった。
アキザキヤツシロランとクロヤツシロランの見分け方;
クロヤツシロランとアキザキヤツシロランは花の咲く時期は同じ。
アキザキヤツシロランは竹林以外ではあまり見られないらしい!!
クロヤツシロランの自生地は常緑広葉樹林、杉林などのほか竹林にも生えて、
アキザキヤツシロランと隣り合わせに花を咲かせていることもあると聞く。

1980年に新種として黒八代蘭が発表される迄は、両者は同じ種として扱われていた。
しかし、咲いた花を見れば簡単に見分けができる由。
黒八代蘭は殆ど平開に近い状態になる、が秋咲き八代蘭は筒状のままで平開しない。
色は、ク黒八代蘭は赤みがあり、秋咲き八代蘭には緑が入っているように見える。
決め手は、クロヤツシロランの唇弁には毛があり、肉眼でもよくよく見ればわかる。
アキザキヤツシロランにはこの毛はない。ヤツシロラン類は全て背が低く花の色も地味、
地表の色に溶け込んで、見つけるのは大変である。
結実すると花柄(花茎ではない)がぐんぐん伸びる。それ故、昨年は見つけられた。
アキザキヤツシロランとクロヤツシロランは、果実期でも違いが在ると聞いた。
果実を付けている時期の両者の違いは、第一に果実の色。
クロヤツシロランの果実は、黒っぽく見える(赤黒い)か、栗色系。
アキザキヤツシロランの方はこれに比べると白っぽく、鼠色に近いように見える。
花茎部分にしてもクロヤツシロランは花柄の出る箇所の間隔が狭いが、
アキザキヤツシロランは、この間隔が広い。しかし、個体差があり中々見極められない。
四国には、このほかにハルザキヤツシロランがある由。これは春咲き(5月中旬)。
これらの八代蘭に来るポリネータ(送粉者)は、花色ではなく臭いに惹きつけられて来る。
受粉がうまくいって受精すると、花柄が急速に伸び始めるが、花被は溶けるようになくなる。

我が両親が、里山に移植した植物や資料を検証すべく歩いている。
だが場所が移動したりして探すのが難しい。
おまけに今では、散策路が決められており目的地に行きづらい。
今年は、花を見つけることが出来た。更には周辺に広がっているのも確認できた。
クロヤツシロランは腐生植物、葉緑素をもたず、腐植質の豊富な場所に生きている。
どんな菌類とどの程度の共生あるいは寄生関係にあるかは分からないが、
葉緑素をもたない以上、菌類が分解した有機物に頼った生活をしているのは確かだ。
林の奥深いところには、色々な植物が生育してると確認できた至福の時であった。
※ ※ ※ ※ ※



「大和市泉の森2016/10/02&/4」


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“2016・Tokyo !!”《襍崋・/・点描‘16-60》

ヤナギラン(柳蘭) アカバナ科(Onagraceae) 
学名:Chamerion angustifolium (L.) Holub subsp. angustifolium
   Epilobium angustifolium L.
英名:fireweed
まとまって咲く姿に魅了される。
’64年のオリンピックに端を発し、西欧のことを教えて下さった“I 師”
感謝とともに頭を深く垂れたい。

「青森県・八甲田山山麓」

ヤナギラン(柳蘭)
和名の由来は、葉が柳に似て、そして花が蘭のように美しいことからとか!!
茎は直立し分枝せず、葉は互生し長さ5~18cmの披針形で細かい鋸歯がある。
茎頂に総状花序をつけ花は直径3~4cm、花弁は4個、萼片4個、雄蕊8個。柱頭は4分岐。
果実は細長い螬果、熟すと先が4裂する。種子は長さ約1mm、白色の毛(種髪)がある。
山地の草原に自生する在来種。北海道、本州(中部地方以北)で見られる。
高原の草地に観る姿、而して近づき観ると妖艶に映る。。。!

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
思い出の崋!!
若い頃、シベリア鉄道を延々と1週間も乗り続けスイス・ジュネーブ駅に降り立った。
そこからバスに乗り、憧れの登山基地“シャモニィー(仏)”へ。
さぁ~~本番、と登攀に。だが山を甘く見て(無知だった)足指を凍傷にやられ、
エギュー・ド・ミディーの岩場で救助ヘリに助けられ・隣国の病院に搬送された。
そこは、山岳遭難者を一手に引き受けている総合病院。
フランス国境を超えてスイス・ジュネーブ郊外に位置する国境の町・メイラン。
この病院での手当がなければ・・・足指を数本なくすところだった。
1ヶ月ほどの入院・治療で歩けるようになり、両親が引き取りに!?!
その足でスキー・保養地で有名なサンモリッツの山荘を訪れた。
Berner Oberland, L. da Silvaplauna(シルヴァプラウナ湖)。
湖畔に佇む山荘(僕には、山城に見えた)を訪れて・・・衝撃が走る。。。!
山荘の持ち主(我が父の友人)家族・・・4年前に会っていた!!
まったく偶然なのだが、東京オリンピックの会場(国立競技場)で、
歌舞伎座に行く交通手段を尋ねられて、案内した・・・あの親子!?!
親同士のご縁で・・・以来何かと世話になっている恩人親子。
そのとき、裏の森を案内してくれた令嬢・・・今でも親しくお付き合い頂いている。
その山荘、以後、出入り自由で今でも勝手に宿泊させてもらって。
湖岸から森にかけて群生して咲いていた花。「ヤナギラン」と記憶している。。。?
英名" Fireweed"と言われるように焼き畑等の跡地などに一斉に生えてくる面白い花。

湿原で名高い尾瀬沼の東に位置する大江湿原に、ヤナギランの丘という場所がある。
そこに咲くヤナギラン・・なんともいえぬ風情、とっておきの場所。
この花は下から上に順次咲き、雄しべだけの花が先に開き、
後から雌しべの先が十字に開いて雄しべの花粉を受粉する。
これを雄性先熟と呼び、変った生態である。

最近、知ったことだが、彼の地に咲いていた花は!?!
ヤナギランの近縁種;
カマエネリオン・フレイシェリィ(エピロビウム・フレイシェリ)
Chamaenerion fleischeri(Epilobium fleischeri)
又は、カマエネリオン・ドドナイ(エピロビウム・ドドナイ)
Chamaenerion dodonaei(Epilobium dodonaei)
上記の2種類のいずれかと思われる。再訪して調べてみたく思う。
※ ※ ※ ※ ※ ※

今夏に八甲田山山麓を訪ねた、そこでヤナギランを見つけた。
その姿、観ていると感慨深い、昔を思い出した。
更には、1964年の東京周辺、新幹線などが走馬灯のように思い出される。

扨、さて2020年の東京オリンピック、色々と問題山積で???
昨今の東京・・・日本の中心的場所が揺れ動いているではないか。
思うは、管理トップの身勝手。より良くするには、継承、移譲を考えたい。
いつまでも“トップ”で居続ける!?!そんな組織だから堕落するのだ。
連携できていない。オリンピック委員会も都の行政指揮官も無責任極まりない。
国家の中枢を担う政治家、首都東京を担う行政者の感覚に唖然とする。
この際、膿を出し切って・・・人身刷新すべきと思うのだ。
二日ほど前にリオオリンピック・パラリンピックメダリストの凱旋パレードがあった。
パレードをTVで観ていて、選手に使いやすい競技場にして欲しいと思った。
組織運営での諸問題がトップダウンで、結果選手にしわ寄せが!?!
2020年東京オリンピックは、参加選手にとってよりよい競技場であってほしい。
諸外国の人々は、日本に期待している!!
観光を兼ねてオリンピック観戦に来日されるだろう人々を少し知っている。
彼等が一同に語るのは、日本人は必ずや素晴らしいものをみせてくれる、と!!
1964年10月10日、オリンピック開会式が行われた。昨日のように覚えている。
今年の体育の日は、10月10日。しっかりせよって・・・天の声か!?!
10月10日は、昔・・晴天の特異日だった。今年の首都圏の天気は???
ざわざわしてる東京を“天は”嘆いているのかもしれない。

1964年10月10日の今時間、銀座のR亭で夕飯をごちそうになっていた。
ご馳走してくださった報道カメラマンI師が、一昨日逝去された。
ご一緒に、2020年オリンピックをかんせんしたかったのに。。。残念だ。




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“I H-2森の秋”《襍崋・/・点描‘16-62》


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ノハラアザミ(野原薊)の花が終焉を迎えようとしていた。
我が頭髪と同じく白くなって!?!
野原薊・・・秋の花。こんな色合いも風情がある。
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「大和市・泉の森」


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“2016 Im Herbst-1”《襍崋・/・点描‘16-61》

シュウカイドウ(秋海棠) シュウカイドウ科(Begoniaceae)
学名:Begonia grandis Dryand.
Begonia evansiana Andr.
別名:ヨウラクソウ(瓔珞草)
英名:hardy begonia
筑波山麓で出会ったシュウカイドウ。面白い姿。



日陰の湿ったところに生え、高さ60cmほどになる多年草。
葉は互生、長さ10㎝前後。葉形が左右非相称(いびつ)で先尖り、基部は心形、縁に鋸歯がある。
茎頂の長い枝分かれした花茎の先に白色~淡紅色の花をやや垂れ下がってつける。雌雄同株。
花は幅が約2.5㎝。雄花は小花梗(小花柄)が長さ0.8~2.2㎝、花被片4個。
外花被片2個は大きく内花被片2個は小さい。黄色の雄蕊が多数、下部で合着し、球状につく。
雌花は小花梗が長さ2.5~5㎝、花被片3個。外花被片2個は長さ約1.2㎝、幅約1.2㎝。
内花被片は長さ約8㎜、幅約6㎜。花柱は下部で合着又は離生し下部に三角状の翼をつけた子房がある。
果実(蒴果)は下垂し惰円形で3翼がある。花後、葉腋にむかご(珠芽)をつけ茎が枯れる頃落ちる。
地下茎(球根)を持ち冬は地上部が枯れ、地下茎は毎年新たな塊茎をつくり、そこから茎を直立させる。
太く、多くの水分を含む茎は上方で分枝し、節は紅色をおびる。

ベゴニア属でベゴニアの中では、日本で屋外で生育する唯一の種。
繊細な雰囲気を漂わせ楚々とした姿が和風庭園に似合い、茶人や俳人に親しまれてきた。
古くには、泣きぬれた美女の形容に用いられていたが、かよわそうな花に似合わず丈夫。
一度植えると次々に株が殖え、ほとんど手がかからず耐寒性もあり半野生化している。
和名の由来は花がカイドウに似て、秋咲くことから。江戸時代に園芸用に中国から渡来した。
春に花が咲く庭木のカイドウ(ハナカイドウ)とは別種。
また花の垂れさがる様をヨウラク(仏像の首飾り)に例えて、別名「ヨウラクソウ(瓔珞草)」と呼ぶ。

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シュウカイドウ(秋海棠)が庭の片隅には咲いていたが、良い位置で撮れなかった。
単なるいい訳だが、足を置くだけで微妙に変化!!表土は大切だ。
この花は、江戸時代初期に日本に到来し、園芸用として栽培されてきた。
貝原益軒の大和本草に「寛永年中、中華より初て長崎に来る。花の色カイドウ(海棠)に似たり」とある。
葉柄のつけ根は赤みを帯び、妖艶な色合いだ。葉は左右が不均衡で卵状心臓形が面白い。
雌花と雄花が別々な雌雄異花で雄花は茎頂部につき、花弁が開き黄色い球状に集まる雄蕊が目立つ。
小さな花びらが2枚と大きな花弁のように見えるのは萼で2枚からできている。
雌花には花弁はなく大きな萼の2枚が僅かに開く。雌花は、栽培が難しいとある??も目立たない。
観察していると時間の立つのを忘れるほどに面白い花。
明治~昭和にかけての小説家、随筆家の永井荷風の日記「断腸亭日乗」
「断腸亭」とは、荷風37歳の時に牛込区余丁町の邸内に一室を新築し、秋海棠を植えた事による由。
「採蘭雑誌」(中国)に描かれている「断腸花」に由来してると思える(内容は略)。
俳句に、「秋海棠 西瓜の色に 咲きにけり」 松尾 芭蕉が詠んでいる。
小さな花だが、群落を観ると圧巻である。目の前の花で、かつて歩いた山道を思い起こす。
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「大和市・居所&筑波山麓」


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