今年の読書(49)『いつか陽のあたる場所で』乃南アサ(新潮文庫)
Apr
12
この本の主人公は、女性が二人です。<小森谷芭子(はこ)>29歳と、<江口綾香>41歳です。
二人にはそれぞれの事情で刑務所に入っていた前歴があり、それを隠しながら東京の下町谷中界隈で、新しい人生を歩み出します。
前歴を隠しながら仕事を覚え、ご近所の老夫婦たちの人情に触れ、娑場での生活に馴染んでゆく過程が、悲しいまでのユーモアで描かれています。
前科のある負い目を感じながら、二人は寄り添い励まし、お互いを思いやりながら、前向きに進んでゆく姿は、暗い内容とは正反対に、読み手側に生きることの意義を提示しているように思えます。
構成的には4篇の物語から成り立っていますが、この二人の今後の生き方が、気になるシリーズになりそうです。
Posted at 2012-04-13 07:16
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Posted at 2012-04-13 23:20
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