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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(81)『風花病棟』帚木蓬生(新潮文庫)

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今年の読書(81)『風花病棟』...
10話からなる短篇集ですが、著者自身が心療内科医として開業されていることもあり、ご自身の経験を踏まえながら、医者と患者の心のつながりを丁寧な文章で書き綴られています。

特殊な技量を持つ俗に言う「名医」が主人公ではなく、患者目線に立つ「良医」達が主人公で、ヒューマニズムにあふれた言動・行動には、涙する場面がいくたびかありました。

患者自身を見ることもなく、触診もしないで電子カルテの数値だけが主流となっている現状を憂い、下の世話も看護師任せで自ら携わろうとしない医者達ばかりでは、人間的な信頼関係は築けないと示唆されています。

特に『チチジマ』・『震える月』は、第二次世界大戦の軍医が絡む話ですが、細やかな歴史の流れが描かれており驚きました。
最新作の『蠅の帝国』・『蛍の航跡』の副題には、共に<軍医たちの黙示録>とありますが、すでに構想として下地ができていたようです。

文庫版あとがきを読みますと、著者自身も急性骨髄性白血病で半年ほど入院をされていたようですが、またこの経験が新たな視点となる作品を期待しています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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birdy
Commented by birdy
Posted at 2013-06-27 15:49

良医ですか。
いい言葉ですね。

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ファルコン
Commented by ファルコン
Posted at 2013-06-28 00:55

心臓移植を行うような外科医も必要でしょうが、赤ひげ先生のようにアカチンを塗ってくれる先生も、これまた必要な世界ですね。 (苦笑)

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