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- 今年の読書(93)『桃山ビート・ライブ』天野純希(集英社文庫)
2007年第20回小説すばる新人賞を受賞したのが、表題作です。
舞台は豊臣秀吉が天下統一を成し遂げた以後の桃山時代を舞台に、運命的な出会いを果たした若き四人の若者達をめぐる物語です。
天性の踊りの素質を持つ<ちほ>、生きるためにスリや置き引きを続けながら盗んだ三味線を独学で天才的に弾きこなす<籐次郎>、笛吹き職人の息子でありながら、自ら演奏者になるべく家を飛び出した<小平太>、アフリカ生まれの黒人でリズム感あふれる太鼓を叩く<弥助>が、とにもかくにも一座を結成して、演奏と踊りでセンセーションを起こしてゆきます。
秀吉の海外出兵の失敗と、<秀次>との後継者問題という史実を背景に、歴史上の人物たちを織り交ぜながらの構成は、エネルギッシュな文体で飽きることなく爽快感が味わえました。
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