文庫本の表紙にも描かれていますが、ブラシ状の小さな白い花を咲かせる「ヒトリシズカ」は、その可憐さから<静御前>になぞらえて名がつけられています。
本編の登場人物として重要な役割を果たす<伊藤静加>の、引きずられてゆく数奇な運命の象徴として、読み進むにつれてタイトルの『ヒトリシズカ』の意味合いが浮きあがってきます。
短篇6篇からなる構成ですが、連作小説として話が引き継がれていき、どのような結末に至るのか、最後まで目が離せませんでした。
住宅街のアパートで、男が押し入ってきた別の男に射殺される事件が発生、現場近くの交番に勤務する巡査<木崎>が現場に急行すると、先輩の<大村>が既に現場にいたところから物語は始まります。
捜査が進むにつれて容疑者が特定されますが、死因の銃痕あとに疑問を感じ釈然としないまま<木崎>は、この事件の捜査から離れるのですが、その裏側では過去に大きな傷を持つ一人の少女の存在があることなど、予測できません。
一人の少女として<伊東静加>は13歳で家出をし、その後16年間に渡る逃亡生活を行いながら、驚くラストの結末まで一気に読ませる一冊でした。
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Posted at 2013-08-01 16:45
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Posted at 2013-08-01 17:13
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Posted at 2013-08-03 15:18
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Posted at 2013-08-04 00:34
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