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- 今年の読書(65)『オー!ファーザー』伊坂幸太郎(新潮文庫)
来る5月24日(土)、ワーナー・ブラザース配給で劇場公開されます同名映画の原作です。
4股をかけていた母親<知代>(ラストだけ登場します)と、その相手である<鷹・悟・葵・勲>の4人が、父親として同居を余儀なくされている高校2年生の<由紀夫>が主人公(映画では<岡田将生>)です。
ギャンブル好きの<鷹>とドッグレースを見物に出かけた際、鞄のすり替え事件を目撃したことから、県知事選挙に絡む事件に巻き込まれてしまい、愛する息子を救い出すために4人の父親たちの姿がコミカルなタッチで描かれています。
文頭の同級生の<多恵子>とのやり取りや、野球部員の登校拒否問題、カツアゲなど学園ものかとおもわせる書き出しで、「これがミステリーなのかなぁ~」と感じながら読み進めるなか、<由紀夫>の周りで次々と事件が起こります。
何気なく用意周到にはぐれめぐらされたこれらの出来事が、後半一気に絡みあい、さすが<伊坂ワールド>だと思わせる構成で、粋な会話と共に面白く読み終えることができました。
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