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- 今年の読書(97)『第四の壁』堂場瞬一(文春文庫)
妻が亡くなり小学3年生の息子を持つ<大友鉄>は、捜査一課から勤務時間が安定している刑事総務課に転属しています。
10年前の大学生時代に所属していた劇団「夢厳社」の創立20周年記念公演を観劇していた<大友>は、劇団の主宰者<笹倉>が舞台上で刺殺される殺人事件に遭遇してしまいます。
かっての劇団仲間が多く残る中、<大友>は総務課を離れ殺人事件の捜査を同僚<紫>と進めていきますが、第二の殺人未遂事件が発生、舞台で上演された『アノニマス』の台本通りの筋書きで事件が起こるなか、台本にはない第三の事件が起こってしまいます。
映画スターとして成功している<長浜>、女優として人気のある<早紀>、小道具係の<古橋>など、いまだ劇団俳優としての夢を追い求める姿と、劇団から離れ刑事という職業を選んだ自分との人生を対比させながら、<大友>は事件の解決に突き進んでいきます。
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