女性の<執念・怨念・妬み>を書かせると、この著者の右に出る作家はいないと考えていますが、本書は冒頭からいつ本来の路線に展開するのかなと感じながら、最後はほのぼのとした結末で読み終え、少し意外でした。
吉祥寺の清楚なマンション「チャコズガーデン」に住む<渚>は、住民に離婚したことを隠しながら、仕事もせずにひっそりと暮らしていました。
そんな折、不審者の侵入や夜中の奇妙な騒音事件、元理事長の積立金横領と次々に問題が起こり、総会を通して住人同士との付き合いが深まっていきます。
三十数戸ばかりのそれぞれの家庭問題が浮き彫りにさらされる中、<渚>は住民と接してゆくことで、新しい人生を踏み出していきます。
マンションという一つの共同体を舞台に、それぞれの人生が絡み、『プロローグ』に書かれた部分が、『エピローグ』へとつながる壮大な人間ドラマの構成に感動しました。
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Posted at 2014-10-10 14:58
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Posted at 2014-10-10 15:10
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