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今年の読書(150)『シティ・マラソンズ』三浦しをん・他(文春文庫)

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今年の読書(150)『シティ・...
<三浦しをん> ・ <あさのあつこ> ・ <近藤史恵> と好きな著者3人が、「マラソン」をテーマにしたアスリートの物語を執筆しているということで、てっきり同じ主人公を引き継ぎながらの連作なのかなと思いましたが、それぞれ独立した小説でした。

第1話は<三浦しをん>さん、学生時代にランナーでしたが不動産業界に就職してからは仕事ばかりで走る楽しさを忘れてしまった男が、社長の娘の策略で「ニューヨークマラソン」に参加、忘れていた楽しさを思い出します。

第2話は<あさのあつこ>さん、仲のよかった同級生と彼女との三角関係のもつれで無理して走り疲労骨折をしてしまう男は、大学を卒業してスポーツシューズメーカーに就職しますが、先輩技術者から「中途半端だ」と指摘されてしまいます。
同級生の彼から、彼女の事故死を乗り越えて「東京マラソン」に出場すると8年ぶりに電話があり、男は彼のためにマラソンシューズを作る過程で、先輩が言う「中途半端」な部分に気が付きます。

第3話は<近藤史惠>さん、母親がバレー教室をしていた関係で小さいころからバレーに明け暮れていた彼女は、5歳年下の妹の才能にバレーの道を諦めてパリに語学留学します。そこで出会った女性とワンちゃんに感化され、自分もジョギングをはじめ「パリマラソン」に参加する意志をかため、ジョギングの練習を始めます。

それぞれの人生の過程で傷つている3人が、三者三様の些細なきっかけで新しい人生のスタートを切る感動が伝わる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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