今年の読書(156)『居酒屋お夏』岡本さとる(幻冬舎時代小説文庫)
Dec
30
主人公は目黒不動で「酒 飯」の幟を掲げた居酒屋を営む女将の<お夏>ですが、経歴・年齢不詳で客に対して毒舌を絶やさず、「因業婆」・「くそ婆ァ」と呼ばれています。
本書は四話の短篇からなり、市井に起こる事件を、「天女」ともおもえる美女が手助けして解決してゆく人情噺ですが、この「天女」が<お夏>だとはどこにも書かれていませんが、自然と読者に裏世界での顔だと暗示させています。
「くそ婆ぁ~」と罵りながら毎日顔を出す口入れ屋の<龍五郎>、<お夏>の店の寡黙な料理人<清次>を脇役に、人生の機微に戸惑う人々との交流がほのぼのと描かれています。
Posted at 2014-12-30 12:58
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Posted at 2014-12-30 13:03
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