『CAW HOUSE カウハウス』小路幸也(ポブラ文庫)
Aug
15
着任草々、テニスコートを無断使用している老人<相川無人>と中学2年生<野島ふうか>を見つけますが、管理人としては退去させるべきところ、気の優しい<畔木>は二人が自由に使用できるように取り計らいます。
ある日の会話の中で、偶然<畔木>と<美咲>、<無人>と<ふうか>、そして<城坂>が「丑年」であることがわかり、この大豪邸を『CAW HOUSE』と名付け、<相川>老人と<城坂>部長が昔の知り合いだということがわかり、また部長の過去も明かされていきます。
主人公<畔木>は、中学生の時に阪神・淡路大震災で両親をはじめ仲間を多く亡くした過去を持っていますが、この『CAW HOUSE』を舞台として、子供たちの未来を考えるメセナ活動を企画していきます。
一企業人としての仕事と仲間への愛着、ひとの痛みがわかる優しい心の道用など、大人のメルヘンとして楽しく読み終えれました。