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今年の読書(62)『翡翠の封印』夏目翠(中公文庫)

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今年の読書(62)『翡翠の封印...
乱読派として、本を選ぶ基準はその時その時で違うのですが、今回は著者名の<翠>が本のタイトル『翡の封印』に使われているのが気になり読んでみました。

騎馬民族として王国を樹立した「ヴェルマ国」の王子<テオドリアス(テオ)>と、豊かな農地を持つ「レガータ国」の<セシアラ(セラ)>は共に15歳、両国を狙っている「ガトゥール国」に対抗するために政治的な婚姻をさせられますが、(セラ)は神殿で巫女姫として幼いころから働き、人の死を知る力を供えています。

(セラ)は(テオ)の姉<イオーネ>と婚姻のあとに合い、握手をした瞬間に死期が近いことを知り(テオ)に告げますが、それを聞いた(テオ)は怒り心頭、その日から(セラ)と決裂するのですが、誰ともわからない人物に毒矢を打たれた(テオ)を、持ち前の薬草の知識で(セラ)は助け、仲良くなりかけたときに「ガトゥール国」との戦いに出向かなければならなくなってしまいます。

(セラ)が美しい緑の瞳を持つ意味が、物語を読み進むにつれてわかり、ファンタジックな物語として楽しめた「第4回C★NOVELS大賞」(2008年)受賞作品でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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